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SiriのAI大型進化は2026年春へ:7つの新機能

Smarter Siriの文字とAppleロゴ。AI強化版Siriを象徴するビジュアル

✅この記事では、Tim Cook氏が決算説明会で示した“SiriのAIアップグレードは2026年春に到着”という見通しを整理し、実装が期待される7つの機能をやさしく解説します。
長かった延期の理由や、Apple Intelligenceとの関係、プライバシー保護の仕組みもあわせて確認します。

どうも、となりです。

2024年のWWDCで発表されたSiriのAI強化は、品質課題で再調整が続いていました。それでもAppleは開発を止めず、最新の決算説明会で「順調に進んでいる(making good progress)」とコメント。iOS 26.4(2026年春)での展開を目指すという流れに落ち着いてきました。ここからは“何ができるようになるのか”にフォーカスしていきます。

要点まとめ

  • 到着時期:2026年春(iOS 26.4想定)。Cook氏は開発が順調と説明。
  • 位置づけ:Apple Intelligenceの一部として、デバイス上のAIとPrivate Cloud Computeが協調。
  • 機能柱:個人文脈・画面理解・深いアプリ連携・クロスアプリ実行・会話性向上・複数AIモデル連携・プライバシー最優先。
  • 背景:2025年前半に品質再検証で延期。社内テストの指摘を踏まえ再設計(社内の懸念点まとめ)。

7つの新機能

1. 個人コンテキスト理解の強化

カレンダー、メール、メッセージ、メモ、写真、ファイルなど端末内の情報を横断的に把握。たとえば「友だちが送ってくれたレシピを出して」で、アプリを覚えていなくても到達できます。処理の多くはオンデバイスで完結し、プライバシーを守ります。

2. 画面上の内容を“読む”オンスクリーンアウェアネス

表示中のテキストや画像を参照して操作。メッセージで受け取った住所を見ながら「この住所を連絡先に追加して」といった自然な指示が通ります。

3. App Intentsの大拡張(深いアプリ内操作)

写真の編集→共有、メール検索→下書き作成、スプレッドシート計算など、アプリ内の具体アクションまで踏み込める設計へ。AppleはMail/Photos/Books/Camera/Spreadsheetsなど新たに12ドメイン超・100以上のアクションを用意し、Uber/WhatsApp/YouTube/Threads/Amazonなど人気アプリでも検証が進んでいるとされています。

4. クロスアプリのタスク連携

単発命令から卒業。「この写真を少し明るくして→あのメモに貼って」のように、複数アプリをまたいだ一連の作業をハンズフリーで実行します。

5. 会話能力の向上(自然さ・復唱不要・誤り耐性)

より自然で表情のある声、言い直しへの追従、文脈の保持が進化。前の質問を踏まえたフォローアップが、いまよりずっとスムーズになります。

6. 複数AIモデルとの連携

Apple Intelligenceは必要に応じて外部の大規模モデルと安全に連携(OpenAI、Anthropic、将来的なGeminiの可能性など)。タスクの難易度や種類に合わせて最適なエンジンを選びつつ、ユーザーのデータは守る――という設計思想です。動作基盤や方針はPrivate Cloud Compute(Appleシリコン搭載サーバ)で説明してきました。

7. プライバシー・ファーストの継続

個人情報に“気づいている”のに“収集しない”。オンデバイス処理を優先し、必要時のみPCCへ。サーバ側も検証可能なプライバシー(独自の監査性)を重視します。

 

 

遅延の経緯と「26.4」ターゲットの意味

2024年発表→2025年春に品質課題で延期――という流れは、正直に言えば「焦らなかった」選択です。音声対話は失敗体験が積み重なると信頼を回復しづらいので、Appleが“確実に動くこと”を最優先にしたのは納得感があります。現在は“26.4で間に合わせるための再設計”が進行中という位置づけです。

体験像:日常はどう変わる?

たとえば旅行の準備。メッセージで届いた住所を見ながら「連絡先へ追加」、写真からパスポート番号を読み取り「フライト予約フォームに記入」、仕上げに「旅程を家族に共有」まで。端末内の情報・画面・アプリが一つの作業線でつながると、Siriは“音声コマンド”から“作業の伴走者”に変わります。

ひとこと:賢さより、確実さ

Siriの再出発で一番うれしいのは、派手なデモよりも「毎回ちゃんと終わる」方向に舵を切っていることです。音声は失敗が続くほど使わなくなる領域。だからこそ、2026年は“できることが増える年”というより“任せて平気になる年”になってほしい。私はそこに期待しています。

まとめ:2026年春、Siriは“作業をつなぐ”相棒へ

Cook氏の発言でロードマップが再確認され、7つの柱も見えてきました。個人文脈・画面理解・アプリ連携・会話性・マルチモデル・PCC――どれもAppleらしいプライバシー優先の線に沿っています。延長戦が長かった分、完成度はむしろ上がるはず。
静かなアップデートが、毎日の“手間”を確実に減らしてくれる――そんな春を待ちましょう。ではまた!

Source: Cult of Mac, Apple Newsroom, 9to5Mac, Bloomberg