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Apple Fitness+は「見直し中」?──Health+統合とSiri刷新の狭間で

Apple Fitness+のロゴが重なるプロモ写真。Apple Watchを着けた女性アスリートがミッドストライドで走っている

要約:Bloombergのニュースレターによると、Appleのワークアウト配信サービス「Apple Fitness+」の将来が現在「見直し中」です。高い解約率と収益の小ささが課題で、一方で小規模ながら熱心なユーザー層があり、運営コストも大きくないため、単純な終了判断は難しい段階とされています(米国時間2025年11月9日)。

✅この記事では、再編の中身(管轄変更・新しい責任者)、今後の選択肢(維持/統合/再定義)、そして2026年のSiri再設計・Health+構想との関係を整理します。

どうも、となりです。

最近「Fitness+どうなるの?」という話題、目にすることが増えましたよね。結論から言うと、いまは“変化待ちの踊り場”。サービス自体を止めるというより、「どんな形なら価値が伝わるか」を改めて測っている最中という見方が近いです。

背景には、ヘルス領域の組織再編と、来年のAI・Siriの大型刷新があります。流れを順に見ていきましょう。

要点まとめ

  • 状況:Fitness+の将来は「見直し中」。課題は高い解約率と小さな収益。一方で熱心な少数ファンが存在。
  • 組織:2025年10月の再編で、Fitness+はヘルス部門の管轄に。スンブル・デサイ(Appleのヘルス担当VP)が統括し、同部門はエディ・キュー(サービス担当上級副社長)へ直接レポート。
  • 価格感:単体は$9.99(約¥1,600)。Apple Oneでの利用も可。
  • 次の打ち手:2026年に噂される「Health+」構想や、Siri再設計(iOS 27)と並走する形で、統合・再定義の選択肢が現実味。
  • 現状維持の理由:運営コストが大きくなく、突然の終了は反発と悪い見出しを生みやすい。

詳細解説

1) 何が「見直し」されているのか

いま焦点になっているのは、Fitness+を単独サービスとして磨き直すのか、それともヘルス領域の新パッケージ(Health+)に組み込んで再定義するのか、という選択です。

コンテンツ(ワークアウト番組)の更新は続いており、「Time to Walk」「Time to Run」などの年間シリーズも継続。つまり足を止めずに、提供の仕方価値の伝え方を再設計している段階なんですよね。

2) 組織の移動──“ヘルス文脈”で捉え直す

2025年10月の人事・組織再編で、Fitness+はヘルス部門に入っています。ここでポイントなのは、単に“どの部署が持つか”ではなく、評価軸がヘルス/ウェルビーイング中心に揃うということ。

これまでの「ワークアウト番組+Apple Watchメトリクス」から、食事・睡眠・メンタルなどの広い健康マップの中で“運動”を位置づけ直す準備とも読めます。

3) 価格とパッケージの再考

単体価格は$9.99(約¥1,600)。一方でApple Oneのバンドル下にあることで、体感として“存在感が薄くなりやすい”のも事実です。たとえば音楽や動画のように単体で語りやすいサービスと違い、ワークアウトは“習慣化の壁”が高い。ここを超えるには、データから行動へつなげる仕組み(提案・伴走・振り返り)が重要になります。

4) 2026年の文脈──Health+とSiri再設計

Bloomberg等が報じる「Health+」構想は、AIのヘルスコーチングやチャットボットの搭載が示唆されています。

来年のSiri再設計(iOS 27想定)と同時期に揃えば、音声・対話で健康行動を支援する流れが作れます。ここにワークアウト動画(Fitness+)が自然に重なれば、指示→実行→計測→フィードバックの循環がひとつの体験にまとまる、というわけです。

 

 

注目したいポイント

  1. 「番組」から「伴走」へ:これまでの“良質な動画”路線に、日々の行動変容に寄り添うAIの相棒感が加わるか。たとえば「今日はストレス指標が高いから、10分の気分転換セッションを先に」といった提案が自然に出てくると、役割が一段深くなります。
  2. “見える化”の再設計:Apple Watchの数値は豊富ですが、多くの人にとっては「で、何をすればいいの?」で止まりがち。やることがその場で決まるUI(提案→開始が一息で進む設計)が鍵です。
  3. 統合か、独立か:Health+に吸収されると“健康支援のハブ”の中でFitness+の見つけやすさが上がる半面、単独ブランドの物語は薄まります。逆に独立を保つなら、ファンが増える仕掛け(コミュニティ、チャレンジ、季節テーマ)が必要になります。

ひとこと:ワークアウトは「続く設計」がすべて

映像のクオリティや有名コーチも大切ですが、日常は忙しいんです。アプリを開く前に「今日はこれを10分」と決まっていて、始めれば時計が計測し、終われば次の提案が出る──この流れが気持ちよく回ると、人は自然に続けられます。

Fitness+の見直しは、番組の善し悪しではなく、続けられる回路をどう作るかの再設計だと感じています。ここにSiriの再設計とHealth+の“対話的コーチング”が重なれば、ようやく“毎日の相棒”に近づくはずです。

まとめ:Fitness+は“止まる”のではなく“組み直す”段階

  • 現状は終了前夜ではありません。コストとファン層、そして再編の文脈を踏まえた組み直しの段階です。
  • 鍵はHealth+×Siri再設計。対話で提案→すぐ実行→自動で振り返り、までを一息でつなげられるか。
  • ユーザーにとっての価値は、動画の数より習慣を支える設計にあります。そこが良くなるほど、存在意義ははっきりするはずです。

あなたなら、Fitness+は「独立のまま磨く/Health+へ統合する」どちらが嬉しいですか?私は“毎日の伴走”を感じられる統合設計に期待しています。

ではまた!

 

 

注記:本文中の米ドル表記は $1=¥157(2025年11月10日 JST)で概算。$9.99 は約¥1,600として目安を示しました。
※情報は2025年11月10日時点のものです。

Source: Bloomberg, MacRumors, AppleInsider