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Apple Vision Pro、visionOS 26で「デジタルプリズム補正」に対応

Apple Vision Pro、visionOS 26で「デジタルプリズム補正」に対応

✅ この記事では、Apple Vision Proに新しく追加された「デジタルプリズム補正(Digital Prism Correction)」機能について、その仕組みと実際の意味を整理し、日本ユーザーへの影響も考えます。

 

どうも、となりです。

これまでApple Vision Proには「プリズム値を含む処方に対応していない」という制約がありました。プリズム補正は眼の位置ズレや複視を矯正するために必要ですが、対応していないことで購入をあきらめざるを得ないユーザーも少なくありませんでした。公式サイトや購入画面にも、ZEISS光学インサートではプリズム度数を含む処方に非対応であるという警告文が掲載されていたほどです。

新機能:デジタルプリズム補正とは?

visionOS 26からは、この制約が解消されました。新しい「デジタルプリズム補正」機能により、プリズム値を含む処方でもVision Proを使えるようになります。手順としては、設定アプリから「Add Prism Prescription」を選び、処方箋に書かれているプリズム値を入力するだけ。これまで購入時に「自分は対象外かも」と感じていた層が、一気に救われるアップデートです。

この機能によって、警告文も削除されました。つまり「あなたの処方箋にプリズム値があっても使えるようになった」という明確な意思表示です。Appleとしても、Vision Proをより多くの人に届けるための重要な改善ポイントといえます。

仕組みと対応範囲

デジタルプリズム補正は、ソフトウェアで映像の見え方を調整する仕組みです。従来の光学インサートの設計だけでは実現できなかった部分を、ソフトの力で補っています。対応する範囲は広く、水平方向・垂直方向にそれぞれ最大7.75プリズムジオプター(PD)まで入力可能。さらに、方向はベースイン(BI)、ベースアウト(BO)、ベースアップ(BU)、ベースダウン(BD)に対応し、極座標方向(0〜359°)まで細かく指定できます。

これは、実際にプリズム矯正を必要とするユーザーにとって十分な範囲をカバーしています。つまり「ほとんどの処方で問題なく使える」レベルに到達したと言えるでしょう。

便利な使い勝手

入力したプリズム値は、光学インサートと紐づく形で保存されます。複数のインサートを持っている場合でも、それぞれで同じ補正を活かせる仕組みになっています。また、ゲストプロファイルにも保存可能です。研究施設や教育現場、あるいは家庭内で複数人がVision Proを体験するシーンでも、柔軟に対応できるようになっています。

これは「1人1台専用」という制約を緩和するものでもあり、共有端末としてVision Proを活用したい場面にフィットします。ハードの高額さを考えると、こうした配慮は実用性をぐっと高める要素です。

日本向けの注意点

事実:現時点でこの機能は米国および米国準州(グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島など)でのみ提供されています。Appleからは日本での対応時期について一切発表がありません。

考察:日本での展開が遅れる可能性にはいくつか理由があります。まず、薬機法や医療機器関連の規制。視覚補正に関わる処方は医療分野に近く、海外と同じスピードで導入できない場合があります。次に、処方箋の記載形式。日本ではプリズム度数を「△」で表記するケースが多く、米国のPD表記とそのまま整合しない可能性があります。そして、ZEISSインサートの供給体制も課題です。国内販売ルートや在庫管理が整っていなければ、正式展開は難しいでしょう。

したがって、国内ユーザーは「当面は未対応」という前提で考え、今後のアップデート情報を待つのが現実的です。視覚矯正が必要なユーザーにとっては待ち遠しいところですが、安全かつ正確に提供されることの方が大切です。

まとめ

デジタルプリズム補正は、Apple Vision Proのアクセシビリティを一段と広げる機能です。これまで「対応外」とされていた人たちにとって、使える可能性が大きく広がりました。まずは米国からの展開ですが、日本でも導入されればVision Proのユーザー層はさらに拡大するでしょう。

Appleが「誰もが使える体験」を意識して改善を進めていることが感じられるアップデートです。今後の地域展開に期待が高まります。

ではまた!