
✅この記事では、2025年第2四半期(Q2)におけるウェアラブルバンド市場の最新シェア動向を紹介します。 調査会社Omdiaのレポートによると、Xiaomi(シャオミ)がAppleとHuaweiを抜いて世界1位に浮上。 ウェアラブル市場の勢力図が静かに変わり始めています。
- Omdiaとは?──世界中のテック動向を追う分析機関
- Xiaomiが首位に浮上──“手首の戦い”が変わる
- Appleが3位に──「プレミアムだけでは勝てない」市場に
- エコシステムの戦い──XiaomiはHyperOSへ、HuaweiはHealthへ
- 市場の成長率と今後の見通し
- まとめ
どうも、となりです。
Omdiaが発表した最新の出荷レポートによると、2025年第2四半期のウェアラブルバンド市場で、Xiaomiが前年比61%の成長を記録し、出荷台数でAppleとHuaweiを上回りました。 全体の出荷数は5,020万台(前年比+13%)に達し、その中でXiaomiの「Smart Band」シリーズが特に大きな伸びを見せた形です。
この記事を読むとわかること:
・XiaomiがAppleを抜いた背景
・Apple Watchの現在地と課題
・ウェアラブル市場が向かう次の方向性
Omdiaとは?──世界中のテック動向を追う分析機関
Omdia(オムディア)は、イギリスに本拠を置く調査・分析会社で、IT・通信・家電・半導体などの分野を専門に扱っています。 かつて「IHS Markit Technology」として知られていたチームが母体で、現在はデータ分析企業Informa Techの一部門として活動中です。
特徴は、企業の財務データや出荷台数、サプライチェーン情報を独自のモデルで推定する点。 IDCやCounterpointなどと並ぶ、信頼性の高いテック系リサーチ企業のひとつです。 Apple関連では、iPhoneやApple Watchの出荷見通し、製造拠点の動向などを定期的に発表しています。
今回のレポートも、各社の販売データと流通チャネル情報をもとに作成されたもので、業界内では比較的精度の高い指標とされています。
Xiaomiが首位に浮上──“手首の戦い”が変わる
Omdiaのデータによると、Xiaomiはウェアラブル市場で前年比61%増という驚異的な成長を遂げ、ついにAppleとHuaweiを抑えてトップに立ちました。 Huaweiが2位、Appleは3位に後退。 Apple Watchがプレミアムセグメントを支配してきた流れに、変化の兆しが見えています。
Xiaomiの伸びを支えたのは、エントリーモデルのMi Smart Band 9やRedmi Bandシリーズ。 価格は抑えつつ、血中酸素計測・睡眠トラッキング・AIヘルス解析など、スマートウォッチに迫る機能を搭載。 特に新興国市場で“コスパの良い健康デバイス”として人気を集めています。
Appleが3位に──「プレミアムだけでは勝てない」市場に
Appleは2025年第2四半期、出荷ベースで前年比1%の減少にとどまりました。 数字だけ見れば小幅な変化ですが、XiaomiとHuaweiが勢いづく中でのマイナスは象徴的です。
とはいえ、金額ベースでは依然としてAppleがリーダーです。 Omdiaの分析によると、スマートウォッチの出荷は全体の32%にすぎないものの、市場全体の69%の売上価値を生み出しています。 つまり、ユーザー数よりも1人あたりの支出額で圧倒的にリードしているというわけです。
この「量より質」の構造が、Appleの立ち位置をよく表していますね。 ただし、XiaomiやHuaweiのように“軽いエコシステム”を持つ企業がユーザーの裾野を広げている点は、Appleにとっても無視できない流れです。
エコシステムの戦い──XiaomiはHyperOSへ、HuaweiはHealthへ
Omdiaのレポートが強調しているのは、「ハードウェア競争からエコシステム競争への移行」です。 Xiaomiは新OS「HyperOS」によって、スマートバンド・スマホ・テレビ・家電までをつなぐ統合体験を進めています。 一方でHuaweiは「Huawei Health」アプリを中心に、健康データの解析やサブスクリプション型のウェルネスサービスを展開中。
Appleも同様に、Apple WatchとiPhone、そしてApple Intelligenceを軸にした健康データ連携を強化しています。 ただし、XiaomiやHuaweiのように「価格で裾野を広げる戦略」ではなく、「信頼性・精度・体験価値」で勝負する方向に振り切っているのが特徴です。
市場の成長率と今後の見通し
Omdiaは2025年のウェアラブルバンド市場の年間成長率を+8%、2026年を+9%と予測しています。 成長率としては落ち着いているものの、市場の重心は“安価なスマートバンド”から“高機能スマートウォッチ”へと徐々に移行中です。
実際、AppleやSamsungなどプレミアム勢のユーザーは買い替え周期が長く、市場全体の「台数」よりも「利用時間」や「サブスク化」が重要になりつつあります。 この流れにXiaomiがどこまで食い込めるか、そしてAppleがどのように“健康+AI”の差別化を深めるかが、次の焦点になりそうです。
まとめ
今回のOmdiaレポートは、Appleが「シェアで負け、価値で勝つ」構図を再び浮き彫りにしました。 Xiaomiの急伸は確かに勢いがありますが、Appleが築いたエコシステムの深さは依然として別次元です。
ウェアラブルの次の主戦場は、単なるガジェットではなく「健康」「AI」「つながり」。 Appleがこの3本柱で再びトップを奪還するのは、そう遠くない未来かもしれません。
ではまた!
Source: Gizmochina

