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DJI Neo 2がApple Watch対応、手首で操縦できるように

Apple Watchを操作しながら、目前を飛行するDJI Neo 2ドローンを見つめる女性の様子

✅この記事では、DJIの小型ドローン「Neo 2」が、最新アップデートでApple Watchからのリモート操作に対応したというニュースを整理します。どんな操作が手首だけでできるのか、安全面の制約や注意点もあわせてチェックしていきます。

どうも、となりです。

Apple Watchはこれまで「通知を見る」「ワークアウトを記録する」存在でしたが、今回DJIがやってきたのは、そこから一歩進んだ「ドローンのコントローラーにしてしまう」チャレンジです。しかも、最新のNeo 2だけでなく、初代Neoにも対応予定ということで、すでに持っている人にとっても見逃せないアップデートになっています。

とはいえ、「時計でドローンを飛ばすなんて危なくない?」「どこまでiPhoneなしで完結できるの?」といった疑問も当然出てきますよね。まずは今回のアップデートで追加された要素を整理してから、実際の使い勝手や向いているシーンを考えてみます。

今回のアップデートの要点

9to5Macなどの報道を元に、DJI Neo 2の新ファームウェアで分かっているポイントを整理すると、主なアップデートは次のとおりです。

  • Neo 2向けファームウェア「v01.00.0500」でApple Watchリモート操作に対応
  • 対応モデルはApple Watch Series 8 / 9 / 10 / 11、Ultra 2 / Ultra 3など、watchOS 11以降を搭載したモデル
  • iPhone側にはDJI Flyアプリ v1.19.4が必要(バックグラウンド動作に対応)
  • Apple Watch上で、ライブビュー表示・録画開始/停止・トラッキング操作・音声コマンドが可能
  • iPhone画面はロックしたり他アプリに切り替えたりしてもOK(ただしDJI Flyを強制終了すると接続は切断
  • Apple WatchのLow Powerモード中はDJI Flyのウォッチアプリは動作しない
  • 初代「DJI Neo」にも、今後のアップデートでApple Watch対応が提供予定
  • そのほかNeo 2本体には、被写体ロスト時やバッテリー残量低下時のビープ通知追加、バグ修正なども含まれる

ざっくり言うと、「iPhoneはポケットにしまったままでも、Apple Watchだけである程度の操縦や撮影が続けられるようになった」というのが今回の一番大きな変化です。

Apple Watch+DJI Neo 2の対応条件

まずは「手持ちのApple Watchで使えるのか?」という実務的なところから確認しておきましょう。

対応するApple WatchモデルとwatchOS

DJIの案内によると、今回のApple Watchリモートが対応するのは、Series 8 / 9 / 10 / 11と、Ultra 2 / Ultra 3といった比較的新しいモデルです。いずれもwatchOS 11以降が動作条件になっているため、古めのモデルを使っている場合はハードウェアごと見直しが必要になる可能性があります。

Apple Watch本体の選び方や買い替え判断については、最近まとめたApple Watch Series 11をスルーした理由の記事もあわせて読んでもらうと、どこまで新機能を追うべきかイメージしやすいと思います。

iPhone側の条件とDJI Flyアプリ

Apple Watchだけで完結するわけではなく、あくまで「iPhone+DJI Flyアプリ」がベースにあります。今回のアップデートでは、iPhone側のDJI Fly(v1.19.4)がバックグラウンドに回っていても、Apple Watchアプリ経由でドローンとやり取りできるようになりました。

つまり、飛行中にiPhoneで音楽アプリを開いたり、地図を見たりしても大丈夫ということですね。ただし、マルチタスク画面からDJI Flyをスワイプして完全終了してしまうと、Apple Watchとのリンクも切れるので、ここは注意ポイントです。

バッテリーと省電力モードの制約

もうひとつ重要なのが、Apple Watchの電源まわりです。今回のウォッチアプリは、watchOSのLow Powerモード中は動作しない仕様になっています。長距離サイクリングなどでバッテリーを持たせるためにLow Powerを常用している人は、ドローンを飛ばすタイミングだけでもオフにする必要があります。

また、ライブビュー表示を長く維持したい場合は、Apple Watchの「画面を70秒間起こしておく」設定にしておくと安心です。設定アプリの「画面表示と明るさ → 手首を上げて画面オン → 起動時間を70秒」にしておくと、手元での状況確認がだいぶ楽になります。

詳細解説:Apple Watchが“空のリモコン”になる

手首で完結する操作内容

DJI Neo 2のApple Watchアプリでは、想像以上に多くの操作が手首側に引き出されています。代表的なものは次のようなものです。

  • ドローンのステータス確認(バッテリー残量や接続状態など)
  • カメラのライブビュー確認
  • 録画の開始・停止、写真撮影
  • アクティブトラックなどの被写体追尾の開始・停止
  • 一部のモード切り替えやクイックショット操作

物理スティックのような細かな操縦まではウォッチ側には来ていませんが、「自撮り撮影を始める」「追尾モードをオンにする」「録画を止める」といった“トリガー操作”はほぼ完結できる構成です。もともとNeoシリーズは自律飛行や障害物検知がかなりしっかりしている機体なので、こうした「スイッチを切り替えるだけ」の操作との相性は良さそうです。

ライブビューと手首のジェスチャーの関係

Apple Watch上のライブビューは、watchOSの省電力設計にきちんと従っています。つまり、手首を下げて画面がスリープに近い状態になると、ライブ映像は低リフレッシュモードに入り、一時的に映像が止まったように見えます。

ただ、これはあくまでApple Watch側の表示を節約しているだけで、ドローンの飛行や録画が止まるわけではありません。手首を持ち上げるか、画面をタップするとすぐにライブビューが復帰するので、実際の運用では「確認したいときにだけパッと覗く」形になるはずです。

音声コマンドとウォッチ側マイクの活用

今回のアップデートの面白いところが、Apple Watchを単なる画面ではなくマイクとしても活用している点です。iPhone側でDJI Flyにマイクアクセスを許可し、「Voice Control」や「App Recording」をオンにしておくと、Apple Watchから音声コマンドを送ったり、ウォッチ内蔵マイクで音声を収録したりできます。

たとえば、トレイルランや自転車で走りながら、息を切らしつつ「録画開始」「追尾スタート」としゃべるだけで操作できる、という世界観ですね。上空のカメラと手首のマイクで映像と音声を別々に拾っておき、あとで編集で組み合わせる、という使い方も現実的になってきます。

 

 

注目したいポイント

「初代Neo」ユーザーも巻き込むアップデート方針

今回のニュースで個人的に好印象だったのは、「Neo 2だけ優遇」ではなく、初代NeoにもApple Watch対応を配る予定が明言されている点です。ハードウェアを買い替えなくても、ソフトウェアアップデートで同じ体験が広がっていくのは、Apple WatchやwatchOSがこれまで積み上げてきたモデルチェンジの考え方とも近いものを感じます。

Apple Watchの“使いどころ”が増える

Apple Watchは、健康管理や通知で手放せない存在になっている一方で、「買い替えたけれど、そこまで新機能を活かせていない」という声も多いデバイスです。その意味では、ドローンのような別カテゴリのガジェットと組み合わせることで、Apple Watchが「撮影のハブ」としても働き始めるのは面白い変化だと思います。

watchOS 26のアップデートの流れや、Ultra 3向けの先行アップデートについては、以前まとめたwatchOS 26.0.1の記事でも触れましたが、ソフトウェア側の進化がこうして周辺機器の世界にも波及してくると、「時計を新しくする意味」が少し変わってきますよね。

安全面と“やりすぎない自動化”

一方で、Apple Watchだけでの操作がどこまで許されるのかは、今後も慎重に見ていく必要があります。画面が小さく、細かい情報を一度に表示できない以上、重要なのは「何をウォッチ側に出さないか」の設計です。

Neo 2は全方位障害物検知や自動リターン機能など、ハード側の安全装備が厚い機体です。それでも、複雑な状況判断や緊急時の介入は、従来どおり専用コントローラーやiPhone側から行うべきでしょう。Apple Watchは「トリガーとモニタリングを任せる場所」と割り切るのが、今のところちょうど良いバランスに見えます。

Redditの反応まとめ

  • 「Cool」「That’s cool!」といった、素直な好印象のコメントが多い。
  • すでに「DJI Neoを10分前に買った」という購入報告もあり、実際に試すつもりのユーザーも出てきている。
  • 「Neo 1なのか2なのか?」といったモデルの細かい違いを気にする声もある。
  • Series 8には対応するのにUltra 1がリストにない点を不思議がり、「S8以降対応ならUltra 1も含まれるはず」とリリースノートを読み解くコメントもある。
  • 「早く試してみたい」と楽しみにしているユーザーもいて、全体としては前向きな期待感が強い。
  • 一方で「Bluetoothでドローンを制御するなら飛行距離がかなり短くなるのでは? 自撮り用と割り切ればアリかも」と、通信方式と実用性を気にする意見もある。

海外でもおおむね好意的な反応が多い一方で、対応機種や通信距離など、細かい仕様面への疑問や不安もじわじわと出てきている印象です。

ひとこと:Appleユーザーにとっての“最初のドローン”候補

今回のアップデートを見ていると、DJI Neo 2は単なるスペック勝負のドローンではなく、「Appleユーザーが最初に買う一台」を狙った製品なんだろうなと感じます。iPhoneで撮って、Apple Watchでトリガーを切り、AirDropやiCloudでさっと共有する──そんな流れを自然にイメージさせる作りだからです。

逆に言えば、ハイエンドな空撮や細かな操縦を突き詰めたい人にとっては、まだ物足りない部分も残っているはずです。ただ、「まずは手軽に空撮を始めてみたい」「ランニングやサイクリングの記録にドローンを足してみたい」といった用途であれば、このApple Watch対応はかなり強い追い風になると思います。

今後、他のDJI機やサードパーティ製ドローンが同じ方向に進んでいくのか、それともNeoシリーズ特有の体験として差別化されていくのか。そのあたりも含めて、しばらく追いかけていきたいところですね。

まとめ:Apple Watchが“空の相棒”になる一歩

あらためてまとめると、DJI Neo 2の新ファームウェアは、Apple Watchを通じてドローン操作の一部を手首に引き寄せるアップデートでした。対応モデルはSeries 8以降やUltra 2 / Ultra 3などwatchOS 11対応機に限られますが、ライブビューや録画操作、トラッキングのオン/オフ、音声コマンドなど、日常的な撮影で使う場面はかなりカバーされています。

iPhone側のDJI Flyアプリをバックグラウンドに回しつつ、Apple Watchで状況を確認してトリガーを切る──そんな使い方が当たり前になってくると、ドローン撮影はもっと「生活の延長」に近づいていくはずです。Apple Watchが健康管理だけでなく、空撮の相棒にもなっていく流れを、これからどう広げていくのか注目したいですね。

あなたなら、Apple Watchで飛ばせるドローンがあったら、どんなシーンで使ってみたいですか?

ではまた!

Source: 9to5Mac