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Apple初の『USB PD 3.2 AVS』対応充電器 ― なぜ40Wで60Wと表記されるのか?

✅ この記事では、「Apple 40W Dynamic Power Adapter with 60W Max」の最新状況を整理し、海外メディアの分解レポートと国内ユーザーによる実測データをあわせて紹介します。設計上の狙いと実際の挙動の“差”を整理し、iPhone 17ユーザーがどの充電器を選ぶべきかをわかりやすく解説します。

どうも、となりです。

新しいiPhone 17シリーズと同時に登場した「40W Dynamic Power Adapter」。見た目は従来の充電器と大差ないのに、世界初のUSB PD 3.2 AVS対応、そして一時的に最大60Wまで引き上げられる“ブースト”仕様と報じられました。さらに海外メディアChargerLabの分解レポートでは内部の仕組みも公開され、「Appleらしい工夫が詰まっている」と評価されています。

一方で、日本の周辺機器メーカーMOTTERUが実際に計測した結果では「iPhone 17は最大でも35W程度」という報告も。つまり、設計上のポテンシャルとユーザーが体感できる速度にはギャップがあるわけです。

海外記事が伝える「世界初のPD 3.2 AVS対応」

ChargerLabの分解レポートによれば、このアダプタは「USB PD 3.2 AVS」に世界で初めて対応。従来は固定段階だった電圧を細かく調整できるようになり、発熱や寿命を考慮しつつ効率よく充電できます。

さらに「冒頭の短時間だけ最大60Wを供給し、その後40Wに落ち着く仕組み」として紹介されています。iPhone 17の「20分で50%充電」という公式アピールも、このブーストによって実現していると説明されました。

つまり、設計思想としては「必要なときにだけ一気に押し込む」アダプタだということです。

国内実測:実際は35W程度が上限

一方で、MOTTERUの技術担当がiPhone 17を実測したところ、実効の最大は34〜35W程度。しかもその状態は20秒ほどしか続かず、普段は27W前後で推移するとのこと。0〜100%充電には1時間42分かかり、PD30Wのアダプタと大きな差は見られなかったそうです。

さらに、PD20Wでも50%まで約27分で到達できるため「20Wでも十分」「30Wあれば安心」という結論を出しています。つまり、Apple純正40Wでなければ体験できない速度差はほぼ限定的だったのです。

なぜ数値が食い違うのか?

ではなぜ「60Wブースト」と「35W上限」という違う声が出るのでしょうか。ポイントを整理します。

  • 受電上限の壁:iPhone側が40W前後しか受け入れないため、充電器の出力が高くても頭打ちになる。
  • 充電カーブ:序盤は一気に入れても、すぐに絞られる仕組み。測定区間によって印象が変わる。
  • 制御の使い道:AVSの恩恵を速度よりも「発熱抑制」や「バッテリー寿命」優先に振っている可能性がある。
  • 計測条件:ケーブルの仕様や室温、残量の違いで数分の差が消えてしまうことも。

つまり、「海外は仕様上のポテンシャルを強調」「国内は実際のiPhone挙動を計測」しているので、どちらも間違いではなく視点の違いなんです。

日本ユーザーにとっての意味

結論から言えば、普段使いでは30Wクラスの充電器で十分。Apple純正40Wは「最新規格対応」「温度管理や部品品質の安心感」といった付加価値を評価する製品といえます。

特に、夏場や高負荷アプリ使用中でも安定して急速充電できる再現性は、単なるワット数競争以上に意味があります。逆に「とにかく安く速く」を求めるなら、PD30Wアダプタでも大きな不満は出ないでしょう。

関連して、iPhone 17 Proの高速充電事情を整理したこちらの記事も参考にどうぞ。

まとめ

Apple 40Wダイナミック電源アダプタは、世界初のPD 3.2 AVS対応という技術的な新しさを持ちながら、実際のiPhone 17充電速度は「30Wアダプタと大差なし」という結果も出ています。

「40Wなのに60W」という表現は仕様上の説明に近く、ユーザー体験としては「条件次第で差が出ることもあるが、安定性と寿命への配慮が本当の強み」と理解するのがフェアでしょう。

つまり、最新規格を体感したい人には魅力的な選択肢ですが、コスパ重視なら従来の30Wアダプタでも十分です。

ではまた!

修正履歴

  • 初出(海外メディアChargerLab引用):
    「短時間60Wブーストで速く充電できる」と紹介。
  • 2025/9/26 修正:
    国内MOTTERUの実測(最大35W程度)を反映し、表現を「条件次第で差が出ない可能性もある」に変更。
  • 加筆:
    数値が食い違う理由(受電上限・充電カーブ・計測条件など)を解説し、ユーザーが納得しやすい説明を追加。