
✅ この記事では、代替アプリストア「AltStore」がシリーズAで600万ドル(約9億円)を調達し、日本・ブラジル・オーストラリアで年内に提供開始する計画を発表したニュースを、現時点での正確な利用状況とあわせて解説します。
- 今回の発表で“確実に言えること”だけ整理
- AltStoreとは?──“App Store以外から入れる”ための正攻法
- 「日本でももう使えるの?」──現状の正確なところ
- 「対応したらどう使うの?」最短理解ガイド
- redditの反応まとめ
- さいごに
どうも、となりです。
App Store一択と思いがちなiPhoneの世界にも、いま新しい波が来ています。それがAltStore。 今回の発表は、資金調達と日本・ブラジル・オーストラリアで年内に提供予定という“公式計画の告知”段階です。
すでにSNSでは「日本でも入れられた」「動いた」といった報告もありますが、それらは正式提供版ではなく、従来型(Classic版)を用いた非公式導入です。 この記事では、AltStoreの基本構造と今回の発表内容、そして「現時点で何ができるのか・まだできないのか」を整理します。
今回の発表で“確実に言えること”だけ整理
- シリーズAで600万ドルを調達(主導はPace Capital)。
- 日本・ブラジル・オーストラリアで年内提供予定を正式発表(その後、英国が来年の展開対象)。
- AltStoreはActivityPub(Mastodonなど)対応に踏み出し、開発者/ユーザー間の連絡経路を整備。
- 寄付プログラムとしてMastodon gGmbHなどに総額50万ドルの支援を実施予定。
要点:いまの段階では「提供開始」ではなく「提供予定を発表」。この違いを明確にしておきましょう。
AltStoreとは?──“App Store以外から入れる”ための正攻法
たとえば、学校の購買(=App Store)とは別に、先生の許可を取って教室で配る仕組み(=AltStore)を用意するようなもの。 非脱獄(ノン・ジェイルブレイク)のまま、ユーザー自身のApple IDでアプリに署名して入れる仕組みです。
- AltStore Classic:2019年から存在する方式。PC/Mac用のAltServerを使って同一Wi-Fi経由でiPhoneに転送。無料Apple IDでは7日ごとに再署名が必要。
- AltStore PAL(EU版):EUのデジタル市場法(DMA)に準拠した新方式。Appleの公的経路を経て配信されるため、PC不要・審査済みアプリ中心。
ポイント:日本でどちらの方式(Classic/PAL)になるかは今回の発表時点では未発表です。
「日本でももう使えるの?」──現状の正確なところ
結論から言うと、AltStore PALはまだ日本で正式提供されていません。 ただし、従来のClassic版AltStoreを使えば、日本でも「技術的に導入できる」状態にはあります。
つまり、現在報告されている「日本でも使えた」「インストールできた」という例は、すべて以下のようなパターンです。
- Classic版AltStoreを使って、自分のApple IDで署名したケース。
- VPNを経由してEU圏からアクセスした扱いでPALを入れたケース。
どちらも“試せる”状態ではありますが、前者は開発者向け機能の応用、後者は地域制限を回避する非公式な導入です。 つまり「動く」=「公式に提供されている」ではありません。
このあたりは、GigazineのAltStore PAL紹介記事や、 noteで解説されているAltStore Classic導入レポートを見ると構造がよくわかります。
「対応したらどう使うの?」最短理解ガイド
正式に日本で提供が始まった場合、基本的には公式が示す手順に従うだけで導入できます。 Classic型を前提とした流れは以下のとおりです(PALならPC不要の可能性があります)。
- PC/MacにAltServerをインストール。手順に従い、iPhoneをUSB接続して初期ペアリング。
- AltStore(iPhone版)をAltServer経由で導入。iPhoneの設定→一般→VPNとデバイス管理から開発者を信頼。
- AltStore内でアプリを選んで「Install」。自動署名→アプリ導入。
- 無料Apple IDは7日ごとに再署名。同一Wi-Fi内にAltServerがあれば自動更新も可能。
注意:現時点で公開されているClassic手順は、Appleの開発者向け署名機能を利用しているため、企業・教育機関・個人開発者向けの機能の延長線上にあります。 正式提供後は、PAL形式(PC不要・審査済みアプリ中心)に切り替わる可能性もあります。
redditの反応まとめ
AltStoreの日本展開ニュースは海外コミュニティでも話題に。redditでは「期待と現実」をめぐるユーモア混じりの議論が広がっています。
「アプリは?」──中身を問う声
「新しい国で展開するのはいいけど、実際どんなアプリがあるの?」という声が上位に。 「AltStore公式ディレクトリを見てみなよ」と冷静に返すユーザーもおり、 「つまり、まだ“中身”はこれからだね」と納得する空気に。
「日本アカウントで使える?」──地域制限の壁
「日本でApple IDを作ってAltStoreを入れたら、帰国後も動く?」という質問には、 「日本に飛んで確かめてくる、すぐ戻る!」と冗談で返すユーザーも登場。 サイドローディングの“国境問題”に笑いを交えた議論が続いていました。
「代替ストアではなく“選択肢”」という冷静な視点
「AltStoreはApp Storeの代替ではなく、あくまで“もう一つの選択肢”」という意見も多く、 過度な期待より「新しい仕組みが始まった」ことを評価する声が目立ちます。
さいごに
今回のニュースは、あくまで「資金調達と年内提供予定の発表」まで。 現時点で日本で動作しているAltStoreはClassic方式による非公式導入にすぎません。
とはいえ、App Store中心の日本に「もう一つの入口」が見えてきたことは確か。 規制と技術のあいだで、少しずつ“アプリの自由化”が動き始めています。 焦らず、正確な情報を押さえつつ、公式展開を待つのがいちばん安全です。
ではまた!
Source: TechCrunch / 9to5Mac / AltStore Official Blog / Gigazine / note(k_tobacco) / AltStore FAQ