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M5がM1 Ultraにほぼ追いつく──ベース版なのに「6%差」:3nm第3世代×新世代Macの現実

M5がM1 Ultraにほぼ追いつく

✅ この記事では、9to5Macが伝えた「ベース版M5がM1 Ultraにマルチコアで約6%差まで迫る」という初期ベンチ結果をもとに、数字の意味今後の見通しを整理します。現状は14インチMacBook Proのみですが、この数値が示すのは“チップの強さ”よりも、Appleシリコンの構造変化そのものかもしれません。

どうも、となりです。
まだ「無印」なM5が、デスクトップ向けの怪物M1 Ultra(2022年、当時は40万円級のMac Studioでしか触れない性能)に迫った──この差分、ただの数字遊びではなく、“誰もが買える価格帯にハイエンド級の体験が降りてくる”という物語なんですよね。

最新動向:ベース版M5が“M1 Ultra級”へ6%差、M3 Maxとも5%差

9to5Macによると、Geekbench 6のマルチコアでM5(無印)がM1 Ultraから約6%遅れにとどまり、“binned”なM3 Max(マルチコア18,933)にも約5%差まで接近。しかも登場しているのは14インチMacBook Pro($1,599)搭載のベースM5だけです。

軽さ自慢の時代は終わり。“ベースが強い”と、市場全体の手触りが一段引きあがる。

構成はM4同様4つの高性能コア+6つの高効率コア。製造は3nm(第3世代)で、電力あたり性能の伸びが数字にも素直に出てきた形ですね。

性能・仕組み:なぜ「無印」でここまで来た?

ポイントは2つ。ひとつはプロセス進化(第3世代3nm)による電力あたり性能の底上げ。もうひとつは、効率コア側の“地力”が年々上がっていること。マルチコアは実行効率の積み上げが効くので、“Pコア全開=爆速”という単純図式だけでは語れません。熱設計に厳しいノートでも数字が出やすい構造なんです。

そして、“上位モデルが出ていない”というよりも、「上位を分ける必要がなくなりつつある」という点こそ注目です。すでに「Pro/Max時代の終焉」という見立ても出ており、M5は単一設計で広い性能レンジをまかなう方向へシフトしているように見えます。もしこれが定着すれば、今後は“モデル名の差”ではなく“筐体サイズや放熱構造の違い”が主な分かれ目になるかもしれません。

 

 

価格とライン:高額機の体験が“下りてくる”順路

元記事では、まずは14インチMacBook Proでスタートし、やがてMacBook Air($999)Mac mini($599)クラスへ展開していく可能性に触れています。“かつてはPro Studio専用級”が、普及価格帯に落ちてくる──これがAppleシリコン時代のダイナミクスですね。

手触り視点の補足は、うちの過去記事も置いておきます。たとえばNeural Engineの体感速度初回ベンチの読み解き、そして将来的なiPad/Wi-Fi 7/外部120Hzの噂文脈はこちらに。

データの物語化:数字が示す“使い勝手の未来”

  • 作業の同時並行がラクになる:効率コアの強化は、バックグラウンド処理やAI補助の“常時オン”を支える土台。結果、前面の体感がスムーズになります。
  • 発熱・騒音の余裕:同じパフォーマンスをより低い消費電力で出せるほど、ファンは静かで、持ち運び時の安定も増します。
  • “待ち時間”の質が変わる:動画出力や大規模RAW現像で、小さな待ちが積み重ならない。これは一日の疲れ方に直結します。

市場・日本の視点:買いどきは“ベースで十分”が合図

「上位を待つべき?」の悩みにも、今回の数字はヒントをくれます。持ち運び中心・編集はフルHD〜4K軽作業・AI処理は軽めなら、ベースM5の時点で相当強い“M5だけで完結する世代”という前提に立つと、Airやminiにこの性能が降りてくるだけで、もう十分頼もしい未来です。

まとめ:M5は“1チップ時代”の合図かもしれない

今回の動きをひとことで言うと、「ハイエンド専用の景色が、ふつうの価格帯に降りてくる合図」です。次に注目すべきは、(1)M5の電力枠がAir/miniでどう最適化されるか、(2)AIタスクにおけるNeural Engineの実アプリ最適化、(3)「Pro/Maxが不要になるほどの安定設計」がどこまで実現するか。静かに広がる“使い勝手の革命”、楽しみですね。

ではまた!

 

 

Source:

  • 9to5Mac