
✅ この記事では、iPadOS 26の新機能「Background Tasks(バックグラウンドタスク)」が何を変えるのか、Mac的な使い勝手との違い、開発者側の要件までをやさしく解説します。
- 要点まとめ:iPadでも“置き去り実行”ができる時代に
- どう便利になる?──Macっぽい“ながら仕事”をiPadで
- 仕組みのキモ:API更新とタスクの“始まり方”
- 日本ユーザー目線:どんなアプリで恩恵が大きい?
- 背景と今後:iPadは“作業を止めない”方向へ
- まとめ:iPadが「待たせない」道具になる
どうも、となりです。
たとえば動画を書き出しながらメール返信、RAW現像を回しつつ資料を読みたい──そんな“ながら作業”が苦手だったiPadに、いよいよ本気のテコ入れが入りました。iPadOS 26では、アプリを画面から外しても長時間の処理を継続できる公式仕組みが追加。進行中のタスクはLive Activitiesとして表示され、進捗・一時停止・中止などがコントロールできます。Apple公式のニュースリリースにも「計算負荷の高い処理をバックグラウンドで」と明記されており、長年の弱点だった“アプリがすぐ寝る問題”に正面からメスが入りました。
要点まとめ:iPadでも“置き去り実行”ができる時代に
これ、地味にすごいのは“ユーザーが画面上で開始した長時間処理”をそのままシステムが引き継いで完走させるとこ。Appleは開発者向けにBackground Tasks APIの更新を公開し、具体名ではBGContinuedProcessingTaskなどの新タスクタイプを案内しています。つまり、書き出しやサムネ生成、変換・圧縮のような処理を“閉じても走る”前提で作れるようになったわけです。WWDCセッションやドキュメントでも「ビデオ書き出しのようなロングランをバックグラウンドで完了」できると説明されています。
一文まとめ:ユーザー起点の長尺処理を、アプリ非表示でも止めずに走らせ、Live Activitiesで見張れるようになった、がコアです。
どう便利になる?──Macっぽい“ながら仕事”をiPadで
想像してみてください。Final Cut系の編集アプリで動画書き出しを開始 → ホームに戻って資料確認 → 進行は画面上部のLive Activitiesで確認。写真の一括サムネ生成、SNS用の一括圧縮、DAWの音声レンダーも同様です。従来は、アプリを切り替えると「いつの間にか止まってた」が起きがちでしたが、iPadOS 26では処理を完走できます。Appleの広報素材でも、動画/画像処理や大容量ダウンロードなどの代表例が挙げられています。
しかもタスクはLive Activitiesに出るので、上からチラ見して様子を見るだけ。“アプリを開きっぱなしにして監視”からの卒業は、iPadを仕事道具として使う上でインパクトが大きいはず。9to5Macも「プロユーザーが愛するMac的パワー」と評していて、方向性としてはまさにそれ。
仕組みのキモ:API更新とタスクの“始まり方”
技術的には、ユーザー操作で開始した長時間処理をOSが責任持って最後まで面倒を見る、という設計に寄っています。勝手に裏で走るのではなく、ユーザー起点であることが大前提。だからこそ、電池や体感の安全性を保ちつつ、必要な時だけ“粘る”動作を許可できるわけです。Appleのデベロッパー向け資料では、従来のバックグラウンド実行(フェッチ等)と区別しつつ、長時間・明確な終点のある処理に向いたAPIであることが丁寧に説明されています。
なお、この仕組みはiPad限定ではなくiOS 26(iPhone)でも提供される位置づけ。ただ、画面領域やワークフローの都合で、iPadが真価を発揮しやすいのは間違いありません。
日本ユーザー目線:どんなアプリで恩恵が大きい?
たとえば、映像編集・音楽制作・写真現像。書き出しに数分〜数十分かかる現場で「アプリから離れて別作業」が成立するのは、仕事のリズムがガラッと変わります。ファイル管理系(圧縮・サムネ生成・OCR)も効果大。教育現場なら、電子教材の一括処理やクラウドアップロードの見張り役として効いてきます。9to5Macのハンズオンでも、こうしたプロ寄りユースケースが具体例として挙げられていました。
もちろん、開発者側の対応は必要。すぐにすべてのアプリが恩恵を受けるわけではありませんが、動画/写真/音声系のメジャーアプリから順に“対応バッジ”が増えていくはず。Appleは「開発者が更新したAPIで長時間処理を実装できる」と明言しています。
背景と今後:iPadは“作業を止めない”方向へ
iPadOS 26はウィンドウやDock/ファイルの強化、UIの統一(Liquid Glass)など、“Mac的な作業の継続性”を意識したアップデートが並んでいます。なかでもバックグラウンドタスクは、生産性の土台に直結する部分。Appleのエグゼクティブへのインタビューでも、iPadを現実的なPC代替に近づける長年の歩みが語られており、今回はその大きな1ピースという位置づけでしょう。
開発者視点では、長時間処理の設計・進捗通知・一時停止/再開の作法が標準化され、ユーザーは“見える化”されたタスク管理を得る。まずはプロ系アプリから、やがて趣味・教育・業務の広い領域へ波及していくはずです。
まとめ:iPadが「待たせない」道具になる
iPadOS 26のバックグラウンドタスクは、長時間処理を止めずに走らせ、進捗をLive Activitiesで見守れる仕組み。“アプリを開きっぱなし問題”から解放され、Mac的なながら仕事が現実味を帯びます。まずは対応アプリ待ちですが、対応が広がればiPadを閉じても仕事は回り続ける世界に。
ではまた!
Source: Apple Newsroom, Apple Developer Documentation(BackgroundTasks / What’s New in iPadOS 26 / WWDC25 Videos), 9to5Mac, TechRadar