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iFixit分解で判明──iPhone Airが“薄くても壊れにくい”理由

iFixit分解で判明──iPhone Airが“薄くても壊れにくい”理由

✅ この記事では、「iPhone Airがどのようにして5.6mmという薄さを実現したのか」を、iFixitや関連レポートの分解情報をもとに整理します。実際の内部構造や修理性、日本ユーザーへの影響まで、わかりやすく解説します。

どうも、となりです。

新しいiPhoneが出るたびに恒例となっているのが、分解専門サイトiFixitによる詳細なteardown(分解レビュー)。今回ターゲットになったのは、シリーズ初の超薄型モデル「iPhone Air」です。わずか5.6mmのボディにどうやって主要部品を収めたのか、そして修理のしやすさはどうなのか──気になるポイントをまとめていきます。


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カメラバンプとCTスキャンで判明した内部構造

分解前に実施されたLumafield CTスキャンでは、主要コンポーネントが大きなカメラバンプの内部へ移動されていることが確認されました。Appleはこの部分を「plateau」と呼び、ロジックボードや通信チップを収めることで、他のスペースをバッテリーとディスプレイ専用に割り当てています。

これにより、薄型でありながら耐久性を保ちやすい構造となり、ポケットでの曲げ応力にも強い設計に。以前の「bendgate」問題を意識したAppleらしい工夫といえます。

バッテリー:容量と重量比

iFixitの分解では、背面ガラスを外すとすぐに金属で覆われた12.26Whのバッテリーが確認できました。これはApple純正のMagSafeバッテリーパックと同一セルで、実際に交換しても動作することが確かめられています。

さらにAppleInsiderによる解析では、このバッテリーが本体重量の約28%を占めることが判明。軽量化を進める中で、電源ユニットが依然として最重要コンポーネントであることが浮き彫りになりました。

USB-Cポートと3Dプリント技術

注目すべきは、USB-Cポートが3Dプリントされたチタン合金で作られている点。小型化と堅牢性を両立するための新技術です。ただしモジュール交換は従来よりやや難しく、接着とネジ固定を解除する手間が増えています。

一方で標準規格の接続を採用しており、交換可能性は確保。過去記事「iPhone Air MagSafeバッテリーは割高?」でも触れたように、Appleは新素材や新方式を積極的に導入しつつ、互換性を保つ方向性を取っているようです。

修理性:スコアは7/10

背面ガラスとディスプレイはクリップで留められており、接着剤の多用は避けられています。バッテリーも低電圧電流で接着を剥離できる設計。これらの工夫から、iFixitは暫定修理スコア7/10を付与しました。これはiPhone 16と同等で、シリーズの流れを汲む結果です。

ただし、Appleの「パーツペアリング」は依然として存在し、完全に自由な修理環境とはいえません。とはいえ、スペアパーツや修理マニュアルの公開など前進も見られます(関連:「iPhone Airレビューまとめ」)。

耐久性と“bendgate”の再発防止

部品を取り外したフレームだけの状態では、アンテナ通信用のプラスチック部分が弱点となり簡単に曲がってしまいました。しかし、実際に内部パーツが収まった状態ではチタンフレームの剛性が生き、簡単には変形しない結果に。

かつての「bendgate」と比較すると、ユーザーの不安を払拭できる設計です。こちらは先日の「iPhone Air耐久テスト」でも実証済みです。

日本向けの注意点

国内モデルも同じ設計が採用されています。チタンフレームとCeramic Shield 2は共通ですが、やはり落下時のダメージ細かな傷は避けられません。リセールバリューを意識するならケース装着は必須です。おすすめケースは「iPhone 17ケースおすすめまとめ」に整理しています。

まとめ

iFixitの分解で明らかになったのは、薄さと修理性、耐久性を同時に追求した内部設計でした。ロジックボードの配置やバッテリーの共通化、3DプリントUSB-Cポートなど、細部まで工夫が詰まっています。

薄さだけを追い求めるのではなく、実用性や修理性も意識したこの設計は、今後のiPhoneシリーズ全体に影響を与える可能性があります。bendgateを回避しつつも安心して使える──それがiPhone Air最大の価値なのかもしれません。

ではまた!