となりずむ

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M6搭載Mac miniのレビューが解禁:149,800円への大幅値上げでも買いと言えるのか?

白いタイル張りの机に置かれた銀色のMac mini。前面にUSB-Cポート2つとヘッドフォンジャックが並ぶ

✅この記事では、M6搭載Mac miniの海外レビューに出た実測を、Appleの倍率とM4・M5 Proの横に並べ、149,800円を出すかどうかの線を引きます。

どうも、となりです。

9月22日(火)の発売を前に、M6のMac miniのレビューが海外で一斉に出ました。発表のときにAppleが並べたのは「AIは最大4倍」「グラフィックスは最大2倍」という倍率で、手元で測った数字はまだどこにもありませんでした。倍率だけだと、自分の使い方でどれくらい変わるのかは見当がつきません。

出てきた数字を並べると、M4のMac miniから1コアの速さで2割台、コアを全部使う作業で5割前後。4倍という印象で待っていた人には少し地味で、でも2年分の更新としてはしっかり速い、という中間の場所に落ちました。そうなると気になるのは、この伸び幅に149,800円を出すかどうかです。

要点まとめ:レビューで出た数字と、149,800円の線

  • M4のMac miniと比べて、1コアは24%、全部のコアは48%、GPUは71%速い(Geekbench 7)。別の計測でも1コア20〜30%、全コアとグラフィックスは50〜80%
  • ストレージは512GBモデルで読み書きとも毎秒6,000MB前後と、M4の約2倍。Appleの「AIは最大4倍」は、今回のレビューではまだ測られていない
  • 1コアの速さはM6がM5世代を8〜10%上回る一方、全コアの重い処理はM5 Proと同じCPUが60〜70%速い
  • 3種類のCPUコアは、macOSからはスーパーコアと高性能コアをまとめた2つのグループに見えている。世代の伸び幅は平均的という評価
  • 不満は256GBのストレージ、Thunderbolt 4止まり、底面の電源ボタン、増設できない中身に集まっている
M4のMac miniで困っていないなら急ぐ理由は小さく、初めての1台なら多くの人は16GB・256GBの149,800円で足ります待って安くなる材料は今のところありません

 

M4より何割速いのか:1コアで2割台、全部のコアで5割前後

M4のMac miniを使っている人が知りたいのは、Appleの倍率より「自分の机の上で何割変わるのか」のほうだと思います。そこにいちばん素直に答えているのが、9to5MacのGeekbench 7の結果でした。

項目 M6のMac mini M4のMac miniと比べて
シングルコア(1コアの速さ) 4,074 24%速い
マルチコア(全部のコア) 22,632 48%速い
Metal(GPU) 92,542 71%速い

測ったのはメモリ24GB・ストレージ512GBの構成です。Ars Technicaも同じ方向の数字で、M4と比べて1コアは20〜30%、全部のコアとグラフィックスは50〜80%ほど速く、テストによってはそれ以上だったとしています。3DCGソフトのBlenderを使ったレンダリングではM4 Proに近いところまで来ている、というのはなかなかの伸びです。

ストレージも速くなっていて、9to5Macの512GBモデルでは読み書きとも毎秒6,000MB前後。M4の512GBモデルが3,000〜3,400MB/s程度だったので、Appleの言う「最大2倍」は、ここではそのまま出ています。ただ、今回のレビューにはいちばん安い256GBモデルの計測がありません。

引っかかるのは、発表のときの「最大4倍」のほうです。Appleの説明ではこれはAIの処理の話で、GPUの各コアに入ったNeural Accelerator(AIの計算を手伝う回路)で差が出る部分です。9to5Macは手元でAIモデルを動かしていないと断っていて、ArsもAIの実測までは出していません。4倍が出るかどうかは、ここで取り上げたレビューではまだ確かめられていません

発表の日の記事で置いた「ふだんの作業なら1.5倍あたり」という見立ては、コアを全部使う作業に限れば、ほぼそのまま残りました。4倍を思い浮かべていた人には物足りないかもしれませんが、2年でこの伸びなら、ぼくは素直に十分だと思います。

M5 Proとの差:1コアはM6が上、たくさん回すならM5 Pro

M6のMac miniの上には、299,800円からのM5 Proモデルがあります。値段は倍近いのに、チップの番号はひとつ古い。この並びで「結局どっちが速いの?」と思った人の疑問に、レビューの数字はわりとはっきり答えています。

Arsの計測では、1コアの速さはM6がM5世代を8〜10%上回ります。M5 Proの速いコアも同じM5世代なので、1本の処理を速く片付ける場面なら、安いM6のほうが少し速い計算です。9to5Macでも、M6は12コアのM4 Proを1コア・全コアの両方で上回り、GPUだけはM4 Proが上でした。

 

全部のコアを使う作業になると、話が変わります。ArsはM5 Proそのものを借りられなかったものの、同じ18コアのCPUを持つM5 Maxで比べていて、全コアの重い処理ではM5 MaxがM6より60〜70%速いという結果でした。長い動画の書き出しや大きなビルドのように、コアの数がそのまま待ち時間になる仕事では、まだM5 Proの側に分があります。

Geekbench 6マルチコアのスコア比較グラフ。M6のMac miniは20,852で、M4搭載iMacの14,837、M5の17,973を上回り、M4 Proの22,909とM5 Maxの29,423には届かない

Ars Technicaが計測したGeekbench 6のマルチコア。M6のMac miniは20,852で、M4 Proの22,909とM5 Maxの29,423には届かない

名前の新しいほうが1コアでは速く、値段の高いほうが量で勝つ。店頭で迷う人には、ややこしいままです。メモリの上限もM6が32GB、M5 Proが64GBで、ここは後から変えられません。どちらにするかの計算は、M6とM5 Proを日本の値札で並べた回に置いてあります。

3種類のコアは、macOSからは2つのグループに見えている

M6の目玉として発表されたのが「3種類のCPUコア」でした。スーパーコア2つ、高性能コア4つ、高効率コア6つの計12コアで、M4とM5の10コアから2つ増えています。スペック表だけでは、3つをどう使い分けるのかが正直よく分からなかったところです。M5の速いコアは後からスーパーコアと呼び直されたので、M5との違いを整理した回でも書いたとおり、新しく足されたのはむしろ真ん中の高性能コアのほうです。

個人的にいちばん読みごたえがあったのはArsのこの部分で、macOSに入っている計測ツールで中をのぞいています。それによると、スーパーコア2つと高性能コア4つは「PSクラスター」という1つのグループにまとめられていて、どちらも1.44〜4.79GHzの同じ範囲で動き、20MBのL2キャッシュを共有しています(M5のスーパーコア側は16MB)。スーパーコアのほうが1次キャッシュは大きいので、別のコアなのは確かです。それでもOSから見れば、これまでどおり2種類のコアとして扱われているということで、OSがどう使い分けるのかを気にしていた人には、ちょっと意外な答えかもしれません。

伸び幅についてはSix Colorsの見立てが分かりやすくて、M5と比べて1コア11%、全コア23%、GPU24%。1コアは世代の平均よりやや下、残りはやや上で、社内の目標値に合わせて作ったかのような「ど真ん中の平均」と評しています。言い方はなかなか辛口ですが、数字を見るとうなずけます。GPUの伸びはコアが10個から12個へ増えた分がほとんど、という読みです。なお、GPUはArsの計測だとM5比で1割ほどで、測り方によって幅があります。

「初めての3種類」という響きのわりに、中身はかなり手堅い作りで、ちょっと肩透かしでした。BloombergのMark GurmanはAppleがM6のPro・Maxを出さずにM7へ進むと報じていて、Six Colorsはこの平均的な伸びを見ると、その判断も分かる気がすると書いています。あくまで報道の段階ですが、M6 Proを待つという前提そのものが揺らいでいる話は、M6 Pro・Maxが消えた理由を追った回にまとめました。

レビューで挙がった引っかかり:256GB、Thunderbolt 4、底の電源ボタン

M6搭載Mac miniの背面。左から電源、Ethernet、HDMI、Thunderbolt 4ポート3つが並ぶ

中身の評価が高い分、不満はいつもの場所に集まっています。正直、どれも見覚えのある顔ぶれです。Arsが悪い点に挙げたのは、ざっくり次の4つでした。

  • 256GBのストレージは少ない。ゲームや、手元でAIモデルを動かすならなおさら
  • 背面のThunderboltは4で、最大40Gbps。M5 Proモデルの5は最大120Gbps
  • 電源ボタンが本体の底の奥にあって、押しにくい
  • 買ったあとはメモリもストレージも増やせない

Thunderbolt 4については、ふつうの使い方で40Gbpsを使い切る場面はそう多くない、とArs自身も書いています。困るのは、Thunderbolt 5でMacどうしをつないで計算用のクラスターを組む使い方が、M6モデルではできないことです。複数台のMacでAIを回す人には、ここが分かれ目になります。逆に、1台を机に置いて使うだけなら、ほとんど気にしなくていい部分です。AppleInsiderのまとめでも、写真用途で試したレビューがThunderbolt 5の無さをいちばんの制約に挙げていました。前面のUSB-Cは2つとも10Gbpsで、USB-Aはありません。

電源ボタンは、スリープで使っていればめったに触りません。ただ、Touch ID付きの外付けキーボードと組み合わせると、センサーを使えるようにするために本体の電源ボタンを2回押す必要があって、そのたびに底へ手を伸ばすことになります。2年たっても位置は変わらなかったか…という感じです。

いちばん話題になっているのは、やっぱり256GBで、ここはぼくも同じ意見です。9to5Macは「512GBから始まっていたら、値段に文句をつける余地はあまりなかった」と書いていて、米国では512GBへ上げると200ドル、合計1,099ドルになります。日本の注文画面だと、増設の値段を4構成とも確かめた回のとおり1TBまで上げるだけで90,000円。本体側で盛るより、保存場所は外付けで足すほうが取り返しがつきます

149,800円を出すか:M4からは急がず、初めての1台なら素の構成で

で、結局どうするか。まず値段から。日本のMac miniは2024年11月のM4発売時が94,800円で、今年の春から夏にかけて3回上がり、M6は149,800円からになりました。3回の上がり方はM4と並べた回で追いかけています。94,800円のころの「とりあえず1台」の感覚で見ると、どうしても高く見えてしまいます。米国でも599ドルから899ドルで、Six Colorsは「衝動買いに近いMacだったのが、見えない一線を越えた」と書いています。

Arsは、2020年のM1 Mac miniが699ドルからだったので、その頃の値付けに戻っただけとも言えると前置きしつつ、M4がよかった分だけ大きな後戻りに感じる、と締めています。ぼくの感覚もArsに近くて、理屈は分かっても、M4の値段を知っているとやっぱり引っかかります。分かれ目を並べると、こうなります。

今の状況 見立て 理由
M4のMac miniを使っていて、困っていない 急がなくていい 伸びは1コアで2割台、全コアで5割前後。見た目もポートの並びもほぼ同じ
Intel MacやM1・M2世代から乗り換える M6の16GB・256GB(149,800円) 何世代分もの伸びがまとめて来る。ふつうの作業には十分
手元でAIモデルを動かしたい 24GB以上。AIを測ったレビューを待ってもいい メモリの帯域は16GBが153GB/s、24GB以上が170GB/s。AIの実測はまだ少ない
書き出しや3Dが仕事で、64GBが要る M5 Pro 全コアの重い処理は同じCPUのM5 Maxで60〜70%速く、メモリも64GBまで

多くの人にとっての線は、Six Colorsの一文に近いと思います。いちばん安いM6でも、ふつうの人が使う作業にはほぼ十分すぎる。そのうえで待つかどうかですが、待って安くなる材料は今のところありません。メモリの値上がりは続いていて、上位のM6 Proも出ないと報じられているので、「もう少し待てば」の先に何があるのかが見えにくい状態です。

海外の反応:値段への嘆きと、それでも選ぶ理由

レビュー記事への直接の反応に、発売を前にしたスレッドの声を合わせて拾いました。

Really eager to see the first tests and benchmarks! Especially about the M6, I want to see how it performs in CPU intensive tasks (handbrake), GPU performance and Machine Learning or AI. I expect a big improvement across the board and especially on local AI tasks.

最初のテストとベンチマークが本当に待ち遠しい!特にM6は、CPUを酷使する作業(HandBrake)、GPUの性能、機械学習やAIでどう動くのかを見たい。全体的に大きく伸びていて、とくに手元で動かすAIの処理で伸びていると期待してる。

Populus / MacRumors Forums(2026年9月21日)

待っていたのはAIの数字。CPUとGPUの伸びは期待どおりに近い一方、いちばん見たいと言っているAIの処理は、今回のレビューではほとんど測られていません。

What a pointless review lol why did they even send it to them? They just ran geekbench

意味のないレビューだな笑 なんで彼らに送ったんだ?Geekbenchを回しただけじゃないか

Individual_Holiday_9 / Reddit(2026年9月21日)

ベンチマークだけでは足りない。実際のArsはBlenderなど複数のテストを回していますが、使い方ごとの実感が欲しいという気持ちは分かります。

Think such a long pre-order window/gap between announcement and availability was never there before. Think the new mini and Studio will always have long lead times. Happy with my M4 mini and not buying the new mini.

発表から発売までこんなに長い予約期間があったことは、これまで無かったと思う。新しいminiとStudioは、ずっと納期が長いままなんだろうね。自分はM4のminiで満足しているので、新しいminiは買わない。

svish / MacRumors Forums(2026年9月21日)

M4で満足している。上の表でいう「M4を使っていて困っていない」側の人で、数字を見るかぎり、この判断で損をする場面は多くなさそうです。

So glad I got the M4 Mini for £499 last year when I needed a basic desktop. Crazy how much it’s gone up - simply wouldn’t consider it for the same use case now.

去年、ちょっとしたデスクトップが必要になったときにM4のMiniを499ポンドで買えて本当によかった。ここまで上がるなんてどうかしてる。同じ用途なら、今はもう候補にすら入れないだろうな。

ImpossibleGuardian / Reddit(2026年9月21日)

同じ用途なら、もう選ばない。ブラウザと書類くらいの用途に、この値段を出すかどうか。値上げがいちばん響くのは、まさにこういう使い方の人です。

Still a better choice than a similarly equipped Dell. Mostly due to unified memory.

それでも、同じくらいの構成のDellよりはいい選択だよ。主にユニファイドメモリのおかげで。

phxees / Reddit(2026年9月21日)

それでも他よりはいい。CPUとGPUが同じメモリを使う作りは、手元でAIを動かすときに差が出るところで、値上げ後もMac miniが選ばれる理由として残っています。

となりずむのnote

NOTE

ここでお知らせ

ブログでは記事にしなかったネタや、記事の裏側、Appleやガジェットまわりの雑記を書いています。

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ひとこと:中身は満場一致で、引っかかるのは値札だけ

レビューを並べると、どの媒体もM6そのものにはほとんど文句をつけていません。Six Colorsは「大好きだ」とはっきり書いていて、Ars Technicaも速くて静かな小さいコンピューターだと認めています。そのうえで、全員が最後は値段の話で締めている。

日本だと、2024年の94,800円からの149,800円です。ぼくの受け止めも正直そこで、M6は2年分きちんと速くなった良いチップだと思います。ただ、「とりあえず1台」で手が出る箱ではなくなりました。机の隅に置く気軽なMacとして好きだった分、ちょっと寂しいです。

とはいえ、値段が戻りそうな材料は今のところ見当たりません。欲しい理由がはっきりあるなら、待っても得はしにくそう。

まとめ:M4を持っているなら急がず、初めてなら素の構成で

M6のMac miniは、M4から1コアで2割台、全部のコアで5割前後速くなり、ストレージの読み書きはおよそ2倍になりました。Appleの「最大4倍」はAIの処理の話で、今回のレビューの計測はそこまで届いていません。

M4のMac miniを使っていて困っていないなら、今回は見送っても失うものは小さめです。初めてのMacや、Intel・M1世代のMacからの乗り換えなら、16GB・256GBの149,800円で多くの作業は足ります。保存場所だけは外付けで足す前提にしておくと、値上がりした本体の増設代を払わずに済みます。

手元でAIを動かすつもりの人は、そこを測ったレビューがもう少し出てくるまで、メモリの構成を決めずに待つのも手です。24GBと32GBのどちらにするかの計算は、M5 Proとの値段の差をメモリ別に並べた回が役に立つはずです。

ではまた!

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本体のストレージを256GBから1TBへ上げると90,000円かかります。写真や書き出した動画の置き場所なら、こちらを前面のUSB-Cにつなぐ手もあります。メモリと違って、保存先は後からいくらでも足せます。

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Source:AppleInsiderSix ColorsArs Technica9to5MacAppleReddit①Reddit②Reddit③MacRumors Forums①MacRumors Forums②