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Appleを理解して翻訳する。それが「となりずむ」

日本の600社がAppleに「0%」を要求、スマホ新法施行で激化する手数料戦争の行方

水色を基調としたグラデーション背景に、iOSのロゴが描かれたアイコンとApp Storeのロゴアイコンが並んでいる様子

✅この記事では、日本のIT業界7団体(延べ600社超)がAppleとGoogleに「新手数料を0%に」と求めた背景と、スマホ新法の施行後に何が“ややこしくなったのか”を押さえます。

結論だけ言うと、「外部決済や第三者ストアが解禁されたのに、安くなる筋道が見えない」という不満が、いま一気に表面化しています。

※ここで言う「安くなる筋道が見えない」というのは、現時点で示されている制度設計に対する業界側の受け止めを指しており、価格動向が確定した事実を述べるものではありません。

どうも、となりです。

「日本でも外部決済や第三者ストアが使えるようになった」と聞くと、ふつうは“手数料が下がってアプリも安くなるかも”って期待しますよね。

ところが実際には、選べるルートが増えたぶん手数料の種類も増えて、「結局いくら払う話なの?」が分かりにくい状態になっています。そこに対して、国内側が“0%じゃないと意味がない”と強く出た、というのが今回の芯です。

要点まとめ:自由化したのに“安くならない”が火種

話の中心は、日本のスマホ新法で外部決済・第三者ストアが解禁された一方、Appleの新手数料設計だと開発者側の負担があまり減らない、という不満です。

※「負担があまり減らない」という表現は、制度に対する開発者側の評価・主張を示したものであり、金額面での影響が確定した事実を示すものではありません。

  • 日本のIT業界7団体(延べ600社超)が、2026年2月5日にAppleとGoogleへ新手数料の無償化(0%)を求める緊急声明を発表
  • 日本では2025年12月にスマートフォンソフトウェア競争促進法(スマホ新法)が全面施行し、外部決済や第三者ストアが解禁
  • Appleの日本向け新規定では、App Store外決済(外部リンク)に10%(小規模/継続購読)または15%の手数料が設定
  • 代替アプリ市場(外部配布)では、デジタルコンテンツ販売に対し5%のコアテクノロジー手数料(CTC)が発生
  • 米国では、差し止め命令の影響で外部リンク経由決済への手数料徴収が一時的に禁じられており、国内団体はこの“0%状態”を根拠に不公平を主張
  • 公取委が調査・是正に動くか、米国の最終判断がどう着地するかは未発表/不明

詳細解説:スマホ新法で「できること」は増えた

日本のスマホ新法が全面施行されたことで、外部決済(アプリ外の決済ページへの誘導)や、第三者ストアでの配布が可能になりました。

ここまでは「選択肢を増やして競争を起こす」という、かなり分かりやすい方向性です。実際、EUのDMA(デジタル市場法)でも、同じように外部配布や外部決済の扱いが大きな論点になってきました。

日本での変更点の全体像は、このあたりと同じ地図で見ると迷いにくいです:日本のApp Store変更(外部決済・代替配布)の要点

詳細解説:Appleの新手数料は「選べるけど、合計が読みにくい」

Apple側の説明は一貫していて、「App Storeを使う/使わないに関係なく、iOSというエコシステム上でビジネスをするなら対価が必要」という立場です。

日本向けの新規定では、少なくとも次のような構造が提示されています。

  • App Store外決済(外部リンク):手数料は10%(小規模/継続購読)または15%
  • 代替アプリ市場(外部配布):デジタルコンテンツ販売に対し5%のCTC(コアテクノロジー手数料)

ここに、決済代行(カード決済など)の処理手数料が上乗せされると、開発者の体感としては「App Store内課金とあまり変わらない」「むしろ高くなる可能性がある」という不満が出やすいです。

※これらはあくまで制度を前提とした試算や受け止めであり、個々の事業者における実際の負担水準が確定しているわけではありません。

注目したいポイント:“経済的インセンティブがない”はどこから来る?

今回の声明の言い分を、かなり素直に言い換えるとこうです。

  • 外部決済にしてもAppleへ15%を払い、さらに決済代行へ数%払うなら、コストが大して下がらない
  • 第三者ストアで配布しても、販売のたびにCTCが発生するなら, 回すほど負担が見えてくる

つまり「自由化したのに、自由化した側が得をしない」状態になっていて、これが“インセンティブの欠如”として表現されています。

※この「得をしない」という表現も、制度設計に対する評価であり、結果が確定した事実を示すものではありません。

注目したいポイント:米国の「0%」は“いまだけ”かもしれない

国内団体が根拠として挙げているのは、米国での差し止め命令の影響で、外部リンク経由の決済に対してAppleが手数料を取れない状態が生まれている点です。

※この状態は差し止め命令に基づく暫定的な措置であり、恒久的に0%が維持される制度と確定したものではありません。

ただし、これは上訴中で、最終的に「0%が維持される」と断定できる材料はありません。米控訴裁が「合理的な対価」を求める権利に触れる見方もあるため、着地点はまだ揺れています。

“0%状態”を国内交渉の材料にする狙い自体は合理的ですが、前提が動くリスクもあります:Epic訴訟の流れと「0%」をめぐる争点

注目したいポイント:EUでも同じ不満が出ている

この話は日本だけの特殊ケースというより、「規制で開放を迫られたとき、Appleが“対価”をどう設計するか」という問題に近いです。

EUでも似た構図で、手数料の設計や手続きの複雑さが、開発者側の不満として繰り返し出ています。日本の議論も、ここに引っ張られていく可能性はあります。

EU側の地図を一度見ておくと、今後の論点が読みやすくなります:DMA対応で何が変わったか(EUの争点)

Redditの反応:手数料そのものより“意図の潰し方”が嫌われている

議論の軸は大きく2つで、「法律の目的を手数料で骨抜きにしていないか」と、「OSに対価を払うべきか」です。ユーザー側は、さらにシンプルに「安くなるの?」へ寄りがちでした。

「遵守しているのに、目的は殺している」

法律の文言には従う一方で、手数料設計で狙い(競争促進)を実質的に弱めている、という批判が目立ちました。

「OSを作ったのだから請求する、は終わらない議論」

第三者ストアでも5〜15%が発生するのは高すぎる、という反発と、OS全体の開発・維持に対価を求めるのは当然、という見方がぶつかっています。

「ユーザーは結局、安くなるのかが知りたい」

Appleに15%、決済代行に数%なら合計はほぼ同じで、価格面のメリットが見えない、という受け止め方です。

となりの見方:0%かどうかより、「新しいルートを選んだときに、本当に競争が起きる設計になっているか」がポイントだと思います。あなたは「0%じゃないと意味がない」派ですか?それとも「対価は必要、でも分かりやすくして」派ですか?

ひとこと:争点は“手数料の額”より「競争が起きる形か」

個人的には、0%要求は強いカードですが、ここで問われているのは“勝ち負け”というより「市場の設計」です。外部決済や第三者ストアが可能になっても、合計コストが読みにくくて、しかも下がりにくいなら、開発者は動けません。Appleの言う“iOSの対価”も分かる一方で、その請求の仕方が複雑すぎると、結局は競争そのものが起きにくくなります。公取委がどこまで踏み込むのか、そして米国の判断がどこに落ちるのかで、日本の落とし所もかなり変わりそうです。

※公取委の対応や米国訴訟の最終判断については、現時点で公式に確定した情報はなく、今後の見通しは未発表/不明のままです。

まとめ:0%要求の真意は「安くなる道筋を作ってほしい」

  • 日本のIT業界7団体(延べ600社超)が、AppleとGoogleに新手数料の無償化を要求
  • スマホ新法で外部決済・第三者ストアが解禁されたが、手数料設計が複雑で“得をしにくい”という不満が拡大
  • 米国の「0%状態」は上訴中で、最終的な着地は未発表/不明

ここは「Appleが悪い/開発者が甘い」みたいな単純化より、競争が本当に起きる設計になっているかを見たほうが判断しやすいです。あなたがユーザーとして望むのは、価格の変化ですか、それとも選択肢が増えることですか。

ではまた!

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Source: AppleInsider, The Japan News