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iPhone 20はすべてのボタンが「ソリッドステート化」へ──Appleが描く“触覚の未来”

iPhone 20イメージ

✅この記事では、2027年登場予定のiPhone 20シリーズに搭載される「ソリッドステート(固体式)ボタン」について整理します。クリック感のある物理ボタンがなくなり、超音波と触覚フィードバックによって“押した感覚”を再現するという、Apple流の新しい操作体験です。

どうも、となりです。

Appleが物理ボタンをなくそうとしている──そんな噂がまた現実味を帯びてきました。Gizmochinaによると、2027年のiPhone 20シリーズでは、すべてのボタンがソリッドステート構造に置き換わるとのことです。電源、音量、カメラボタンに至るまで、押し込む機構を廃し、圧力と振動で操作感を再現する新方式なんです。

要点まとめ:iPhone 20で進む「ボタンレス化」

  • 情報源はWeiboのリーカー「Setsuna Digital(Instant Digital)」。AppleはiPhone 20(2027年)で物理ボタンを完全に廃止予定。
  • 代わりにソリッドステートボタン(圧力+局所振動による触覚フィードバック)を全ボタンに採用。
  • 先行モデルのiPhone 18(2026年)ではカメラ操作ボタンが簡略化され、圧力検知のみに。
  • iPhone 20では圧電セラミック(ピエゾ)を採用し、よりリアルなクリック感を再現。
  • 開発は内部コードネーム「Project Bongo」。かつてiPhone 15 Pro向けに計画されるもキャンセルされたが、2025年時点で再始動。
  • すでにApple社内では機能検証(functional verification)を完了したとも報じられている。
  • iPadやApple Watchへの展開も引き続き視野に。

ソリッドステートボタンとは?

ソリッドステートとは、内部に機械的な動作部を持たない「固体式」のことです。

仕組みとしては、iPhone SEのホームボタンMacBookのForce Touchトラックパッドに近いものです。実際にはボタン自体は動かなくても、感圧センサーが押し込みを検知し、Taptic Engine(触覚フィードバック用の振動モーター)が“カチッ”と振動を返すことで、あたかも物理的にクリックしたかのような感触を再現します。

つまり、内部構造としては「可動部ゼロ」。壊れにくく、水やホコリにも強いという利点があります。これが実現すれば、ボタン周辺の防水・耐久性が一気に向上する可能性があります。

Appleが狙うのは“完全な一体感”

この流れは突然ではありません。すでにiPhone 7のホームボタンが「押していないのに押したように感じる」構造に変わったときから、Appleはこの触覚技術を磨いてきました。今回の進化は、まさにその延長線上にあります。

狙いは、フラットで一体化されたデザイン。実際、前回の記事でも触れたように、iPhone 20シリーズは20周年記念モデルとして新しい筐体構造が計画されています。ボタンレス化はそのデザインを支える大きな要素になるでしょう。

さらにMacRumorsによれば、ボタンはフレームに直接統合され、必要に応じて光る「コンテキストボタン」的な役割を担う設計も検討中とのことです。これにより、筐体とボタンの境界がほぼ見えなくなる“シームレスな外観”が実現する可能性があります。

 

技術的なハードル:なぜまだ実現していないのか

ソリッドステート化の課題は、単純に「押した感覚」を出すことではなく、その再現の精度です。押し方や力加減、角度によって微妙に異なる反応を自然に返す必要があります。Appleはこの領域で超音波センサー+圧電アクチュエータの組み合わせを研究しており、将来的には指の位置ごとに異なる触覚パターンを返せるようになるといいます。

さらに新しい報道では、AppleがAIベースの音響補償アルゴリズムを開発中とも伝えられています。これは、触覚だけでなく「押したときのクリック音」まで再現するための技術で、筐体全体を振動板として使うことで、耳でも“押した感覚”を感じられるようにするものです。

もうひとつのハードルは誤動作防止。雨粒や手袋越しの入力など、環境変化でも誤認識しないよう、内部AIチップ(Apple Cシリーズなど)で信号処理を行う可能性があります。

そして、MacRumorsはApple内部でこの設計がすでに機能検証を完了していると報じており、量産試作段階に入る準備が進んでいるとも考えられます。

ボタンが消えることで広がる操作の未来

ボタンレス化は単なる「省スペース化」ではありません。長押し・スワイプ・強押しといった新しいジェスチャー操作の基盤になります。たとえば、強く押すと連写、軽くなぞるとズーム、というような“押し方の文法”が拡張されるわけです。

また、以前の記事で紹介したLOFICセンサー(高感度カメラ)との組み合わせにより、シャッター半押しの感覚をソフトウェア的に再現することも可能になります。物理ボタンの消失は、単に削るのではなく、新しい体験を足すための選択でもあるんです。

さらに、MacRumorsによると、iPhone 20は四辺がすべてカーブしたラップアラウンドディスプレイを採用する可能性があり、画面端がそのままボタンゾーンとして機能する設計も模索されています。画面の一部が状況に応じて微かに光り、ボタン位置を知らせる──そんな未来の操作体験も想像できます。

議論:本当に「物理ボタンをなくす」のが正解か?

一方で、「全部触覚ボタン」は賛否が分かれそうです。ユーザーによっては「押した感覚が薄い」「誤操作が増えそう」と感じるかもしれません。とはいえ、Appleがこれを進める背景には、製品の一貫性と信頼性があります。少ない部品で長く使える構造にすれば、耐久・修理性の面でも利点が大きい。

私は、これを「削ぎ落としの先にある新しい豊かさ」と捉えています。指先の体験を再構築できるなら、機械的なスイッチを超える“感触の自由”が得られるかもしれません。

日本向けの視点:気候とケース文化

日本市場では、高温多湿や寒冷地など環境の違いもあります。たとえば冬場の手袋使用時や、ケース越しの押下感。ソリッドステート化によってこの点がどう改善されるかは注目ポイントです。Appleがこの領域をグローバル設計でどこまで調整してくるかがカギになります。

まとめ:ボタンが消えて、“触覚の時代”が始まる

まとめ:iPhone 20では、電源・音量・カメラすべてのボタンがソリッドステート化される可能性があります。可動部をなくすことで耐久性と防水性能が高まり、同時に新しい触覚体験が生まれる。ボタンをなくすのではなく、「触れる感覚を再設計する」──それがAppleの次の挑戦なのかもしれません。

ではまた!

 

Source: Gizmochina, MacRumors, Setsuna Digital (Weibo), Omdia, Bloomberg