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iPhone Airの分解により、Appleの最薄型iPhoneが依然として修理可能であることが判明

iPhone Airの分解により、Appleの最薄型iPhoneが依然として修理可能であることが判明

✅ この記事では、iFixitが公開したiPhone Airの分解レポートをもとに、世界最薄クラスの設計と修理性の評価を整理します。薄さを優先しながらも「直せるiPhone」になっているのか、詳しく見ていきます。

 

どうも、となりです。

「5.6mmの世界最薄iPhone」と聞けば、多くの人が「曲がりやすいのでは?」「修理は絶望的では?」と心配するでしょう。iPhone 6の“Bendgate”を覚えている人ならなおさらです。ところがiFixitの分解結果は、そうした懸念を良い意味で裏切るものでした。Appleはただ薄くしただけでなく、修理性をきちんと残す工夫も盛り込んでいたのです。


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バッテリー中心の内部設計

内部の大部分はバッテリーが占めています。主要部品は上部の「カメラ台座」にまとめられ、下半分はほぼ電池。まさに“バッテリーの板”といえる構造です。ただし注目は、その交換しやすさ。Appleは昨年から電気的に剥離できる接着ストリップを採用しており、12Vを流せば接着が外れて安全にバッテリーを外せます。これにより第三者修理でもリスクが大幅に低減しました。

加えて金属シェルに覆われたバッテリーは耐久性も確保。薄さと安全性を両立させる仕組みは見事といえます。なおAirは軽量さと引き換えに機能を削った部分も多く、詳しくはiPhone Airに欠けている10の機能を読むと全体像が掴めます。

モジュール化されたUSB-Cポート

もう一つのポイントはUSB-Cポートがモジュール式であることです。万一の故障でも基板全体ではなくポートだけを交換可能。さらに筐体を開ける際もOLEDディスプレイを外さずにアクセスでき、修理時の破損リスクを減らしています。これはiPhone 14で導入されたミッドフレーム設計を受け継ぐ形です。

「本当に強度は大丈夫なのか?」と気になる人は、曲げ耐久テスト記事も合わせて確認すると安心できるでしょう。内部設計と外部の剛性検証が噛み合い、トータルで理解が深まります。

修理性スコアは7/10

iFixitはiPhone Airを修理性スコア7/10と評価。これはiPhone 16 Proや16eと同等で、「極薄=修理不可能」という常識を覆しました。Appleがここ数年でセルフサービス修理の対象部品を増やしていることも大きな背景です。

さらに「長く使うなら電池周りの運用も気になる」という人には、Air専用のMagSafeバッテリーパック問題も見逃せません。修理しやすさとランニングコストの両面から、購入判断ができるでしょう。

日本向けの注意点

Appleの「セルフサービス修理」は2025年9月時点で日本では未提供です。Appleは2025年5月にこのプログラムをiPadにも拡大し、34か国目としてカナダを加えたことを公式発表しています。 公式発表(英語) を見る限り、日本はその対象国に含まれていません。

Appleの日本語サポートでも「セルフサービス修理は一部の国や地域で利用可能」とのみ案内されており、日本での提供については記述がありません。現時点での対象国や最新情報は サポートページ を確認するのがおすすめです。

日本国内での実務的な選択肢は、Apple正規サービスプロバイダ/Apple直営店の修理(持ち込み・配送)やAppleCare+の活用です。修理可否や費用感は公式の修理案内で最新情報をチェックしてください。

バッテリー接着の“電気的剥離”など新しい修理手法は話題ですが、日本でセルフサービス修理として一般ユーザーが公式ツールを入手・使用できる体制はまだ整っていないのが現状です。将来的な提供国拡大の可能性はありますが、現時点では国内の正規修理網を前提に運用するのが安心です。

薄さと修理性の両立、そして課題

分解の結果を通して浮かび上がるのは、「薄さを優先したからといって修理性を犠牲にしていない」という事実です。Appleはここ数年で、ユーザーの修理ニーズや環境配慮を意識し、部品のモジュール化や接着方法の改良を進めてきました。

ただし、周辺アクセサリとの関係では課題も残ります。たとえばAir専用に用意されたMagSafeバッテリーは便利ではあるものの「割高」との指摘もあり、トータルコストを考えるとユーザーの判断材料になりそうです。

まとめ

iPhone Airの分解結果は、薄型デザインと修理性が相反しないことを示す好例でした。バッテリー交換の安全性、USB-Cポートのモジュール設計、画面を外さずにアクセスできる構造など、多くの点で前向きな改善が見られます。

一方で、日本ではセルフサービス修理が未提供であるため、国内ユーザーにとっては正規修理やAppleCare+が中心となる現実も忘れてはいけません。将来的に提供国が拡大すれば、今回の仕組みがより広く活用される可能性があります。

超薄型で話題をさらったiPhone Airですが、「修理も意外とイケる」という安心材料が加わったことで、さらに多くの人に選びやすい選択肢になったといえるでしょう。

ではまた!