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HomePod Touchは約6万円?初代HomePodの失敗を繰り返すのか

omePod Touch(仮)のコンセプト画像。7インチほどのタッチスクリーンを備え、FaceTime通話中の家族の映像が映し出されている。画面下にはHomePodのスピーカー部が一体化しており、リビング向けのスマートハブ端末としての姿を示唆している。

✅この記事では、7インチ画面付き「HomePod Touch(仮)」の価格観と、初代HomePodの失敗をなぞるリスクを整理します。9to5MacはBloombergの報道を引用し、目標価格は約$350(約6万円)と伝えました。これは初代HomePodの発売時価格と同水準で、競合の画面付きスマートスピーカーより大幅に高いという指摘です。

どうも、となりです。

「高音質×画面」でリビングのハブを狙うのは理にかないますよね。ただ、$350というラインは、初代HomePodが苦戦した記憶を多くの人に思い出させるはず。ここでは価格・ポジショニング・成功条件を順番にひも解いていきます。

要点まとめ

  • 名称・時期:7インチ画面搭載の「HomePod Touch(またはHomePad)」が来年前半に登場の可能性(9to5Mac経由)。
  • 価格観:Bloombergによれば目標$350(約6万円)。Appleはコスト圧縮で引き下げを模索中とされる。
  • 既視感:初代HomePodは$349(約6万円)でスタートし苦戦。翌年$299(約5万円)に値下げ。
  • 競合比較:Amazon Echo Show 8は$149(約2.5万円)※現在$99(約1.7万円)、Google Nest Hubは$99(約1.7万円)
  • 論点:7インチという画面サイズで$350の“納得理由”をどう作るか。

価格の歴史と今回の既視感

2018年の初代HomePodは$349で登場しました。当時は「Siriスピーカー」よりもプレミアムな音質を訴求しましたが、Echoシリーズの価格帯(フルサイズで$99近辺、Dotはさらに安価)と並べられると、差が大きすぎるという評価が広がったんです。結果的に$299へ値下げ、それでも大衆化はmini($99)まで待つことになりました。

今回報じられた$350は、まさにその「原点の価格」。9to5Macは、Bloombergの「製造コストを詰めての値下げ検討」も紹介していますが、発売時点で$350なら再び普及の壁に当たる懸念は残ります。

7インチ画面で何を“置き換える”のか

画面付きスマートスピーカーの価値は「視覚×音声×タップ」の三位一体です。タイマー、レシピ、カレンダー、ビデオ通話、セキュリティカメラ表示、写真フレーム──いわば小型の“家族端末”。この領域はEcho Show/Nest Hubが長年磨いてきました。
一方、Appleの強みはHomeKit/Apple TV/写真/メッセージ/Handoffなど「自社エコシステムの滑らかさ」。たとえば我が家のハブ計画は以前まとめたホーム製品ロードマップの文脈で読むと、TV 4KやHomePod miniとの役割分担が要になります。

 

 

“音が良い”だけでは足りない理由

初代の学びは、「音質一点突破」では大衆化しないこと。今回Appleが$350を正当化するなら、画面+音+家中の連携明確な置き換え価値を提示する必要があります。具体的には──

  • 家族カレンダーとToDoの“見える化”:iPhoneのウィジェットを家庭の共通面へ。
  • Apple TV連携の強化:再生中コンテンツのNow Playing、カメラのピクチャーインピクチャー表示。
  • ホーム監視のハブ:HomeKit Secure Videoの常時ダッシュボード。
  • “声だけじゃないSiri”画面前提の提案UI(候補カード・要約・手順表示)。

このあたりは「Siriの再設計」とも不可分です。Apple Intelligenceの文脈で、要約・書き換え・予定生成などが“家庭のスクリーン”で自然に回るかがカギ、というわけです。

競合比較:値札と体験の分岐点

Echo Show 8($149、セールで$99)やNest Hub($99)は、「十分に便利」で「十分に安い」のが強さ。Appleが$350で挑むなら、“十分に便利”を超える何か──たとえば、写真(iCloud)の美しさ・AirPlayの即応・家族アカウントの切替自然さなど、エコシステムの体感差を分かりやすく示す必要があります。

本当に“高すぎる”のか?

  1. 価格は高くても、「iPhoneの延長として最も自然」なら刺さる層はいます。リビングの“見えるSiri”は、家族の入口UIになりうるからです。
  2. ただし7インチで$350は、画面の小ささAI支援の成熟度次第で割高に映ります。Siriの理解・手際が進まなければ、高級な卓上ディスプレイに留まるリスク。
  3. 発売時$299(約5万円)、もしくはApple TV/HomePod mini同時購入のバンドル値引きなら、普及シナリオは現実味を帯びます。

ひとこと:値札より“毎日の用事を減らすか”です

家庭端末の評価軸は、性能や音質の良さだけではありません。「家事の手数が減った」「家族の予定が迷子にならない」──この実感が生まれるなら、多少高くても選ばれます。HomePod Touchがやるべきは、画面があるSiriを「家の段取り係」に変えることなんですよね。

まとめ:$350なら“置き換え価値”を可視化せよ

9to5Mac(出典:Bloomberg)は$350を示唆しました。もしそのまま出すなら、初代の轍を避けるために、画面×音×エコシステムの具体的な生活改善をデモで明快に見せる必要があります。価格を下げるか、価値を上げて納得を作るか──Appleの答えに注目です。あなたは$250$350、どちらなら「家の段取り」を任せますか?

ではまた!

Source: 9to5Mac, Bloomberg