
✅この記事では、iPhone 17 Proに搭載されたベイパーチャンバーを切り口に、そもそもベイパーチャンバーとは何か、その仕組みやメリット、他の放熱部材との違い、そしてDNP(大日本印刷)が公表している解説を参考にした最新動向まで詳しく整理します。
- iPhoneと発熱問題 ― なぜ冷却が重要なのか
- ベイパーチャンバーとは?
- ベイパーチャンバーの仕組み(冷却サイクル)
- 他の放熱部材との違い
- DNPが開発する次世代ベイパーチャンバー
- 事例から見るベイパーチャンバーの進化
- 今後の用途と期待
- まとめ
どうも、となりです。
ついに登場したiPhone 17シリーズ。その中でも「iPhone 17 Pro」は、発熱対策としてベイパーチャンバーという冷却機構を採用して話題を呼んでいます。Appleは今回、独自設計の薄型ベイパーチャンバーを本体にレーザー溶接し、これまで以上の安定したパフォーマンスを実現したと説明しています。
とはいえ、ベイパーチャンバーという言葉は一般ユーザーにはまだ耳慣れないかもしれません。ヒートパイプやグラファイトシートとの違いは何?どうしてスマホに必要?そして国内メーカーDNPが発表している新しいベイパーチャンバーの特長はどんなものなのか?本記事でじっくり解説していきます。
iPhoneと発熱問題 ― なぜ冷却が重要なのか
要点: iPhone 17 Proは高性能化の裏で発熱が増大。その解決策がベイパーチャンバーです。
スマートフォンは年々処理能力が向上しています。iPhone 17 Proに搭載されたA19 Proチップは、AI処理や高度なグラフィック描画を高速でこなします。ところが、その裏で避けられないのが発熱です。
過去のiPhoneシリーズでも「本体が熱くなる」「ベンチマークを走らせると性能が落ちる」といった声は珍しくありません。熱は性能を制限するだけでなく、バッテリー寿命や安全性にも影響します。
そこでAppleが選んだのがベイパーチャンバー方式。SoCやモデム、カメラ制御ICなどから効率的に熱を逃がすことで、ユーザー体験を損なわずに安定動作を実現しています。
まとめポイント
- 発熱は性能・寿命・安全性に直結する
- iPhone 17 Proではベイパーチャンバー採用で安定化
ベイパーチャンバーとは?

要点: 平板状の「ヒートパイプ」で、水の蒸発と凝縮を繰り返しながら効率よく熱を広げる仕組みです。
ベイパーチャンバーは、金属製の中空構造に純水を封入し、毛細管現象を利用して循環させる放熱部材です。熱源で液体が蒸発 → 蒸気が広がる → 冷えて凝縮 → 液体に戻る。このプロセスを瞬時に繰り返すことで、効率的に熱を分散します。
グラファイトシートより高効率、ヒートパイプより薄型。5Gや高速処理が当たり前になった今のスマホには欠かせない存在です。
まとめポイント
- 「水の気化と凝縮」で熱を運ぶ冷却部材
- 広い面積に瞬時に熱を拡散できる
ベイパーチャンバーの仕組み(冷却サイクル)
要点: 蒸発 → 移動 → 凝縮 → 戻る。このサイクルで熱を効率的に循環させます。

- ICやCPUの熱で純水が蒸発
- 蒸気が移動し熱を拡散
- 冷却部分で凝縮し液体に戻る
- 毛細管作用で熱源に戻る
まとめポイント
- パッシブ冷却=電力不要の熱制御
- ループが瞬時に繰り返されるため効率的
他の放熱部材との違い
要点: ヒートシンク・ヒートパイプ・グラファイトシートと比較すると、薄さと効率で抜群。
ヒートシンク
- ✅ 安価で一定の放熱性
- ❌ 大きく重く、薄型化に不向き
ヒートパイプ
- ✅ 熱伝導性は非常に高い
- ❌ 棒状で厚みが必要、広い面積に弱い
グラファイトシート
- ✅ 軽量で柔軟、シールド効果あり
- ❌ 熱伝導率は低め、運べる熱量が小さい
ベイパーチャンバー
- ✅ 薄型で広い面積に一気に拡散できる
- ❌ 他方式より高価
DNPが開発する次世代ベイパーチャンバー
要点: Apple採用品とは別物。DNPは「薄型・曲げられる」新タイプを開発しています。
まず確認しておきたいのは、iPhone 17 Proに搭載されているベイパーチャンバーがDNP製ではないこと。報道では台湾や中国のメーカーが供給しているとされます。本記事で紹介するのは、Apple実機とは直接関係のない、DNPが公表している自社技術の解説です。
DNPの特長は以下のとおりです。
- 厚さ0.20mmの超薄型
- 段差や曲面にフィットする柔軟性
- 150℃環境でも使える耐熱性
これにより、従来のスマホ冷却だけでなく、スマートグラスやウェアラブルなど、複雑な形状を持つデバイスにも活用できる見込みです。
まとめポイント
- iPhoneに使われているのは別メーカー
- DNPは「薄い・曲がる」ベイパーチャンバーを開発中
事例から見るベイパーチャンバーの進化
要点: ゲーミングスマホやノートPCで実績。Apple参入で「標準冷却」へ。
ゲーミングスマホでは、長時間プレイ時の発熱対策として早くから採用されていました。さらにノートPCでは、CPUとGPUを同時に冷やすために大面積のベイパーチャンバーが活躍しています。
Appleが参入したことで、この技術は「一部のマニアックな機構」から「ハイエンド端末の標準冷却機構」へと進化したと言えるでしょう。
今後の用途と期待
要点: スマホだけでなく、ウェアラブルや自動車、データセンターにも展開可能。
5GやAI時代は、処理能力アップ=発熱増大の時代です。ファンレスを維持しながら冷却を担うベイパーチャンバーの価値はますます高まります。
特にDNPのようなフレキシブル型は、スマートグラスや折りたたみ端末に不可欠になるでしょう。さらに自動車のECUや産業ロボット、データセンターの小型化ユニットなど、応用分野は広がり続けています。
まとめ
- ベイパーチャンバーは「薄型ヒートパイプ」ともいえる冷却部材
- iPhone 17 Proが採用し、認知度が一気に向上
- DNPのものはiPhone用ではなく、自社の先端技術
- 今後はウェアラブル・自動車・データセンターでも需要拡大へ
発熱対策と小型化。この二兎を追う時代において、ベイパーチャンバーは欠かせない技術となりつつあります。Appleが採用したのも納得の選択と言えるでしょう。
ではまた!