
✅この記事では、AIツール「Grok」をめぐる“非同意の性的画像生成”問題で、各国がどう動き、そしてAppleが何を問われているのかを整理します。
- 要点まとめ:Grokをめぐる今回の騒動
- 何が起きているのか:問題は「画像そのもの」より“抜け道”
- 各国の対応:遮断(東南アジア)/調査(英国)/圧力(米国)
- Appleのジレンマ:App Storeは“安全な場所”でいられるのか
- 先例として気になる:「ICEBlock」削除のスピード感
- 注目したいポイント:有料化は“安全策”なのか、“値札”なのか
- App Storeの「門番」問題は、もう対岸の火事じゃない
- ひとこと:AIの“悪用”は、いつも流通の弱点を突いてくる
- Redditの反応まとめ:Appleは「誰に厳しく、誰に甘いのか」
- まとめ:問われているのは「Grok」ではなく“App Storeの境界線”
どうも、となりです。
AI画像生成って、便利さの裏に「悪用されたときの破壊力」がありますよね。
今回その“最悪の方向”に近い話として、Grokが実在人物の画像から非同意の性的な偽画像(ディープフェイク)を作る用途で使われ、国単位のブロックや、米議員からの「App Storeから外してほしい」という要請にまで発展しています。
最近では、日本でも皇族の佳子様を想起させる画像が拡散されたとして話題になり、AI生成物が実在の人物に向けられたときの危険性が、決して遠い国の話ではないと感じた人も多いのではないでしょうか。
この問題は、単に「ひどい画像が作られた」という話では終わりません。AIを配信するプラットフォーム、アプリを審査・配信する
【悲報】佳子様grokビキニ騒動、宮内庁が言及してしまう… pic.twitter.com/PgXkLtsesx
— ALPHA (@alfalfaGeinow) January 12, 2026
要点まとめ:Grokをめぐる今回の騒動
- 9to5Macによると、Grokは実在人物の写真をもとに、非同意の「性的に見せる」偽画像が大量に作られていると報じられています(女性や未成年を含む)。
- Grokは単体アプリだけでなく、Xアプリ内の機能としても提供されています。
- Grokは「完全なヌードはブロックされる建付け」でも、プロンプトの工夫で回避されるケースがあるとされています。
- マレーシアとインドネシアが、Grokアプリへのアクセスを一時的にブロックしたと報じられています。
- 英国では規制当局Ofcomが、Online Safety Act(オンライン安全法)に関連してXへの調査を開始しました。
- 米国では上院議員3名が、AppleとGoogleに対し「調査が終わるまでXとGrokをストアから外す」よう求める公開書簡を送ったとされています。
- イーロン・マスク氏は画像生成機能を「有料会員限定」にする対応を取った一方、ウェブやアプリの別導線で触れられる点も指摘されています。
- 記事掲載時点で、AppleとGoogleは公式な反応を出しておらず、配信は継続中とされています。
何が起きているのか:問題は「画像そのもの」より“抜け道”
今回の焦点は、「AIが性的な画像を作った」という単純な話ではありません。
より厄介なのは、“本来は防ぐ設計”でも、言い回しの工夫で回避されることです。フィルターがある=安全、とは言い切れない。ここがAI時代の難しさなんですよね。
さらにGrokは、単体アプリの問題に見えて、実際はXの機能としても動いている。つまり「Grokだけ止めればいい」が通りにくい構造です。
各国の対応:遮断(東南アジア)/調査(英国)/圧力(米国)
1) マレーシア・インドネシア:アプリを“止める”という選択
東南アジアでは、アプリへのアクセスを一時的にブロックする動きが出ました。ここは分かりやすく、「まず流通を止める」という判断です。
こういう判断が早いのは、問題が“コンテンツの拡散”と直結しているからでしょうね。止めないと広がる、広がると回収できない。ネットはそういう性質があります。
2) 英国:Online Safety Actで“法的義務”を問う
英国の特徴は、感情論ではなく「法的義務を果たしているか」を軸に調査が動く点です。Ofcomが「Xが義務を満たしていない可能性」を見にいく、という構図ですね。
3) 米国:議員が“ストア運営者”に圧力をかける
米国では、上院議員がAppleとGoogleに公開書簡を送り、XとGrokを一時的にストアから外すよう要請したとされています。
ここで矛先がX(提供元)だけでなく、App Store / Google Play(流通の門番)に向くのがポイントです。「配る側の責任」が、もう無視できないところまで来た、ということなんだと思います。
Appleのジレンマ:App Storeは“安全な場所”でいられるのか
Appleはずっと「App Storeは安全で信頼できる場所」という立場を取ってきました。でもAI生成の問題は、その主張に“穴”を開けます。
なぜなら、危険なのはアプリの中身だけじゃなく、アプリが生む“生成物”だからです。アプリが直接違法コンテンツを配っていなくても、生成が容易なら結果的に被害が生まれる。ここ、線引きがめちゃくちゃ難しい。
しかもGrokはXと一体です。Grokを止めるなら、X全体の扱いに踏み込む必要が出てくるかもしれない。Appleにとっては相当重い判断になります。
先例として気になる:「ICEBlock」削除のスピード感
9to5Macは、過去にAppleが別件でアプリを迅速に削除した例(ICEBlock)との対比にも触れています。ここは読者的にも「じゃあ今回はどうなの?」と感じやすい部分ですよね。
この話題は以前まとめています。空気感を思い出すなら、まずはここから読むとつながりやすいです。ICEBlock削除の経緯
注目したいポイント:有料化は“安全策”なのか、“値札”なのか
マスク氏は画像生成を有料会員限定にしました。表向きは「悪用の抑止」に見えます。
でも、問題の本質が“回避プロンプト”や“流通”にあるなら、課金で入口を狭めても、根本的な解決にはなりにくい。むしろ「買えるなら使える」に近い構図になると、シニカルに見えてしまうんですよね。
あと、AIの安全対策って、実装の強さより「運用の姿勢」で差が出ます。今回のように“やってます”が通じない局面では、Appleのようなプラットフォーム側の判断が一気に重くなります。
App Storeの「門番」問題は、もう対岸の火事じゃない
日本だと「それ、海外の話でしょ」と思いがちですが、最近はApp Storeの仕組みそのものが揺れています。
たとえば日本でも、スマホのルール整備に合わせてアプリ配信の考え方が変わりつつあります。背景として押さえるなら、まずこのあたりが分かりやすいです。日本のスマホ新法対応
代替マーケットの話も、いまは「便利そう」より先に「安全って誰が担保するの?」が問われる段階に入ったと思います。Aptoideの日本展開
ひとこと:AIの“悪用”は、いつも流通の弱点を突いてくる
今回の件、Grokが悪い/Xが悪いで終わらないのが怖いところです。
フィルターは抜け道を突かれ、生成は一瞬で拡散する。そこに「ストアは安全です」という看板を掲げる側が、どう責任を取るのかが問われます。
僕は、Appleがこの手の問題で沈黙を長引かせるほど、結局は「安全のブランド」に跳ね返ってくると思っています。あなたなら、ストアが“門番”である以上、どこまで介入すべきだと感じますか?
Redditの反応まとめ:Appleは「誰に厳しく、誰に甘いのか」
- Appleの「二重基準」への批判
Redditでは、過去にTumblrやDiscordがポルノコンテンツを理由に厳しい対応を受けたことと、今回のXへの沈黙が強く比較されています。
「Tumblrのときは容赦なかったのに、相手がイーロンになると黙り込むのか」「もし小さなデベロッパーのアプリだったら、CSAMの噂が出た瞬間に即削除されていたはずだ」といった声が目立ち、App Storeは本当に“安全な場所”なのかという根本的な疑問が投げかけられています。 - 責任は「使った人」か「ツール」か
議論は、AI特有の責任問題にも広がっています。
「悪いのはプロンプトを入力した人間で、ツール自体は中立だ」という意見がある一方で、「Grokはそもそもガードレールが緩いことを売りにしてきた。悪用が予見できた以上、開発側の責任は免れない」という反論も多く見られました。
また、「AI生成だから法に触れないという理屈は通らない。人が描いた児童ポルノが禁止されるのと同じだ」という指摘も繰り返されています。 - 被害者側の恐怖と現実感
写真家やモデルのコミュニティでは、切実な声が並びます。
「Xにポートフォリオを載せている人は、今すぐ非公開にすべき」「子どもの写真をネットに上げるのは、もはや危険行為になってしまった」といった投稿からは、『悪用される前提』で行動を変えざるを得ない空気が伝わってきます。
中には「AIの自由より、子どもを守ることが優先されるべきだ」という強い倫理的主張もありました。 - イーロン・マスク氏の対応への冷笑
画像生成を有料会員限定にした対応については、ほぼ一貫して否定的です。
「金を払えば問題行為が許されると言っているようなものだ」「ガードレールが壊れていると分かっていながら配信を続けるのは、故意の放置ではないか」と、皮肉と怒りが混じった反応が多く見られました。
全体を通してRedditでは、問題の中心はGrok単体というより、巨大プラットフォームXを前にしたときのAppleの及び腰な姿勢にある、という見方が共有されている印象です。海外でも賛否というより、「どこまで許されるのか」を巡る強い不信感が広がっています。
まとめ:問われているのは「Grok」ではなく“App Storeの境界線”
Grokをめぐる非同意の偽画像問題は、マレーシア・インドネシアの遮断、英国の調査、米議員の削除要請と、国や制度ごとに違う形で表面化しました。
でも共通しているのは、「生成AIの危険」はアプリ単体の審査だけでは止めにくい、という現実です。だからこそ、Appleがどんな言葉で境界線を示すのかが重要になります。
AIが“作れる”時代から、“止められる”仕組みを作れるか。そこが次の勝負なんだと思います。
ではまた!
今回みたいに「作れること」と「許されること」がズレた瞬間、最後に問われるのは“技術”より“信頼”なんですよね。AIの倫理を一度整理しておくと、ニュースの見え方が一段クリアになります。
AmazonSource: 9to5Mac, Associated Press, Ofcom