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TSMC値上げ報道:A20は2nmで大幅高騰、iPhone価格はどうなる

青いグラデーション背景にAppleロゴ入りの黒いチップ(SoC)を描いたイメージ

✅この記事では、TSMCがAppleなど主要顧客に追加値上げを通知したとの報道をもとに、A20(2nm)世代チップのコスト上昇がどんな影響をもたらすのかを整理します。

どうも、となりです。

半導体の「小型化」は、もはや性能競争というより“投資と歩留まりの戦い”になっています。特に2nmプロセスは、作るのも調整するのも超ハード。つまり、作るのが難しい=高くつくということなんですよね。

要点まとめ

  • TSMCが5nm未満の先端プロセスで8〜10%の値上げを通知
  • 2nmプロセス(A20チップ)は3nm比で少なくとも+50%の価格上昇が見込まれ、1個あたり約$280(約¥43,900)に達するとの観測。
  • 参考値:A18チップは約$45(約¥7,100)、iPhoneのBOM(部品コスト合計)は約$416(約¥125,400)とされ、チップの占める割合が急上昇する可能性。
  • iPhone 18シリーズではProモデルのみに2nmチップを搭載する案も浮上。
  • Appleはコスト上昇をそのまま販売価格に転嫁しない傾向があり、値上げ幅は抑えられる可能性も。

※為替換算は $1=¥157(2025年11月7日 日本時間)を基準としています。

2nmが高い理由:立ち上げ期のコスト構造

報道によると、TSMCが値上げに踏み切る背景には巨額の設備投資量産初期の歩留まり低下があります。新プロセスは最初のうちは不良率が高く、「割引き販売」をしないケースが多いんです。そのため、価格が上がりやすくなる構造なんですよ。

結果として、A20チップの価格は1個あたり$280(約¥43,900)前後になるとされ、iPhoneの中で最も高価な部品になる見込みです。

BOMってなに?

BOM(ボム)とは「Bill of Materials」の略で、製品を作るのに使う部品の一覧とコストをまとめたもの。たとえば、iPhoneならディスプレイ・チップ・カメラ・バッテリーなどの材料費を合計した数字です。つまり、BOMが上がる=製造原価が上がるということです。

“BOMの主役”がチップに変わる

これまでのiPhoneでは、BOMの中でも高いのはカメラとディスプレイでした。ですが、2nm世代ではチップのコスト比率が一気に上がります。 Appleはこの上昇を吸収するために、製品の設計や構成を微調整するはずです。たとえば、A20→M6へ波及する2nm世代の見取り図でも触れたように、iPhoneだけでなくMacやiPadなど複数製品で同じ技術を共有し、投資を分散させる手法がとられます。

Pro限定になる可能性も

コストが高い新プロセスをまずProシリーズだけに導入するのは、Appleの常套手段です。 たとえばA17 Proのときもそうでしたが、先端ノードはまず高価格モデルで採用し、その後に普及モデルへ降ろす流れ。「2nmは少なくとも+50%」という報道もあるので、iPhone 18シリーズでもPro限定の可能性が高そうです。

 

 

注目したいポイント

  • 価格はすぐに決まらない:為替や他部品の値下がりも考慮され、全体のバランスで最終価格が決まります。iPhoneは単純なコスト積み上げではなく、全体最適で値決めされるんです。
  • 体感できる2nmの進化:性能アップというより、発熱が下がる・電池が長持ちする・操作が滑らかになるといった“静かな改善”が期待されます。
  • TSMCの影響力:AI需要でNVIDIAやAMDも最先端プロセスを奪い合う状況。Appleの「優先権」も以前ほど絶対ではなくなっているかもしれません。

Redditでの反応まとめ

  • 「TSMCの値上げは材料費と歩留まりの問題。Appleも交渉するだろうけど、他に頼れる工場がない」
  • 「NVIDIAなどAI向けの需要が急増していて、Appleの優先順位が下がっているのでは」
  • 「AppleはTSMCの新プロセスを“先買い”して支援してきた。必要ならIntelも検討するだろうが、実用レベルにはまだ遠い」
  • 「NVIDIAの強みはチップ性能よりCUDAの生態系。性能競争だけでは測れない時代になっている」

全体としては、「TSMCが強気でも、Appleがうまく折り合いをつけるだろう」という見方が多い印象です。

ひとこと:高くても“静かで安定”なら価値がある

2026年のApple製品は、「速さ」より「安定性」で評価されるようになるかもしれません。 たとえば発熱が抑えられ、バッテリーがじわっと長持ちし、操作のヌルヌル感が安定する――そんな静かな進化が一番うれしいですよね。 派手な数字よりも、毎日手に取って“ストレスが減った”と感じられる方が本当のアップデートなんです。

まとめ:2nm時代のAppleは“設計の妙”で勝負

TSMCの値上げで部品コストが上がっても、Appleは簡単には値上げしません。 なぜなら、モデル構成の最適化や部品の共通化で原価を吸収する“設計の妙”があるからです。 2nm世代は、Appleにとって「技術×経営」の両面勝負。静かに、でも確実に未来を作っていく年になりそうです。

ではまた!

 

 

Source: MacRumors / China Times / DigiTimes / Reddit / Naver