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Apple純正アクセサリーは“金のなる木”?原価と利益率の真実を読み解く

Apple純正アクセサリーは“金のなる木”?原価と利益率の真実を読み解く

✅ この記事では、2025年に登場したiPhone 17シリーズ向けの純正アクセサリー(iPhone Airバンパー、クロスボディストラップ、テックウーブンケース)を題材に、「どの程度の原価で、Appleがどれくらいの利益を確保しているのか」を推定して解説します。

Appleの決算資料で公表される「粗利益率」と、一般的な製造業の原価比率を基にしたモデルを両方提示し、実際にアクセサリー単体ではどれくらいの利益が想定されるのかを探ります。

 

どうも、となりです。

iPhone本体が毎年話題を集める一方で、純正アクセサリーもユーザーの選択肢として欠かせない存在になっています。Appleはここ数年、シリコンケースやレザー調のFineWovenから、テックウーブンやクロスボディストラップといった新素材を積極的に投入しています。

価格は6,000円台〜1万円前後と決して安くありません。「これって原価はいくらなんだろう?」「Appleはどれくらい儲けているの?」と気になる人も多いはず。そこで今回は、公式の粗利益率データと一般的な比率モデルの両面から、この疑問を掘り下げてみます。

アクセサリーはどのセグメントに分類される?

Appleの決算では、売上を以下の5つのセグメントに分けています。

  • iPhone
  • Mac
  • iPad
  • Wearables, Home and Accessories
  • Services

ケースやストラップはこの「Wearables, Home and Accessories」に含まれます。ただし、粗利益率はセグメントごとには開示されず、「Products全体」としてまとめて報告されるのが現状です。そのため、アクセサリー単体の利益率は直接は分からないのです。

公式粗利益率モデル(Products全体の平均)

Appleの決算資料によれば、製品全体の粗利益率はおよそ37%前後です。これはiPhoneやMac、アクセサリーを含むハードウェア全体の平均値であり、ここでは参考指標として用います。

製品 日本税込価格 税抜売上 粗利益(37%) コスト(63%)
iPhone Air バンパー 6,480円 5,891円 約2,180円 約3,710円
クロスボディストラップ 9,980円 9,073円 約3,360円 約5,710円
テックウーブンケース 9,980円 9,073円 約3,360円 約5,710円

このモデルでは「売上の約4割が利益」という控えめな数値になります。あくまで平均値であり、アクセサリー単体を表しているわけではありません。

一般的な比率モデル(原価率25%を想定)

製造業における一般的な原価率は25%前後。ここに輸送・関税などを7%、間接費を8%と仮定すると、残り約60%が利益として残る計算になります。

製品 税抜売上 原価(25%) 輸送/関税(7%) 間接費(8%) 粗利益(60%)
iPhone Air バンパー 5,891円 約1,470円 約410円 約470円 約3,540円
クロスボディストラップ 9,073円 約2,270円 約640円 約730円 約5,430円
テックウーブンケース 9,073円 約2,270円 約640円 約730円 約5,430円

このモデルでは「売上の6割前後が利益」となり、Appleがアクセサリーを高収益源として位置づけていることが浮き彫りになります。

どちらのモデルが現実に近い?

公式モデルは全製品の平均値。iPhoneやMacのような大型ハードウェアは原価が高いため、全体の利益率は抑えられています。一方でアクセサリーは素材コストが低く、ブランド価値と仕上げで高価格を設定できるため、実態としては一般的な比率モデル(粗利60%以上)に近いと考えるのが妥当です。

実際、過去の調査ではApple Watchのバンドが「販売価格49ドルに対して製造コスト2ドル程度」と報告された例もあり、アクセサリーは極端に高い利益率を持ちうることが分かっています。

まとめ

Apple純正アクセサリーは「Wearables, Home and Accessories」に分類され、公式には全体平均で37%の粗利益率とされています。しかし実態としては、製造コストが低い分、粗利は6〜8割に達する可能性が高いと推定できます。

高価格の背景には、素材や仕上げ以上にAppleブランドの付加価値と安心感があるのです。ユーザーはその価値を買っている、と言えるでしょう。

とはいえ「これならサードパーティー製で十分」と感じる人もいれば、「やっぱり純正の完成度と保証が大事」と考える人もいる。選ぶ基準は人それぞれですが、数字の裏側を知ることでアクセサリーの価格設定がより理解しやすくなるはずです。

ではまた!