となりずむ

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プロンプトだけでアプリが完成?Xcode 27の驚異的デモとAI開発ツールの全貌

暗いステージの大画面に、Xcodeなど5つの開発ツールのアイコンが横一列に並び、中央で登壇者が一人立つWWDC26のプレゼン風景

✅この記事では、AppleがWWDC26で公開した開発者向けの90分プレゼンで何が示されたのか、Xcode 27のプロンプト開発からMac4台でのローカルAIまでを整理します。

どうも、となりです。

AppleがWWDC26に合わせて、開発者向けの特別プレゼンをまるごと公開しました。「Inside Apple Intelligence and Xcode(Apple IntelligenceとXcodeの中身)」という90分の映像で、Steve Jobs Theaterで収録されたものです。内容は9to5Macが詳しく伝えています。

ふだんのキーノートとは少し毛色が違って、スライドで機能を並べるより、AIが目の前でアプリを組み上げていく様子や、Mac4台をつないで巨大なAIを手元で動かすところまで実演で見せていきます。開発に直接関わらない人が眺めても、Appleが「AIで何を作らせようとしているのか」が伝わってくる90分でした。

要点まとめ:開発者向け90分プレゼンで示された中身

  • Appleは、Steve Jobs Theaterで収録した90分の特別プレゼン「Inside Apple Intelligence and Xcode」を公開した
  • 数回のプロンプト入力から約20分で、WWDCのバッジを集めるアプリを組み上げるデモを実演。3Dアニメーション、ホログラフィック表示、Visual Intelligence(カメラで対象を認識する機能)まで盛り込んだ
  • Xcode 27は、コードを書き始める前に確認やフォローアップの質問をして、プロジェクト全体を先に下書きする動きを見せた
  • 新しいSiri AI、Apple Foundation Models、Core AI、強化版MLXといった、アプリにAIを載せるための土台がまとめて紹介された
  • macOS Tahoe 26.2のRDMA-over-Thunderbolt(Thunderbolt経由でMac同士のメモリを直接やり取りする仕組み)でMac Studio4台をつなぎ、1兆パラメータのAIモデル「Kimi 2.6」を手元で動かすデモも公開された
見せ場は「プロンプトでアプリが立ち上がる」派手さですが、もう一つの軸はクラウドに頼らず手元のMacだけで巨大AIを動かすところにあります。ただし4台のMacを束ねる構成は、個人がすぐ真似できる規模ではない点も合わせて見ておきたいところです。

 

約20分でアプリが組み上がる、Xcode 27の「頼んで作る」開発

ステージ上の3台のiPhoneに、年別のWWDCバッジを集めるアプリ「My Pins」の一覧と詳細画面が表示され、左右に登壇者が立つ様子

いちばん目を引いたのが、このアプリ作りのデモです。お題は、WWDCで配られるバッジを集めて記録する小さなアプリ。これを、数回のプロンプト(やりたいことを言葉で指示する文章)と追いの指示だけで、約20分で動くところまで持っていきます。

しかも見た目が地味なメモアプリではありません。バッジが立体的に回る3Dアニメーション、光が透けるようなホログラフィック表示、カメラで対象を読み取るVisual Intelligenceまで入っています。ふだんなら設計から実装までそれなりに時間のかかる要素が、会話の延長でどんどん積み上がっていく様子は、見ていて素直に面白かったです。

支えているのがXcode 27(Appleの開発アプリ)の新しい動きです。今回のXcodeは、いきなりコードを吐き出すのではなく、作り始める前に「ここはどうしますか」と確認やフォローアップの質問を返し、プロジェクト全体の構成を先に下書きしてから手を動かします。丸投げに対して勝手に書き進めるのではなく、段取りを相談してから進むのが、これまでの補完ツールとの違いです。

この方向自体は急に出てきたものではなく、すでにXcode 27でGeminiなどを使うエージェント型開発として動き始めていました。今回はそれを、外部のAIではなくApple自身の道具立てで通して見せた形になります。実際のプレゼンは公式の映像でまるごと公開されています。


www.youtube.com

アプリにAIを載せる道具立て:Siri AI・Foundation Models・Core AI・MLX

派手なデモの裏で、地味ながら開発者にいちばん近いのがこの部分です。アプリの中でAIを使うための土台が、いくつも並べて紹介されました。

軸は四つ。新しいSiri AI、Apple Foundation Models(アプリに組み込めるApple製のAIモデル基盤)、Core AI(Apple Silicon向けにAI処理を扱う仕組み)、それに強化されたMLX(Apple Silicon向けの機械学習フレームワーク)です。名前が多くて、最初はとっつきにくく感じるかもしれません。ただ、やっていることはシンプルで、「自分のアプリの中で、Appleが用意したAIを呼んで使う入り口」がまとめて整理された、という話です。

このAIの土台には、Google Cloudも使うApple Foundation Models(AFM 3)が関わっていて、どこで処理するかという裏側の設計とも地続きです。開発者からすると、クラウド任せにせず端末側でどこまで動かすかを選べるのが、今回のまとめ方のポイントになります。

Mac4台で1兆パラメータ、RDMA-over-Thunderboltが見せたローカル実行

そしていちばん欲張りだったのが、このローカル実行のデモです。macOS Tahoe 26.2で入ったRDMA-over-Thunderbolt(Thunderbolt経由で、つないだMac同士のメモリを直接読み書きする仕組み)を使い、Mac Studioを4台つないで一つの大きな計算機のように扱います。

そこで動かしたのが、1兆パラメータという規模のAIモデル「Kimi 2.6」です。この大きさになると、ふつうはデータセンターのGPUで動かすもの。手元のパソコンで丸ごと走らせるのは、これまで現実的ではありませんでした。それを、クラウドに送らずMacだけで動かして見せた。ここが今回いちばんの見どころでした。

面白いのは、外に出したくないデータでも手元で完結させられる道が見えること。一方で、4台のMac Studioを束ねるのは費用も置き場所もそれなりで、誰でもすぐ組める構成ではありません。今後のM5 Ultra搭載が噂されるMac Studioあたりまで含めて、どこまで手の届く値段に降りてくるかは、これからの話です。

海外の反応:手元で巨大AIを動かす構成は、どこまで実用か

今回のプレゼンそのものより、同じ土台になっているRDMA-over-ThunderboltでMacを束ねる仕組みのほうに、技術系の場では早くから声が集まっていました。ここではその議論から、温度の違う三つを拾います。

The release in Tahoe 26.2 will enable us to do fast tensor parallelism in MLX. Each layer of the model is sharded across all machines. With this type of parallelism you can get close to N-times faster for N machines.

Tahoe 26.2のリリースで、MLXで高速なテンソル並列ができるようになります。モデルの各層をすべてのマシンに分散させる方式で、この並列なら台数Nに対してN倍近い速さに近づけられます。

awnihannun / Hacker News(2025年12月13日)

作り手側からの期待MLXの開発に近い立場からの説明で、ただ大きいモデルを載せられるだけでなく、台数を増やすほど速くできるという話です。手元のMacを束ねる構成が、実用的な速さに届きうる根拠として読めます。

I'm hoping this isn't as attractive as it sounds for non-hobbyists because the performance won't scale well to parallel workloads or even context processing, where parallelism can be better used. Hopefully this makes it really nice for people that want the experiment with LLMs and have a local model but means well funded companies won't have any reason to grab them all vs GPUs.

趣味で使う人以外にとっては、聞こえるほど魅力的でないことを願っている。並列処理やコンテキスト処理ではうまくスケールしないからだ。ローカルでLLMを試したい人には本当に良いものになりつつ、資金のある企業がGPUの代わりにMacを買い占める理由にはならない、という形に収まってほしい。

andy99 / Hacker News(2025年12月13日)

個人と企業で意味が違う同じ仕組みでも、個人が手元で試すのと、企業が大量に並べて使うのは別だという見方です。GPUを置き換えるかというより、ローカルで遊びたい人の選択肢が増える、という温度で受け止めています。

The lack of official Linux/BSD support is enough to make it DOA for any serious large-scale deployment. Until Apple figures out what they're doing on that front, you've got nothing to worry about.

公式のLinux/BSDサポートがないだけで、本格的な大規模運用にはお話にならない。Appleがその辺りをどうするか定めるまでは、何も心配いらないよ。

bigyabai / Hacker News(2025年12月13日)

大規模運用には別の壁こちらはもっと辛口で、サーバー運用で当たり前のOS対応が欠けているうちは本気の現場には入ってこない、という指摘です。デモの派手さと、業務で本当に使えるかは別だと釘を刺す声でした。

ひとこと:AIが作るほど、何を頼むかが残る

見ていていちばん面白かったのは、アプリがすらすら立ち上がる場面そのものより、その手前でXcodeが「ここはどうしますか」と聞き返していたところです。AIが書く部分が増えるほど、最後にものを言うのは、作りたいものを言葉にして渡せるかどうかになっていきます。コードを全部覚える話から、何を作りたいか整理する話へ、少しずつ寄っている感じがします。

ローカルで1兆パラメータを動かすデモも、技術の見せ場としては痛快でしたが、4台のMacという現実を見ると、いまの自分にすぐ関係する話ではありません。ただ、手元のMacだけで完結させる道があると示されたこと自体は、これから意味を持ってくる方向だと思います。

まとめ:派手さの裏で、選び方の話に変わっていく

今回のプレゼンは、プロンプトでアプリが立ち上がる派手なデモと、Mac4台で巨大AIを手元で動かすローカル実行の、二つの見せ場で組み立てられていました。前者は作るハードルを下げる方向、後者はクラウドに預けないで済ませる方向で、どちらもApple Silicon前提でそろえてきたのが共通点です。

使う側の目線に戻すと、すぐに4台のMacを並べる人は多くありません。それでも、アプリ作りが会話で進むようになり、AIを端末側でどこまで動かすかも選べるようになる。そうなると、「何を作りたいか」「どこまで手元に置きたいか」を自分で決める場面が、少しずつ増えていきます。正式版のXcode 27が配られて、この作り方で実際に動くアプリが増えてきたら、デモの手軽さがどこまで通用するのかが見えてきます。いまはその入口が示された段階で、答えはこれから出てくるアプリ次第です。

ではまた!

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Source:9to5MacYouTubeHacker News①Hacker News②Hacker News③