Windows 10の終わりが追い風に──Macの売上が14.9％アップ

Windows 10終了でMac売上14.9％増

✅この記事では、Windows 10のサポート終了をきっかけに、Macの出荷台数が大きく伸びた理由をわかりやすく整理します。その背景には、単なる買い替えではなく、テクノロジーとの付き合い方を見直す動きがあるのかもしれません。

Windows 10の“終わり”が生んだ波──Macが14.9％アップ
企業ユーザーの動き：AI対応を見据えた買い替え
個人ユーザーの動き：更新疲れと“静けさ”への回帰
「静けさ」が数字に変わるとき
AI時代の選択肢：「賑やかさ」か「静けさ」か
Reddit／SNSの反応まとめ
まとめ：数字の裏にある静かな選択

どうも、となりです。

少し前の記事「なぜWindowsユーザーは離れられないのか」では、MicrosoftとAppleの“時間の使い方”について話しましたよね。「終わりを告げて急がせる」Windowsと、「静かに切り替える」Apple。そしていま、その“静けさ”がしっかりと数字として表れはじめています。

Windows 10の“終わり”が生んだ波──Macが14.9％アップ

MacRumorsによると、調査会社Counterpointの最新データで、2025年第3四半期のMac出荷台数が前年比＋14.9％となりました。 Windows 10のサポート終了（2025年10月）を前に、世界的に買い替えが進んでいるようです。

Lenovo：+17.4％で首位を維持
Apple（Mac）：+14.9％で勢いを拡大
Asus：+14.1％、HP：+10.3％、Dell：−0.9％
世界のPCの約40％がまだWindows 10を使用中（終了目前）

つまり、今回の変化は“Windows 10の終わり”だけでなく、多くの人にとっての「パソコンを選ぶ基準の変化」でもあるということなんです。

企業ユーザーの動き：AI対応を見据えた買い替え

Counterpointは今回の波が「企業主導」で起きていると分析しています。多くの企業が、今後の数年間を見据えてAIに対応できるマシンを探しているそうです。

新しいPCにはNPU（Neural Processing Unit）を搭載し、AI処理を端末内で完結。
「AI時代を迎えても長く使えるか」を基準に機種を選定。
いまは“AIを導入する準備段階”としての買い替え時期。

そして興味深いのは、Appleがこの流れをかなり早くから読んでいたこと。 Mシリーズチップには、すでにNeural Engineが搭載されていて、 AI処理を端末上でこなせる仕組みができているんです。

つまり、「AI時代に備えたい」と思ったとき、 Macは最初から“準備ができている側”のマシンだったということですね。

個人ユーザーの動き：更新疲れと“静けさ”への回帰

一方で、個人ユーザーがMacに戻っている理由はもう少しシンプルです。「アップデート疲れた」「通知や設定に追われたくない」。そんな声が、最近じわじわ増えているんですよ。

Windows 10の終了は、単なる技術的な節目ではなく、 “また買い替えなきゃ”“また設定やり直しか”という、心理的な負担の区切りにもなりました。そんなとき、Appleの「静けさ」がちょうどいい距離感で響いた──そんな印象です。

たとえば、MacのSiriは常に話しかけてこないし、必要なときだけふっと手を差し伸べてくれる。裏ではAIがしっかり動いているけど、ユーザーには“押しつけない”。このさりげなさが、AI時代における安心感につながっているのかもしれません。

「静けさ」が数字に変わるとき

Appleは「終わり」を宣言しない会社です。 macOSもiOSも、気づかないうちにどんどん進化していく。つまり、“静かに成長していく設計”が前提なんですよね。

一方でMicrosoftは、サポート期限を宣言して「はい、次へ」と促すスタイル。でも、そのたびに移行疲れが起きて、「もう落ち着いて使いたい」という層がMacへ流れていく──そういう構図が見えてきます。

今回の14.9％増という数字は、スペックの勝負ではなく、 “安心して使える時間の価値”が評価された結果なのかもしれません。

AI時代の選択肢：「賑やかさ」か「静けさ」か

AIが進化するほど、パソコンは「しゃべる」「提案する」「誘導する」ようになります。でも、その“賑やかさ”が疲れる人も少なくないんですよね。

AppleのAIはその逆で、“静かに支える”タイプ。だからこそ、ユーザーの中には「AIに疲れたからMacに戻る」という人も出てきています。どちらが良い悪いではなく、選択肢が分かれ始めている──そんな時代になったのだと思います。

Reddit／SNSの反応まとめ

「ゲームや自作が好きでなければWindows不要」という声が多数。一方で、土木・機械・電気などエンジニア領域（CAD/ANSYS/Solidworks等）は依然としてWindows依存が強いとの指摘。
Linuxゲーミングは「AMDなら快適」「NVIDIAは依然ハードルあり」で意見分かれる。Steam DeckやBazziteでの成功例がある一方、導入トラブルで断念する事例も報告。
「オンボードAIよりクラウドAIで足りる」「Macで仕事、PS5でゲーム」など、用途分離派の声が目立つ。
Excelの上級機能（VBA／Power Pivot／データ接続／Alt系ショートカット）を重用する層はmacOSに不満。ショートカットは「違うだけ」との反論も。
Rosettaの将来的な縮小（macOS 27以降で最低限に）への懸念が一部から。Intel依存タイトルの扱いに注意との声。
「MacBook Air（M4）ベースモデルはコスパ最強」という評価が拡散。米国では$700～$850の特売報告、Mac miniの値引きも話題。
「8GB RAMは厳しい」vs「日常用途なら問題ない」の体感差論争。ブラウザやアプリの挙動は使い方次第とのまとめ。
Windows 10サポート終了は、Mac乗り換えやLinux移行の後押しに。とはいえ「ゲーミングはまだWindows」の現実も共有。
「iPad＋Magic Keyboardで“ノートPC代替”は賛否」「小型・廉価な“真のモバイルノート”を望む声」など、フォームファクタ議論も白熱。
「安価なWindows PCでも日常用途は十分」という意見と、「品質・静音・電力効率でMacに軍配」という反論が応酬。