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Appleを理解して翻訳する。それが「となりずむ」

Appleが注目する次世代カメラ Samsung“グローバルシャッター”の正体

サムスンとAppleのロゴを並べて配置した画像。左に青い光で縁取られたSamsungロゴ、右に白く輝くAppleロゴが対照的に並んでいる様子

✅この記事では、サムスンが開発中とされるグローバルシャッター級CMOSイメージセンサーと、それにAppleが強い関心を示しているという報道を整理します。スマホのカメラがどこまで変わりうるのか、iPhone Fold〜iPhone 20までのロードマップも絡めて見ていきます。

どうも、となりです。

折りたたみや大画面といったハードの変化は、一周して「だいたい出そろった」感じがありますよね。そんな中で、各社が次の一手として注目しているのが次世代カメラセンサーです。レンズの明るさや画素数ではなく、センサー内部の構造そのものをいじる方向に、じわじわと流れが来ているように見えます。

今回報じられたのは、サムスンがグローバルシャッター級の高精細イメージセンサーを開発していて、Appleもそこに興味津々だという話です。すでにAppleとサムスンはiPhone 18向けカメラでサムスンが米工場に19億ドル投資という形で深く組んでいますが、その延長線上に「読み出しの哲学」まで共有していこうとしているのかもしれません。

要点:サムスンの新センサーとAppleの狙い

まずは、元記事で挙がっているポイントを整理します。

  • サムスンはグローバルシャッター級のHDイメージセンサーを開発中
  • 従来のスマホカメラが採用するローリングシャッター方式の歪みを抑える狙い
  • 1.5μmピクセルの12メガピクセルセンサーをベースに、新しいピクセル構造を導入
  • 各ピクセル内にADC(アナログ-デジタル変換回路)を埋め込む「ピクセルレベルADC」を採用
  • 現状3μmクラスまでしか小型化できないピクセルサイズを、2×2束ね(1.5μm×4)で3μm相当として実現
  • 4ピクセルでADCを共有し、部分的にローリング、全体としてはグローバルに近い動作をさせるハイブリッド構造
  • 残る歪みはオプティカルフロー(画素ごとの輝度変化)を使ったモーション補償アルゴリズムで吸収
  • この成果は半導体回路の“オリンピック”と呼ばれるISSCC 2026で発表予定
  • AppleはiPhone向けのグローバルシャッターセンサー関連特許をすでに複数出願しており、サムスンともCMOSセンサー開発で協業中

ざっくり言うと、「全部の画素を一気に読むグローバルシャッターの世界を、スマホサイズのセンサーでなんとか再現しようとしている」という話なんですよね。

グローバルシャッターとは何か?—ローリングとの違い

ここで一度、ローリングシャッターグローバルシャッターの違いを整理しておきます。

いまのスマホカメラの多くはローリングシャッターです。センサー上の画素を「横一列ずつ、時間をずらしながら」読み出す方式なので、被写体やカメラが速く動くと、縦方向にぐにゃっと傾いたり伸びたりしたような歪みが出ます。走っている電車やゴルフスイングを撮ると、「なんか形がおかしい」と感じるアレですね。

一方でグローバルシャッターは、センサー上のすべての画素を同時に露光・読み出しする方式です。フレーム全体を「一枚の写真」として一気に切り取るので、動きの速い被写体でも形を崩さずに記録できます。その代わり、回路構成が複雑になりやすく、画素を大きく取りがちなため、高解像度・小型センサーとの相性が悪いという課題がありました。

つまり、スマホのような小さいセンサーで「高画素・高感度・グローバルシャッター全部入り」をやろうとすると、物理的な制約にすぐぶつかるわけです。

サムスンの新構造:2×2束ね+ピクセル内ADCという折衷案

今回のサムスンのアプローチは、その物理的な制約に対する折衷案になっています。

  • ベースとなる画素ピッチは1.5μm(スマホの高級コンパクトセンサー相当)
  • これを2×2ピクセルで一つのブロックとして扱い、3μm相当の「基本ユニット」に見立てる
  • 4ピクセルで1つのADC(変換回路)を共有し、そのブロック単位での同時読み出しを行う
  • ブロック内部では順番に読み出す「ミニ・ローリング」、センサー全体としては「ほぼグローバル」というハイブリッド動作

センサー全体を完全なグローバルシャッターにすると、画素ごとに回路を増やしていく必要があり、どうしてもサイズが肥大化しがちです。そこでサムスンは、画素そのもののサイズは1.5μmに保ちつつ、2×2をひとまとまりとして扱うことで、実効的には3μmクラスのグローバルシャッター画素のように振る舞わせているわけですね。

それでも、公式コメントいわく「ローリングシャッター動作が一部に含まれるので、完全なグローバルシャッターとは言えない」とのこと。そこで仕上げとして、動きによるズレをオプティカルフロー解析+モーション補償アルゴリズムで補正することで、最終的には「グローバルシャッター的な特性」を出していると説明されています。

ハードとソフトを組み合わせて、現実的な落としどころを探している感じがしますよね。

Appleが興味を示す理由—iPhone FoldからiPhone 20まで

では、なぜAppleがこの技術に強い関心を示しているのか。元記事では、今後のiPhoneロードマップと絡めていくつかのポイントが紹介されています。

  • iPhone Fold:24MPのインカメラを画面内に埋め込む構想が報じられている
  • ディスプレイにはCOE(Color Filter on Encapsulation)技術を使い、輝度効率や解像度、軽さを改善
  • iPhone 18:Face ID用のTrueDepthカメラをディスプレイ下に移し、「マイクロ透明ガラス」で上から十分な光を通す仕組みを検討
  • iPhone 20:100MPクラスのLOFIC(Low gain amplifier + Overflow Integration Capacitor)センサー採用が有力視されている

ここで効いてくるのが、以前まとめたiPhone 20に独自LOFICセンサー搭載か──Appleが“見える世界”を再設計への文脈です。LOFICは「明暗差の大きいシーンでも、一枚で白飛びと黒つぶれを抑える」方向の技術でした。

今回のサムスン案は、どちらかというと高速に動くものを“歪ませずに撮る”ための方向です。動きに強いグローバルシャッター寄りのセンサーと、ダイナミックレンジに強いLOFIC。両方を組み合わせれば、将来のiPhoneカメラは「暗い・明るい・速い動き」の三拍子をバランスよく扱えるようになるかもしれません。

加えて、折りたたみのiPhone Foldやディスプレイ下Face IDを実現しようとすると、「光を取りづらい位置にカメラを置く」ことになります。そこでセンサー側の自由度を上げておくことは、デザインの自由度を広げるうえでも相性が良さそうです。

 

 

注目したいポイント:カメラ差別化は“センサーの哲学”勝負へ

個人的におもしろいと思ったのは、「カメラの差別化ポイントが、レンズや画素数からセンサー内部の哲学に移りつつある」というところです。

これまでのiPhoneカメラの進化でも、Appleはソニーやサムスンと組みながら、「どの画角のセンサーを誰に作ってもらうか」をかなり細かく選んできました。その流れは、テキサス州の工場投資と絡めて整理したiPhone 18向けカメラでサムスンが米工場に19億ドル投資でも見えてきたところです。

そこにさらに、

  • 「ローリングか、グローバルか」
  • 「ピクセルごとにADCを持つのか、共有させるのか」
  • 「アルゴリズムでどこまで補正する前提なのか」

といったレイヤーが乗ってくると、もはや単なる画素数競争ではなく、“光をどう扱うか”という思想の違いになってきます。

iPhone 18世代に向けては、センサーだけでなくCamera Controlボタンや可変絞りなど、ハードの周辺も含めた見直しが続いています。全体像を押さえたい場合は、iPhone 18 Proの6つの新機能まとめや、筐体素材と折りたたみ戦略を整理したiPhone 18と折りたたみiPhoneの素材戦略、そして可変絞りの意味を掘り下げたiPhone 18 Proの可変絞りアップデートも合わせて読み返しておくと、カメラまわりの「大きな流れ」がつながって見えてくると思います。

「グローバルシャッター級センサー」は、その流れの中で、動体撮影の仕上がりを底上げするピースとしてはまってくるのではないでしょうか。

ひとこと:グローバルシャッターは“ブレない記録”の地ならし

グローバルシャッターというと、映画制作や産業用カメラの世界で語られる言葉でしたが、いよいよスマホの世界にも本格的に降りてきそうです。ただし、今回のサムスン案は「完璧なグローバルシャッター」ではなく、あくまでローリングとアルゴリズムを組み合わせた折衷型。地味ですが、ここにスマホならではの割り切りが見える気がします。

すべてを一気に解決する“魔法のセンサー”ではなく、ローリングの良さも残しつつ、足りない部分を工夫して補う。そうやって少しずつ「速い動きでも形が崩れない世界」に近づけていくのは、ある意味でAppleらしい設計思想とも相性が良いように感じます。

あなたは、iPhoneカメラの次の一手として「グローバルシャッター級センサー」が入ってきたら、どんな撮り方が変わりそうだと思いますか? スポーツ、子どもの運動会、ライブ撮影……思い浮かべるシーンによって、評価も分かれそうですよね。

まとめ:Appleとサムスンの次のカメラ戦争は“光のさばき方”へ

今回の報道をまとめると、次のような整理になりそうです。

  • サムスンはグローバルシャッター級の新型CMOSセンサーを開発しており、スマホ向けに最適化を進めている
  • 1.5μmピクセルを2×2で束ね、ピクセルレベルADC+モーション補償アルゴリズムで「ほぼグローバル」な動作を実現しようとしている
  • Appleはすでにグローバルシャッター関連特許を押さえつつ、サムスンとCMOSセンサーの開発で協業を深めている
  • iPhone Foldの画面内カメラ、iPhone 18のディスプレイ下Face ID、iPhone 20のLOFICセンサー構想など、カメラ設計の自由度を上げるための布石が並び始めている
  • 今後のカメラ競争は、画素数やズーム倍率だけでなく、「光をどう読み、どう補正するか」というセンサー内部の哲学勝負になっていきそう

スマホカメラの進化は、最近だと「また数字が少し良くなっただけかな」と感じがちですが、その裏側ではセンサーの構造や読み出し方式をめぐる試行錯誤が地道に続いています。グローバルシャッター級センサーとLOFICのような新方式が合流していけば、「同じシーンを撮っても、10年前とはまったく違う世界が切り取られる」時代が、静かに近づいているのかもしれません。

ではまた!

Source: Wccftech