
✅この記事では、PerplexityのAIブラウザ「Comet」がiPhoneとiPadに来て何が変わるのか、Safariとの違いと使う前に知っておきたい注意点まで分かります。
調べ物をAIに途中から手伝ってもらう流れが、ついにiPhoneのブラウザにも入ってきました。
- 要点まとめ:AIブラウザの本質は、速さより後処理です
- Cometは何が違うのか
- 自律調査と代行は、どこまで使えるのか
- 無料で使えるけれど、代償も見えやすいです
- 注目したいポイント:Safariを置き換えるというより役割を分ける話です
- 海外の反応:歓迎と警戒がかなり近い場所に並んでいます
- ひとこと:ブラウザというより調べ物アプリに近いです
- まとめ:便利さは本物ですが、任せ方は慎重なくらいでちょうどいいです
どうも、となりです。
今回のComet、ぱっと見では「AI付きSafariかな?」で終わりそうなんですが、実際にはそこがいちばん誤解しやすいです。ページを開いて終わりではなく、その先の比較、要約、横断調査、ちょっとした代行までをブラウザの中で回そうとしているからです。
しかもiPhoneだと、タブを何枚も開いて見比べる作業はどうしても窮屈になりやすいですよね。どっちを使えばいいか迷う人ほど、Cometは面白い選択肢です。ただし、便利さと一緒にプライバシーや安全性の前提も増えます。このあたりは、良い話だけで終わらせないほうが判断しやすいです。
要点まとめ:AIブラウザの本質は、速さより後処理です
Comet for iOSは、2026年3月19日に配信が始まったPerplexityのAIブラウザです。iPhoneとiPadに対応し、Apple VisionではvisionOS 2.0以降が必要です。
Comet is now available for iOS.
— Perplexity (@perplexity_ai) March 18, 2026
Download on the App Store: https://t.co/JCfCIO3Fdw pic.twitter.com/DitCKlmg65
見た目はiPhone版Safariにかなり近いのですが、役割は少し違います。Webページを開いたあとに、AIへ質問する、複数タブを比べる、長いページを短くまとめる、別サイトまでまたいで調べる、といった後処理を前面に出しているのが特徴です。
大事なのは、Cometが「速いブラウザ」として登場したわけではないことです。iOS版もWebKitベースなので、差が出るのはページ表示そのものより、表示後にAIで何をできるかの部分です。
- CometはiPhone・iPad・Apple Visionで配信が始まり、iOS 18以降 / iPadOS 18以降 / visionOS 2.0以降が必要です。
- iOS版もWebKitベースなので、表示エンジンそのものはSafari系です。
- 差が出るのはページ表示の速さより、表示後にAIで何をできるかの部分です。
- Comet Assistantでは開いているページへの質問、長文要約、複数タブ比較ができます。
- Deep Researchでは複数のWebソースを横断しながら調べ、その結果を短く返します。
- Voice Modeは音声で指示でき、ページ内容について会話しながら進められます。
- 一方で、閲覧履歴の扱い、クラウドブラウザにCookieを渡す仕組み、安全性の前提は軽くありません。
Cometは何が違うのか
まず前提として、iPhoneのブラウザはどれも自由に独自エンジンを積めるわけではありません。CometもWebKitベースなので、ページの土台そのものはSafari系です。ブラウザの中身を根本から作り替えたというより、CometのiPhone投入を先に追った記事でも触れたように、表示後の体験をAIで塗り替えにきたアプリです。

ポイントはAssistantボタンの存在です。開いているページをその場で要約させたり、複数タブをまとめて比較させたり、リンク長押しから質問へ飛ばしたりできます。Safariだとページを読んで、自分で別アプリへ渡して、そこから要約する流れになりがちですが、Cometはその往復を減らしにきています。
たとえば製品比較です。価格、重さ、レビュー傾向のように複数タブを行ったり来たりしやすい作業は、Cometのほうが一段ラクになりやすいです。反対に、ただ検索してページを見るだけなら、Safariとの差はそこまで大きくありません。
見た目の前提として触れておきたいのが、下部アドレスバーのUIです。半透明で変形しながら追従する作りになっていてかなり今風ですし、Liquid Glassを掘り下げた記事で書いたような透け感のある方向とも近いです。Cometでは、それを見た目のためだけでなく、Assistantを呼び出しやすくする導線として使っています。
ただ、この部分は好みも出ます。Safariのほうがお気に入りやスタートページへの導線は強く、Cometは検索と対話を優先したぶん、従来型のブラウザらしさは少し削られています。
自律調査と代行は、どこまで使えるのか
Cometの目玉は、やはり「自分で読む」だけで終わらないところです。Deep Researchは複数サイトを読み込みながら調べ、比較した結果をまとめます。Comet Assistantは今見ているページについて質問でき、Voice Modeでは音声でも指示できます。
ここが厄介なのは、iPhone版の代行が端末の中で完結していないことです。iOS版では、AIが自分の代わりにブラウジング操作を行うとき、クラウド上の仮想ブラウザへ処理を逃がす仕組みが使われます。必要なCookieを一時的に渡し、処理後に削除するという説明ですが、仕組みとしてはかなり重い前提が付いています。

ここは利便性と引き換えにする最大のトレードオフです。仮想ブラウザ側へCookieを渡す以上、検索や比較がラクになるぶん、認証済みの状態そのものを外へ持ち出す前提が入ります。
この方式だと、Amazonでの検索やカート投入のような操作をiPhone上で直接動かしているわけではありません。だから便利さは出せる一方で、「どこまで任せていいのか」は自分で線を引いたほうがいいです。買い物比較くらいならまだしも、金融系や機微な個人情報が入るページまで同じ感覚で任せるのは、まだ早そうです。
銀行、証券、医療、行政手続きのように、本人確認や個人情報が深く入るサービスでは、ぼくはこの代行をまだ切り分けて考えたほうがいいと思います。少なくとも、ログイン済みのまま広く任せる使い方は避けたほうが自然です。
もうひとつ地味に大事なのが同期です。CometはMac、Windows、Androidと履歴やブックマークを共有できますが、普通にログインして終わりではなく、同期先のデバイスを選んでコードを入力する独自の流れになっています。乗り換え時の軽さはChromeやSafariほどではありません。
無料で使えるけれど、代償も見えやすいです
料金面は分かりやすくて、無料で始められます。上位にはPro(月額20ドル)とMaxがあり、Proでは高度なAIモデルの選択、Pro検索の上限拡大、Deep Researchの月20回などが用意されています。

ポイントは、無料で使えるから気楽とは言い切れないことです。App Storeのプライバシー表示では、閲覧履歴、使用状況データ、位置情報、連絡先情報などが「ユーザに関連付けられないデータ」として収集される可能性が示されています。MacRumorsでも、Cometが広告ターゲティング向けのプロファイル作成に閲覧履歴や検索履歴を使う点が取り上げられていました。
iOSの標準的なトラッキング防止は、主に他社アプリや他社サイトをまたぐ追跡を抑えるためのものです。なので、アプリ内の挙動として閲覧履歴や利用状況が集められる場合まで、全部止めてくれるわけではありません。
この話、AIブラウザの宿命みたいなところがあります。強い要約や自律調査を成立させるには、ブラウザの中で何を見ているかをある程度AI側へ渡す必要があるからです。Apple側の進み方がなぜ慎重なのかは、Apple Intelligenceの全体像をまとめた記事を前提として見ると分かりやすいです。
つまり、Cometは無料だから試しやすい一方で、無料だからこそ支払いがゼロになるわけではありません。履歴や行動データをどこまで渡せるか、その線引きが実質的なコストになります。不安があるなら、まずはログイン不要の調べ物から試すほうが入りやすいです。
注目したいポイント:Safariを置き換えるというより役割を分ける話です
Cometを見ていると、「Safariはもう要らないのか」という話になりがちです。でも実際には、全部置き換えるというより役割を分けるほうが自然です。普段の閲覧、ブックマーク中心の移動、Apple製品とのなじみやすさならSafariがまだ強いです。
大事なのは、Cometが競っている相手がブラウザの速さだけではないことです。比較、要約、横断調査、音声での深掘りはCometがかなり分かりやすいですし、特にiPhoneは画面が小さいので、複数タブをまたぐ作業ほどAIの恩恵が出やすいです。この差は、単純なブラウザ競争というより「調べ方の競争」に近いです。
安全面では、すでに研究者からAIブラウザ全体に対する警戒も出ています。Comet単体で大規模被害が広く確認された段階とまでは言えませんが、プロンプト注入(AIをだます指示をページ内に紛れ込ませる手口)やフィッシングに引っ張られる余地は、普通のブラウザより増えやすいです。この前提を落とすと評価を誤りやすいです。
ぼくの見方では、Cometは「新しいSafari」ではなく、「調べ物専用の強いサブブラウザ」として入る人がまず多そうです。そこで便利さが勝てばメイン化もありますが、現時点ではその順番のほうが無理がありません。
海外の反応:歓迎と警戒がかなり近い場所に並んでいます
ひとつは、ページを見ながら質問できる便利さをそのまま歓迎する声です。もうひとつは、閲覧履歴の扱いと「AIが勝手に間に入る感じ」への拒否感です。ポイントは、かなり同じ場所で真逆の反応が出ていることです。
もう普通のブラウザに戻りにくい
今見ているページに質問したり、複数タブを比べたりできるのが便利すぎて、AIなしのSafariが古く感じるという声が出ています。
ブラウザに読まれる感覚が苦手
自分はWebを見ること自体が好きなのに、ブラウザが代わりに見て終わるなら何のための閲覧なのか、という戸惑いもありました。
無料の代わりに履歴を渡すのは重い
広告向けに行動履歴を使うなら、便利さより気持ち悪さが先に立つという反応はかなり強めです。
皮肉まじりの様子見もある
次のハレー彗星が来る2061年まで興味を持たないかも、という冗談もあって、AIブラウザそのものに距離を置く空気はまだ残っています。
となりの見方:便利さを先に取る人と、ブラウザにそこまで任せたくない人で分かれるのは当然だと思います。Cometは「検索の延長」ではなく「操作の委任」まで踏み込むので、評価が割れる基準も性能ではなく信頼になります。質問と比較だけで使うなら魅力はかなりありますが、ログイン状態のまま代行まで任せるかは別の判断です。
ひとこと:ブラウザというより調べ物アプリに近いです
Cometを触ると分かるのは、これが単に「AI機能付きブラウザ」を目指していないことです。ポイントは、Web全体を材料にして答えを返すアプリが、たまたまブラウザの形をしているくらいの感覚に近いことです。だからこそ面白いですし、同時に怖さもあります。ページを開く道具として見ると評価しづらいですが、調べ物を短く終わらせる道具として見ると、かなり筋は通っています。
まとめ:便利さは本物ですが、任せ方は慎重なくらいでちょうどいいです
Comet for iOSは、iPhoneのブラウジングを速くしたというより、調べ物の途中工程を減らしたアプリです。ページ要約、複数タブ比較、Deep Research、Voice Modeは、特にスマホでの情報収集と相性がいいです。
つまり、便利さそのものはかなり本物です。その一方で、履歴収集、クラウドブラウザ、Cookieの一時転送といった前提は軽くありません。比較や要約を中心に使うなら試す価値は十分ありますが、ログイン済みの重要サービスまで深く任せる場合は慎重寄りで見たほうが無難です。便利さだけで飛びつくより、どこまで任せるかを先に決めてから入れるブラウザ、という印象です。
ではまた!
Voice Modeを試すときにiPhoneを立てておける卓上スタンドがあると、長文ページの確認やタブ比較がやりやすいです。
AmazonSource: MacRumors, AppleInsider, MacStories, App Store, IT之家
