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Apple、OLED版iMacを2029年準備中。超高精細220PPI実現へ

色鮮やかな7色のカラーバリエーションが並ぶ24インチiMac。正面、側面、背面の各アングルから、11.5mmの極薄デザインと、スタンドまで統一されたカラーリングを俯瞰した様子

✅この記事では、AppleがSamsung DisplayとLG Displayに対してOLED版iMacの試作パネルを依頼したという韓国メディアの報道をもとに、技術仕様と登場時期の見通しがどこまで見えているのかを書いています。

iMacがOLEDになると画面の見え方はどう変わるのか、2029年という時間がなぜ必要なのかも含めて、できるだけ分かる言葉で追っています。

 

 

どうも、となりです。

AppleがiMacの画面をOLEDに切り替える計画を進めていて、韓国のSamsung DisplayとLG Displayの2社に試作パネルの開発を依頼した、という話が出てきました。情報元はZDNET Koreaで、業界関係者の証言をもとにした報道です。

ただ、登場時期は2029年〜2030年とかなり先です。iPadやMacBook Proが先にOLED化される中で、なぜiMacだけこれだけ時間がかかるのか。ここが今回の話でいちばん気になるところだと思います。

要点まとめ:iMacのOLED化は動いている。ただし着地は2029年以降です

今回出てきた情報は、試作パネルの仕様と各社の技術アプローチが中心です。発売日や価格といった「いつ買えるのか」にはまだ踏み込めませんが、OLED版iMacがどんな画面になりそうかの輪郭はけっこう見えてきました。

  • AppleはSamsung DisplayとLG Displayに対し、iMac向けOLEDパネルの試作を依頼しました。
  • OLED搭載iMacの登場時期は2029年〜2030年と計画されています。
  • Samsung Displayは既存のQD-OLED(量子ドットOLED)生産ラインを使い、220 PPIのサンプルを製造する計画です。サンプル出荷の目標は2026年下半期です。
  • Samsungの設備サプライヤーであるSEMESは、2026年3月初旬に220 PPIを実現可能なQD-OLEDインクジェット印刷設備「Vincent」を納入しています。
  • Samsungの現在の量産ラインが対応しているのは160 PPIまでです。ここを220 PPIまで引き上げるのが今回のサンプル開発の核です。
  • LG Displayは、商用化前のBGBRG 5層タンデムW-OLED方式を試作パネルに使う計画です。ただしこれは現時点ではサプライヤー側の試案で、Appleがこの構造の採用を決めたわけではありません。既存のBGBR 4層設計と比べると応答速度が遅くなる見込みです。
  • 具体的なモデルサイズ、日本価格、2029〜2030年内の発売日はいずれも未発表です。

つまり、OLED版iMacに向けた部品開発はすでに動き出していて、Samsung側は2026年後半にサンプル出荷を目指しています。ただし実際に製品として出てくるのは2029年以降で、24インチを超える大画面OLEDを安定量産する技術がまだ育っている途中、というのが今の立ち位置です。

詳細解説:サムスンとLG、それぞれ何を作ろうとしているのか

まず前提として、OLEDには方式がいくつかあります。スマホのOLEDとテレビのOLEDは「光の作り方」が違っていて、iMacのような24インチクラスではそのどちらとも少し事情が異なります。ここはちょっとややこしいので、ざっくり分けて整理します。

Samsung Displayが採用するのはQD-OLED(量子ドットOLED)と呼ばれる方式です。青色の光を出すOLED素子に、量子ドットという微細な粒子を使って赤や緑の色を作り出します。色が鮮やかで、特に白の純度やDCI-P3(映像制作向けの広い色域)のカバー率が高いのが特徴です。Samsungはこの方式をテレビやゲーミングモニターですでに量産しているので、技術の蓄積があります。

ただし、現在の量産ラインで対応できる画素密度は160 PPIまでです。iMac用に必要な220 PPIは、今の設備では足りません。そこで設備サプライヤーのSEMESが開発したのが「Vincent」というインクジェット印刷装置で、量子ドットのインクを髪の毛の半分ほどの精度でパネルに吹き付けることができます。この装置は2026年3月初めにSamsung Displayへ納入済みです。

一方のLG Displayが提案するのはW-OLED(白色OLED)方式です。こちらは白い光を出すOLED素子にカラーフィルターをかぶせて色を分ける仕組みで、LGの大型テレビでは実績のある技術です。今回の試作では、既存の4層構造(BGBR)をさらに1層追加した5層タンデム(BGBRG)という新しい構造を使う計画です。層を増やすことで明るさを稼げますが、報道によれば応答速度は4層より遅くなる見込みです。

このあたりは少し注意が必要で、5層タンデムという名前だけ見ると採用が決まったように見えます。でも現時点ではLG側がAppleに示している試作案のひとつで、量産時にそのまま残るとは限りません。

iMacは静止画の編集やブラウジングが中心なので、ゲーミングモニターほど応答速度が問われにくい面はあります。それでも、macOSのスクロールやウィンドウアニメーションがもたつくレベルだと気になるので、LGがどこまで詰められるかは実機次第です。

しかも発売が2029年まで伸びるなら、その間にパネル方式の優先順位やコスト前提が変わって、今の試作仕様がそのまま製品に残るとは限りません。ここは少し冷静に見ておきたいところです。

AppleのOLEDサプライチェーン全体の動きは、先日のOLEDサプライチェーン強化の報道でもかなり見えていました。今回のiMac向け試作は、その延長線上にある話です。

220 PPIとは、どのくらいの精細さなのか

PPI(pixels per inch)は1インチあたりのピクセル数で、数字が大きいほど画面がきめ細かく見えます。ふだん意識することは少ないかもしれませんが、文字のなめらかさや写真の精細感に直結する値です。

現在の24インチiMacは4.5K解像度(4,480 × 2,520ピクセル)で、画素密度は218 PPIです。今回報じられている220 PPIはほぼ同等の数字なので、解像度そのものが劇的に上がるわけではありません。

ここで気になるのは、「じゃあ何が変わるの?」というところです。答えはOLEDの特性そのものにあります。同じ218〜220 PPIでもOLEDに切り替わると、ピクセルが自分で発光するため黒が本当に黒になります。液晶はバックライトを完全には遮れないので、暗い映像でもどこかうっすら白く浮いてしまいます。OLEDにはそれがありません。コントラスト比が桁違いに上がるので、同じ画素密度でも写真や映像の見え方はかなり変わります。

現行のiMacがどんな表示品質なのかについては、2026年モデルiMacの噂と仕様の記事でもまとめています。液晶としてはかなり完成度の高い画面なので、OLED化したときの差がどう体感できるかは注目ポイントです。

Samsung Displayは今年1月のCES 2026で27インチ5K(220 PPI)のQD-OLEDプロトタイプをすでに展示しており、技術的にはこの画素密度のQD-OLEDは「実現できる段階」に入っています。あとは安定した量産と、Appleの品質基準をどう満たすかという話です。

 

 

注目したいポイント:なぜiMacだけ2029年まで待たされるのか

iPad ProはすでにOLEDを搭載していて、MacBook ProのOLED化も2026年後半に予定されています。なのにiMacは2029年以降。3年以上の差がつく理由が気になります。

いちばん大きいのは「画面サイズの壁」です。iPhoneやiPadの画面は6〜13インチ程度で、この範囲ではRGB OLED(赤・緑・青の素子を直接並べる方式)を高精度で量産できます。MacBook Proの14〜16インチも、Samsung Displayが建設中の8.6世代ライン、つまり効率よく大型パネルを作るための新しい設備でギリギリ対応可能です。

でも24インチになると話が変わります。RGB OLEDを24インチで安定量産する技術はまだ確立していません。だからSamsungはQD-OLEDで、LGはW-OLEDで対応しようとしているわけです。どちらもAppleが本来好むRGB方式とは異なる「代替ルート」を使っている、というのが今の構図です。

Appleの製品全体で見ると、OLED化は段階的に進んでいます。iPhone → iPad Pro → MacBook Pro → iMac という順番は、画面サイズが大きくなるほど技術的なハードルが上がるという事情をそのまま反映しています。AppleのOLED化ロードマップを見ると、この段階的な進行の全体像が分かりやすいです。

もうひとつ見逃せないのは、コストの問題です。OLED iPad Proは液晶モデルに比べて価格がかなり上がりました。iMacは一体型デスクトップなので、ディスプレイのコストが製品価格にそのまま跳ね返ります。パネルの量産コストが十分に下がらないうちに出しても、高すぎて売れないという判断はあり得ます。iPad ProのOLEDコスト問題で浮かんだ課題は、iMacではさらに大きくなります。

海外の反応:期待と困惑が混ざっています

大きく分けると、「220 PPI QD-OLEDの画質への期待」と「2029年という時期の遠さへの困惑」で反応が割れています。技術面を見ている人ほど前向きで、買い替えタイミングを気にしている人ほどため息が漏れている、という温度差です。

2029年は遠すぎる
iPadがもうOLEDなのに、なぜiMacはこんなに時間がかかるのかという困惑が目立ちます。「引退するほうが先だよ」という声も。
220 PPI QD-OLEDは夢がある
クリエイター向けの色精度が大きく上がる可能性に期待する声があります。Samsungがこの画素密度を達成できれば、デスクトップOLEDの基準が変わるかもしれないという見方です。
LGの応答速度が心配
5層タンデムで明るさを稼いでも応答が遅いなら、デスクトップOSの操作感に影響するのではという指摘です。AppleがLGをどこまで追い込めるかに注目が集まっています。

となりの見方:正直、2029年と聞いた瞬間に「遠いな」と感じる気持ちはぼくも同じです。でも裏を返すと、Appleが試作依頼を出している時点でiMacのOLED化は「やるかどうか」の段階ではなく「どうやるか」の段階に入っています。MacBook ProのOLED化が予定通り2026年後半に進めば、iMacの番が回ってくるまでの間にパネル技術もコストもかなり動くはずです。「待つ」というより「順番が来るのを見ている」感覚に近いと思います。

ひとこと:2029年は遠いけれど、方向は見えています

ぼくがこの話で面白いと思っているのは、SamsungとLGがまったく別のアプローチでAppleの要求に応えようとしているところです。片方は量子ドットのインクを超精密に吹き付ける路線、もう片方は発光層を5段重ねにして明るさを稼ぐ路線。iMacの画面ひとつとっても、裏側ではこれだけ違う技術が競い合っています。最終的にAppleがどちらを選ぶのか、あるいはモデルによって使い分けるのかは、まだ見えていません。ただ、選択肢が2つある状態でパネル開発が始まっているのは、ユーザー側にとっては悪くない出発点です。

まとめ:OLED版iMacの実現に必要な条件は、すでに揃い始めています

確定しているのは、AppleがSamsung DisplayとLG Displayに試作を依頼したこと、Samsung側が2026年後半にサンプル出荷を目指していること、そしてSEMESの220 PPI対応インクジェット設備がすでに納入済みであることです。登場時期は2029年〜2030年と見られています。

今のiMacを使っている人にとっては、「今すぐ買い控える」ような話ではないと思います。3〜4年先の話なので、今のM4 iMacが古くなるまでにはまだ十分時間があります。逆に、OLED版iMacまで待てるなら待つ価値はあるかもしれません。以前の600ニトOLED iMacの報道から見ても、Appleがこの方向をかなり本気で進めているのは確かです。

判断の分かれ目はシンプルで、今の液晶iMacで困っていないなら今のまま使えばいいし、「次に買うならOLED」と決めているなら2029年以降を頭に入れておく、というくらいで十分です。MacBook Proが先にOLEDになるので、そちらの動向を見てからでも遅くありません。

ではまた!

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OLED版を待つにしても、今の液晶iMacで3〜4年使い倒してから乗り換えるほうが結果的にコスパがいいです。

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Source: IT之家