
✅この記事では、MetaがAppleのAI検索プロジェクト責任者・Ke Yang氏を引き抜いたというニュースをやさしく整理します。Appleが進めている「ChatGPTのように答えるSiri」構想(AKIチーム)にどんな影響があるのか、背景と今後の見通しを一緒に見ていきましょう。
- 最新動向:AppleのAI中核チームに人材流出
- AKIとは?──Siriを「検索できるAI」に変える計画
- AppleのAIが遅れている理由と今後の焦点
- まとめ:人が動いても、Siriの未来は止まらない
どうも、となりです。
Appleはここ数年、Siriを“もう一度つくり直す”動きを進めています。その中心にあったのが、Answers, Knowledge and Information(AKI)という新しいAIチーム。Webから情報を探して、自然な言葉で答える「答えエンジン」を開発していたんです。
ところが、そのリーダーに就任したばかりのKe Yang氏が、Metaに移籍したという報道が出ました。しかもMetaが新設したAIチームの名前は「Superintelligence」。まるでマンガのラスボスみたいな名前ですよね。
最新動向:AppleのAI中核チームに人材流出
BloombergやCult of Macによると、Yang氏はAppleでAKIチームを率いていた中心人物。数週間前まではSiri刷新のリーダーの一人として動いていたそうです。今後はAppleの機械学習部門の副責任者、Benoit Dupin氏がチームを引き継ぐ見込みとのこと。
AppleのAI部門では、ここ数か月で10人以上の主要研究者が他社へ移籍しており、その多くがMetaやAnthropicへ渡っているそうです。特にMetaは、年収数千万ドルクラスの報酬でAI人材を引き抜いていると言われています。まさに“AIバブルの人材争奪戦”という様相です。
ちなみに、AKIの前身となる社内プロジェクトはすでに動いていて、BloombergによればAppleはChatGPT風のアプリを社内でテスト運用しながら次世代Siriの開発を進めていたそうです。今回の人事は、その流れの中での大きな節目と言えます。
AKIとは?──Siriを「検索できるAI」に変える計画
AKIチームの目標は、Siriを「調べて答えるアシスタント」に進化させることです。従来のSiriは端末内の情報に頼ることが多く、最新ニュースや変化の速い話題には対応しづらい面がありました。AKIではWebから情報を取ってきて、ChatGPTのようにリアルタイムで答える仕組みをつくろうとしていたんですね。
このチームは、Apple Intelligenceの中でも「検索」「要約」「説明」など、いわば“知識の司令塔”のような存在。なので、リーダー交代の影響はゼロではありませんが、Dupin氏がAI基盤を管轄しているため、プロジェクト自体が止まる心配は少ないでしょう。
この「答えエンジン」という考え方は、以前詳しく紹介したAppleの“Answer Engine”構想にも直結しています。Appleは検索そのものをAIで再定義しようとしており、AKIはその流れを具現化した存在なんです。
AppleのAIが遅れている理由と今後の焦点
正直なところ、AppleはAI競争でGoogleやOpenAIに一歩遅れを取っています。理由は明確で、プライバシーと安全性を重視する姿勢がスピードを抑えているからです。でも、その“慎重さ”こそがAppleらしさでもあります。
Appleの狙いは、クラウドに頼らず端末上でAIを動かす「プライベートAI」。これは他社が簡単に真似できない強みです。特に日本語の精度や、地図・店舗・路線などのローカル情報は、国内ユーザーにとっての大きな価値になります。
実際、Siriの刷新はすでにiOS 26.1でも一部テストが始まっています。詳しくはこちらの記事でも触れていますが、Appleは段階的にAI機能を広げながら、2026年の大規模アップデートへ備えているようです。
まとめ:人が動いても、Siriの未来は止まらない
今回のニュースは一見ネガティブですが、AppleのAI開発が止まるわけではありません。むしろ、Dupin氏が主導することで、より実用的で現実的な方向に舵を切るチャンスかもしれません。
次に注目したいのは、2026年春のSiriアップデートがどれほど“賢く”なるか。検索のように“聞けば答える”AIがiPhoneに自然に溶け込む──そんな未来、やっぱり見てみたいですよね。
ではまた!