
✅この記事では、「macOS 27でIntel Macのサポートが完全終了」し、Rosetta 2も段階的に縮小・終了へ向かうという報道を整理します。あわせて、開発者向けの技術的注意点と日本ユーザーの実務的な備えを、やさしく解説します。
どうも、となりです。
2025年10月30日(日本時間)に伝えられた内容では、今年のmacOS 26(Tahoe)がIntel対応の最終版で、その次のmacOS 27からはApple Silicon専用になります。移行を支えてきたRosetta 2は27まで広く使えるものの、以降は限定的な形で残り、最終的に姿を消す見通しです。これで、Macのアーキテクチャ移行は事実上の最終章に入ったわけですね。
要点まとめ
- macOS 27でIntel Macのサポート終了。以後の新OSはApple Silicon専用。
- Rosetta 2は27までが実質の最終提供範囲。その後は限定用途のみが想定され、段階的に終了へ。
- Tahoe(26)はIntel最終版。セキュリティ更新は継続されても、新機能アップデートは終了方向。
- 日本ユーザーは、依存アプリの見直しと代替策の確保を早めに進めるのが安全。
Intel最終版としての位置づけやRosetta 2のフェーズアウトは、これまでの公式説明・開発者ドキュメントの流れとも整合的です。背景をより詳しく知りたい方は、以前まとめた解説も参考になります(Intel Mac対応は「macOS 26」が最終)。
開発者向け:Rosetta 2の技術的ポイント
Rosetta 2は「Intel向けにビルドされたバイナリをApple Siliconで動かすための翻訳レイヤ」です。基本的なx86_64命令の多くを扱えますが、万能ではありません。
- JIT利用アプリは注意:多くは動くものの、挙動や性能に制約が出る場合があります。
- AVX/AVX2は可、AVX-512は不可。必要なら
sysctlbyname(hw.optional.avx512f)で事前判定を。 - カーネル拡張(kext)は対象外。また、x86_64の仮想CPUをエミュレートするVMも非対応。
- 同一プロセス内のIntel/ARM64混在は不可。Rosettaはプロセス単位で翻訳します(
sysctl.proc_translatedで検出可)。
ユーザー側の操作としては、必要に応じてアプリの「情報を見る」で「Rosettaで開く」にチェックを入れる方法が引き続き案内されています。とはいえ、27の後は用途が限られていくため、Universal 2やApple Siliconネイティブへの移行が前提になります。
日本ユーザー視点:いま何を準備すべき?
- 業務アプリの棚卸し:まだIntel専用のものが残っていないか確認。ベンダーのApple Silicon対応状況を要チェック。
- 代替策の検討:どうしてもIntel依存が強い場合、クラウド版や仮想化(ARM対応の範囲)、あるいはWindows機との役割分担も現実策です。
- 旧OS運用の割り切り:Tahoe以降、Intelは新機能から離脱します。セキュリティ更新の範囲で使う発想が必要です(iCloudの対応要件の段階的見直しと同じ“段階整理”の流れは過去にもありました)。
移行の全体像やリスク感は、これまでの「段階的な切り替え」の歴史と重なります。クラウドやWebアプリ中心の方は影響が軽く、ネイティブの特殊アプリに依存する方ほど準備が重要──そんな構図です。
なぜ今、完全移行なのか
Appleは「最新の体験を最大化するには、足並みのそろったプラットフォームが必要」という発想です。互換性よりも、Apple Siliconに最適化された体験を前に進めるほうが、結果的にユーザーにとってわかりやすい価値につながる、と考えているように見えます。地味に感じるかもしれませんが、長期的には安定した開発ターゲットと統一された最適化がもたらす恩恵が大きいはず、というわけです。
ひとこと:移行の“最後の坂”は、準備した人から平坦になる。
過渡期の技術は、使っている間は心強い相棒ですが、終わりが見えたら「次の常識」に合わせるタイミングです。いまIntelに残る方は、本当に必要なアプリの見直しと、開発元への問い合わせや代替策の確保を進めておくと安心ですよね。来年以降のmacOSは、Apple Silicon前提の発想で設計されます。“使える”から“気持ちよく使える”へ、基準を少しだけ更新しておきましょう。
ではまた!
Source: Gizchina, MacRumors, AppleInsider, Apple Developer, Mac Fan
