となりずむ

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Apple、新型Mac StudioのSSD「PCIe 6.0」の記述を削除。実際はPCIe 5.0対応の誤記か

Mac Studioを真上から見たところ。シルバーの正方形の本体の中央に円形の通気口があり、中心に「Mac Studio」の刻印がある

✅この記事では、Appleが新型Mac Studioの発表資料から消した「PCIe Gen 6」の一語について、公式にどこまで残っているのかと、実際は何世代目とみられるのかを突き合わせます。

どうも、となりです。

8月25日に発表された新しいMac Studioのプレスリリースには、公開された直後だけ「PCIe Gen 6上に構築された次世代のSSDアーキテクチャ」という一文が載っていました。それが、しばらくして消えています。

消えたのが仕様そのものなら大ごとですが、今回消えたのは文字のほうです。とはいえ、そう言われても引っかかりは残ります。じゃあ結局、あのSSDは何世代目なんだと。

要点まとめ:消えた一語と、残っている説明

  • Appleが、8月25日に公開したMac Studioの発表資料から「PCIe Gen 6」の記述を取り下げました
  • 「次世代のSSDアーキテクチャにより、ストレージパフォーマンスが最大2倍高速に」という速さの説明そのものは、どの言語版にも残っています
  • 同じM5 Maxを積む14インチ・16インチMacBook ProのSSDはPCIe 5.0で、Mac Studioも5.0だとみられています
  • PCIe 6.0対応のSSDを積んだ一般向けパソコンは、まだ市場に出ていません
  • AppleはほかのMacでもSSDのPCIe世代を公表しておらず、削除後は他機種と同じ書き方に戻りました
  • ただしフランス語版のプレスリリースだけは、9月1日時点でも「PCIe Gen 6」の記述が残ったままです
消えたのは規格の名前で、公表されていた速さの数字は1つも動いていません。注文画面にPCIeの世代という項目はもともと無いので、9月22日に受け取る予定の人にとって中身が変わったところはありません。

 

消えたのは一語だけで、しかも全部の国からではありません

気になったので、Appleのプレスリリースを英語版と日本語版の両方で開いてみました。ストレージの節はどちらも生きていて、「次世代のSSDアーキテクチャにより、ストレージパフォーマンスが最大2倍高速になりました」と書かれています。読み書きが速くなったという話は、取り下げられていません。

抜けているのは、その「次世代のSSDアーキテクチャ」に付いていた修飾です。公開直後は「PCIe Gen 6上に構築された」が頭に付いていて、今はそれだけがありません。文の残りはそのままなので、消したというより、書きすぎた一語をつまみ出したような直り方をしています。

ややこしいのは、同じ段落に「PCIe」という言葉がもう1つ残っていることです。ただしこちらはSSDの話ではなく、Thunderbolt 5でつなぐPCIe拡張シャーシ、つまり外付けの機材のほうを指しています。検索して「まだ書いてあるじゃないか」となる人が出そうなところなので、先に分けておきます。

最初に気づいたのはフランスのブログMacGenerationで、それを受けてMacRumorsがAppleへ問い合わせています。この記事を書いている時点で、Appleからの返答はありません。

Macworldがフランス語版のプレスリリースにはまだ残っていると指摘していたので、各国版を自分で開いて並べてみました。9月1日の時点で、英語版・英国版・ドイツ語版・日本語版はどれも記述が抜けていて、フランス語版だけが「PCIe Gen 6の規格に基づく次世代のSSDアーキテクチャ」のままです。

最初に気づいたのがフランスのブログで、そのフランス語版だけが直っていない。狙ってもこうはならないと思います。そしてどの版も公開日は8月25日のままで、更新した記録は付いていません。

【追記】9月22日:そのフランス語版も、9月22日に開き直すと「PCIe Gen 6」の記述が消えていました。残っているのは「次世代のSSDアーキテクチャ」と「最大2倍」だけで、ほかの言語版と同じ書き方にそろっています。いつ直ったのかは、ページに更新の記録が無いので分かりません。最後まで残っていた1か所がそろって、この件はやっと片づいた気がします。

なぜ書き間違いと見られているのか

Appleが黙って直した以上、本当のところは分かりません。それでも「たぶん書き間違いだろう」と言われているのには、それなりの理由が2つあります。

1つは、同じチップを積んだ別のMacです。新しいMac Studioの下位構成に載るM5 Maxは、14インチと16インチのMacBook Proにも載っています。そちらのSSDはPCIe 5.0で、しかもAppleは同じように「読み書きが最大2倍」と説明していた、とMacRumorsは書いています。同じチップの同じ売り文句で、Mac Studioだけが2段先の規格にいると考えるのは、さすがに無理があります。

もう1つは、そもそも世の中に物がないことです。PCIe 6.0に対応したSSDを積んだ一般向けのパソコンは、今のところ市場に出ていません。Appleが世界で最初の1台をやってのけた、ならそれはそれで痛快なんですが、それなら消す理由がなくなります。消したこと自体が、5.0の側を指しているという読み方です。AppleInsiderは、そもそもAppleに隠す動機がないとも書いています。PCIe 6.0を使っていると言って困ることは何もなく、困るのはそれが事実でない場合だけだからです。

この話は、3月に書いたM5 Max搭載MacBook ProのSSDが100度を超えたという報告を扱った回とつながります。そのときも、帯域は最大14.5GB/sまで引き上げられたと説明されていて、その数字からPCIe Gen 5相当の速度域に届いていると見られる、と書きました。規格名はそのときもAppleから出ていません。数字だけが先にあって、名前だけが最後まで出てこない状態が、今回も続いています。

速さの数字は、1つも下がっていません

「6.0じゃなかった」と聞くと、スペックが1段落ちたように感じます。ただ、落ちた数字を探そうとすると見つかりません。Appleが公表していた数字は最初から「前の世代の最大2倍」だけで、そこは今も一字も変わっていないからです。

ついでに脚注まで読むと、その「2倍」が何と比べた数字かも書いてあります。比較相手はM3 Ultra搭載の前の世代のMac Studioで、32コアCPU・80コアGPU・512GBメモリ・8TB SSDという構成、テストは2026年7月にApple自身が実施したものです。今のMac Studioを使っている人が、そのまま自分の環境に当てはめられる数字ではありません。

もう少し踏み込むと、AppleはそもそもSSDのPCIe世代を、どこにも書いていません。Mac Studioの技術仕様ページを開いても、ストレージ欄に並ぶのは容量の選択肢だけです。同じ日に出たMac miniのプレスリリースにも、M6とM5 Ultraのチップを発表した資料にも、PCIeという語自体が出てきません。

そして、Appleが製品の仕様としてPCIeの世代を書いた例が無いわけではありません。Appleのサポート文書「Mac Pro (2023) に取り付け可能な PCIe カード」には、7基のスロットがすべてgen4だと書いてあります。拡張スロットの話なので内蔵SSDとは層が違いますが、Appleが自社製品について公表したPCIeの世代は、今のところGen 4が最新です。そこから2つ飛んでGen 6へ、というのは、確かに書いてあるほうを疑いたくなります。

つまり今回の削除で起きたのは、Mac Studioだけが例外的に持っていた1行が、他のMacと同じ書き方に戻ったということです。世代の名前が消えて情報が減ったのは確かですが、減ったのは元々どの製品にも無かった情報のほうでした。

【追記】9月22日:その「どれくらい」が、発売前日にようやく数字になりました。MacworldがM5 MaxのMac Studio(18コアCPU・40コアGPU・128GBメモリ・4TB SSD)を定番の計測アプリBlackmagic Disk Speed Testで測ると、読み出し13,759MB/s、書き込み14,019MB/s。M4 MaxのMac Studioは5,153MB/sと6,435MB/sだったので、読み出しは2.6倍あまり、書き込みも2.1倍あまりです。M1 Max・M2 Max・M4 MaxのMac Studioは読み出しがどれも5,100〜5,500MB/sの間に並んでいたので、4年近く動かなかった数字が、ここで一気に抜けたことになります。名前でさんざん落ち着かなかったのに、速さのほうはあっさり倍を超えてきて、正直ちょっと笑ってしまいました。

ここで「公称の2倍を3割上回った」と書きたくなるのですが、ぼくはそこで一度止まりました。Appleの「最大2倍」は上で書いたとおりM3 Ultra搭載機との比較で、Macworldの数字はM4 Maxとの比較です。物差しが違うので、言えるのは前の世代のMaxから倍を超えて伸びた、というところまでです。しかも測ったのは4TBの構成で、容量の小さい構成だけSSDが遅くなったMacもこれまでにありました。512GBから始まる入口の構成で同じ数字が出るかは、まだ誰も測っていません。

では、これで5か6かが決まったかというと、そこはまだです。ここは実測で決着してほしかったので、少しもどかしいところです。PCIeの速さは世代だけでなく、何本の線(レーン)を束ねているかでも変わり、AppleはMac Studioについてそのどちらも書いていません。13,759MB/sは、2026年3月の回で触れた最大14.5GB/sの手前に収まる数字ですが、それだけで規格の名前までは決められません。速さは実機で確かめられて、名前は今も空いたまま、というのが9月22日時点の状態です。

この状態は、8月27日にM5 MaxとM4 Maxを並べた回を書いたときにも引っかかっていました。速いことは確かなのに、どれくらい速いのかだけが分からない。1週間たっても、そこは同じままです。

予約した人と、これから注文する人で動いたもの

すでに予約を入れている人と、9月22日の発売を待って決めようとしている人とでは、今回の削除の受け取り方が変わります。分かれ目は、PCIeの世代を注文の材料にしていたかどうかです。

どの立場か 何が動いたか
すでに予約している 注文した構成も、支払う額も、届く日も動いていない。プレスリリースの1行が直っただけ
これから注文する 選ぶのは容量と構成と値段で、そこにPCIeの世代はもともと項目として存在しない
大きなファイルを日常的に読み込む 手がかりは「前の世代の最大2倍」のまま。実機の実測が出るまで、それ以上の分解能はない

並べてみると、3つとも「今日できることはない」に着地します。それが物足りない結論なのは分かっているのですが、今回の削除で買い方が変わる人は、実際のところ出てきません。世代の名前は、購入画面のどこにも出てこない情報だからです。

それでも気にする価値があるとすれば、大きなAIモデルを読み込むような使い方をする場合でしょうか。Appleがプレスリリースで「巨大なLLMの読み込み」を売り文句に挙げているのは、まさにその層に向けてです。ただ、その場面で差が出るのも規格の名前ではなく実際に測った速度です。結局は実機を待つことになります。

【追記】9月22日:表の3行目の「実機の実測が出るまで」は、上の節のとおり数字が出ました。大きな動画素材やAIのモデルを日常的に読み込む人にとっては、M4 MaxのMac Studioから読み出し2.6倍あまり、というのがいちばん具体的な手がかりです。Macworldは、制作の現場でM4 MaxやM3 UltraのMac Studioを使っている人でも、買い替えを真剣に考えていいとまで書いています。2026年8月の時点では「今日できることはない」と書いた表に、ようやく判断に使える数字が1つ入って、個人的にはほっとしています。読み込みのたびに待っていた時間が毎日の仕事の中にあるなら、ぼくは世代の名前より、こちらの数字で決めて困ることはないと思います。ただし4TBの構成での数字なので、入口の構成で選ぶ人は、同じ速さが出る前提では決めないほうが安全です。

海外の反応:削除そのものより「では2倍はどこから来たのか」に集まっている

元記事への反応と、同じ話題で立った議論の両方から拾いました。Appleを責める声より、技術的な辻褄を合わせにいく声のほうが目立ちます。

I wonder how they're getting 2x faster storage if it isn't PCIe gen 6. Maybe more lanes, or maybe it simply saturates more of the bandwidth?

PCIe Gen 6じゃないなら、どうやって2倍の速さを出しているんだろう。レーンが増えたのか、それとも単に帯域を使い切っているだけなのか。

— ZachyWacky0 / Reddit(2026年9月1日)

同じところで止まる人がいたのは、正直ほっとしました。速さの説明が残っているのに規格名だけ消えると、辻褄が合わないように見えます。答えは出ていません。

There's nothing to "source" other than the NAND chips. The SSD controller is integrated into the SoC itself so "PCIe gen6" is purely down to CPU architecture support, which the M5 family as we know doesn't.

「調達」するものなんてNANDチップ以外にない。SSDコントローラはSoCそのものに統合されているから、「PCIe Gen 6」かどうかは完全にCPU側のアーキテクチャが対応しているかどうかの話で、私たちが知る限りM5ファミリーは対応していない。

— bazhvn / Reddit(2026年9月1日)

部品を探す話ではないという指摘です。Apple SiliconのMacはSSDの制御をチップ側に持っているので、規格の世代を決めるのもチップ側だという見方になります。Appleが公式に説明したことではないので、あくまで使う側の推測です。

They wouldn't remove compatibility listing just because the compatible product is hard to source. More likely they just can't get acceptable stability at the required speeds.

対応製品が手に入りにくいというだけの理由で、対応の記載を消したりはしないだろう。求められる速度で納得のいく安定性を出せなかった、と考えるほうがありそうだ。

— Apprehensive_Lake698 / Reddit(2026年9月1日)

単なる打ち間違いではなかったのではないか、という筋の話です。ここは確かめようがなく、Appleが答えない限り分かりません。

That's too bad; I noticed that claim in the original PR, and was wondering for a moment if they were bringing back support for external PCI cards like they had on later Intel Macs.

残念だな。元のプレスリリースであの記述に気づいて、後期のIntel Macにあったような外付けPCIカードのサポートが戻ってくるのかと一瞬思ったんだ。

— TheDragonSlayingCat / Reddit(2026年9月1日)

読み違えていた人もいました。Mac Proが終わったあと、拡張カードの話はほとんど出てこなくなったので、そこへ勝手に希望を見た形です。この気持ちは分かります。

How does a company as big as Apple make this mistake? I thought it was suspicious as well but you never know.

Appleほど大きな会社が、どうしてこんなミスをするんだろう。自分も怪しいとは思っていたけれど、分からないものだ。

— nateo200 / MacRumors Forums(2026年9月1日)

発表時から引っかかっていた人がいたのは意外でした。世の中にまだ物がない規格の名前が公式資料に載る違和感は、その場で気づいた人には気づかれていたわけです。

となりずむのnote

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ひとこと:規格の名前が1つ消えただけで、こんなに落ち着かなくなるとは

数字は何も動いていないのに、読んでいて妙に落ち着きませんでした。速さが変わったわけでも、書いてあった性能が取り下げられたわけでもありません。それでも引っかかるのは、たぶん速さそのものより、Appleが一度書いたことを黙って引っ込めたほうです。

Appleの発表資料は、ふだんは驚くほど言葉を選んで作られています。だからこそ、そこに一度だけ載って消えた一語は、書き間違いだったとしても妙に記憶に残ります。今回に限っては、消してくれたほうがありがたい類の一語でしたが…。

まとめ:消えたのは規格の名前で、速さの説明は最初から最後まで同じです

今のところ公式に残っているのは「次世代のSSDアーキテクチャで、ストレージ性能が前の世代の最大2倍」という説明です。8月25日の公開直後にあった「PCIe Gen 6」だけが抜けていて、それ以外の書き方は英語版も日本語版も変わっていません。フランス語版だけが直っていないので、Apple社内でも扱いは統一されていないようです。世代の名前が分からなくなったのは確かですが、Appleがもともとその名前を書いてこなかったことを思えば、元の状態に戻っただけとも言えます。

次に何かはっきりするとしたら、9月22日に実機が届いたあとです。読み書きの速度を実際に測った結果が出てくれば、5と6のどちらの枠に収まる数字なのかは、そこで見当がつきます。

【追記】9月22日:フランス語版に残っていた記述も、9月22日の時点では消えています。実機の数字は出ましたが、5と6のどちらの枠かは、数字だけでは決まりませんでした。はっきりしたのは速さのほうで、前の世代のMaxから倍を超えて伸びていたことです。CPUやGPU、ローカルのAIまで含めた実機レビューの数字は、発売前日に出そろったM5 Ultra・M5 MaxのMac Studioのレビューをまとめた回に並べています。

ここまで読んで「じゃあ速さ以外はどれくらい変わったんだ」と気になった人は、M5 MaxとM4 Maxを実測値まで並べた回が答えを持っています。公称の30%や50%が、測るとどう出たのかを書いています。

ではまた!

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内蔵SSDの世代は公式に出ていませんが、外に出す側の数字は公表されています。新しいMac StudioのThunderbolt 5は最大120Gb/sで、この本数を通せるケーブルはまだ多くありません。3,285円(2026年9月1日時点)です。

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Source:MacRumors、MacGeneration、Macworld①、AppleInsider、Macworld②、Apple①、Apple②、Apple③、Apple④、Apple⑤、Apple⑥、Apple⑦、Reddit①、Reddit②、Reddit③、Reddit④、MacRumors Forums

更新履歴
  • 9月22日:発売前日に出た実機レビューのSSD実測(M5 Maxで読み出し13,759MB/s・書き込み14,019MB/s)と、フランス語版プレスリリースからも「PCIe Gen 6」の記述が消えたことを【追記】
  • 9月1日:Appleが公表したPCIeの世代はMac Pro (2023)のgen4が最新であることと、隠す動機がないという見方を追記
  • 9月1日:公開