M5は「大きくしたA19 Pro」なのか？──GPU内Neural Acceleratorと帯域で見る“設計のそっくり度”

✅ この記事では、M5チップの中身をやさしくひもときながら、A19 Proとの「そっくりポイント」と「違い」を整理します。元記事は9to5Mac。Macworldの技術解説も踏まえつつ、「なぜiPhoneとMacのチップがここまで近づいたのか」を、できるだけ想像しやすく説明します。

どうも、となりです。

M5が登場してから、「A19 Proと同じ設計なんじゃないか？」という声がよく聞かれるようになりました。たしかに構造をたどると、同じ家系の“兄弟チップ”に見えてきます。今日はその関係を、人間の感覚でわかるように整理していきましょう。

最新動向：A19 Proに「そっくり」と言われる理由

まず注目はGPUです。M5は10コアGPUを採用し、各コアにNeural Accelerator（AI専用の頭脳）を内蔵。この作り、A19 Proとほぼ同じなんです。

たとえるなら、A19 Proが「6気筒エンジン」だとしたら、M5は「10気筒版」。エンジンの設計は同じでも、気筒数が増えてパワーに余裕が出た感じですね。

メモリ帯域も共通しています。M5のユニファイドメモリは153GB/s。A19 ProがA18 Proから約30％アップしたのと似た伸び方で、AIや画像処理を“詰まらせずに流す”仕組みを共有しています。

CPUも似ています。M5は4つの高性能コア＋6つの高効率コア。A19 Proの2＋4構成をそのまま拡張したような形で、家族構成が増えた兄弟のような関係です。

こうして見ると、M5はA19 Proの図面をそのまま拡大し、プロ用に仕上げたチップだといえます。

「GPUでAIを回す」という仕組みが、M5の一番の特徴です。GPUの中にNeural Acceleratorを埋め込むことで、AI処理をより広い道で流せるようになっています。以前の記事でも触れましたが、これは“脳と手足をつなぐ神経”を増やすようなもので、情報伝達が一気にスムーズになるんです。

その道の広さを決めるのが、メモリ帯域の153GB/s。A19 Proも同じように帯域を広げています。大きなデータをまとめて運ぶ力が増すことで、16コアNeural Engineとの連携もスムーズになり、AI生成や音声処理の「最初のひと呼吸」が短くなるわけです。

これを日常に置き換えると、画像生成アプリを開いたときの“考えている時間”が減り、ほぼリアルタイムで結果が返ってくるような感覚です。

CPUはM4比で最大15％高速化。A19 Proに対しても、コア数とキャッシュ容量を増やして「長時間の作業」や「複数アプリの同時実行」に強くしています。メモリ帯域もA19 Proと同じ方向で広がっており、AIや映像処理など“重めの作業”がスムーズに。

つまりM5は、設計思想をそのまま“スケールアップ”しただけ。これにより、開発者は同じコードや最適化を、iPhoneからMacまで横断して活かせるようになっています。

Macworldの分析によると、A19 ProとM5が似ているのは「開発者が狙いを定めやすくするため」でもあるそうです。Metal 4やCore MLといったAppleのフレームワークが、どのデバイスでも同じように動くようになるんですね。

たとえば、iPhoneで作ったAIフィルターが、そのままMacの動画編集アプリでも走るようになる。そんな環境が広がれば、M4からM5で感じる“体感の伸び”が、さらに生きてくるはずです。

実際に使って感じるのは、「止まらない速さ」です。たとえば、iPad Pro M5では外部120Hz表示や高速充電の最適化が進み、描画やペン操作が“間”なく反応します。MacでもAI補正や動画出力のテンポが軽やかになり、同じリズムで作業が続けられるように。

つまり、A19 ProとM5の違いは“できること”よりも“余裕の差”。設計の方向性が同じだからこそ、デバイスをまたいでも似たスピード感で動く──そんな統一感が感じられるんです。

ひとことで言うと──M5はA19 Proをベースに、プロの作業を支える余裕を加えたチップです。だからiPhoneで生まれた最適化が、MacやiPadにも自然に広がる。ユーザーはどのデバイスでも同じリズムで動けるようになってきました。

開発者にとってはターゲットの一貫性が、ユーザーにとっては体験の連続性が広がる。そんな“そっくりな関係”なら、むしろ歓迎すべき進化ですよね。

ではまた！