となりずむ

Appleを理解して翻訳する。それが「t0nAr1sm(となりずむ)」

M5 Pro/Maxが効率コアを廃止。UltraFusion技術でM4以上の冷却効率を実現か

電子回路基板を背景に、Appleのロゴが入った「M5 PRO」と「M5 MAX」の2つのチップが並んでいるイメージ

✅この記事では、M5 ProとM5 Maxで何が変わったのかを、Fusion Architectureと新しいコア構成の2本柱で追えるようにします。

MacBook Proの買い替えを考えている人ほど、今回の変化が「速くなった」だけなのか、それとも設計思想まで変わったのかが気になるはずです。

どうも、となりです。

今回のM5 ProとM5 Maxは、数字の伸びだけを見るともったいない世代です。Apple公式が前に出しているのは、新しいFusion Architectureと、6つのスーパーコア+12のまったく新しい高性能コアというCPU構成だからです。

発表前から続いていた論点は、コア数を増やすだけでまだ伸ばせるのか、それとも実装ごと変えるのかでした。今回のM5 Pro/Maxは、後者にかなり踏み込んだ形に見えます。

要点まとめ:M5 Pro/Maxはチップの作り方ごと変えてきました

大事なのは、今回の焦点がクロックの派手な話ではないことです。2つのダイを1つのSoCとしてつなぐ設計と、コアの役割分担の見直しが同時に入ったところに意味があります。

ぱっと見では専門用語が多いですが、使う側の感覚に寄せると、重い処理を長く回しやすくするための土台が作り直された、と見ると分かりやすいです。

  • Appleは2026年3月3日にM5 ProとM5 Maxを発表し、新しいFusion Architectureで2つのダイを1つのSoCとして接続すると説明しました。
  • Apple公式のCPU構成は6つのスーパーコア+12の新しい高性能コアで、従来の高効率コアは少なくとも今回の公開情報では前面に出ていません。
  • AppleInsiderは、この構造についてUltraモデルで使われてきたUltraFusionの系譜をM5 Pro/Maxに広げたと説明しています。ただし、Apple公式が今回使っている名称はUltraFusionではなくFusion Architectureです。
  • Apple公式はダイ写真や、インターポーザーのようなダイ同士をつなぐ連絡通路の詳細を公開していないため、物理構造を2.5D実装まで含めて断定するのはまだ早いです。
  • 新しい高性能コアは、Apple公式では電力効率の高いマルチスレッド処理向けと説明されています。Heise経由の説明では、従来の高効率コアより能力が高く、しかも効率面でも上回る方向だとされています。
  • 1TBのM5搭載14インチMacBook Proが1,499ドルまで下がった事例も出ていて、M5世代の価格の見え方は発売直後より少し動き始めています。
M5 Pro/Maxは、単にコアを足した更新というより、熱と通信の詰まりを減らしながら高い負荷を回すための作り直しに見えます。ただ、ダイの置き方まで断定できる公式資料はまだなく、仕組みの細部は見えていません。

M5 Pro/Maxで何が変わったのか

まず事実として押さえたいのは、Apple自身が「新しいFusion Architecture」で2つのダイを1つのSoCとして結ぶと説明していることです。M5 ProとM5 Maxは、CPU、GPU、Media Engine、ユニファイドメモリコントローラ、Neural Engine、Thunderbolt 5機能を2つのダイ側に持たせた構造になっています。

ポイントは、同じ1枚の大きなチップを無理に作る方向ではないところです。ダイを近い位置でつなげば、部品同士の往復距離を短くしやすくなりますし、GPU側だけを変えるような派生も作りやすくなります。製造コストや歩留まりまで考えると、ここはかなり現実的な設計です。

この前提を知っておくと、M5 Pro/Max搭載MacBook Proの発表内容で1TB標準化やAI性能4倍が強く押し出された理由も見やすくなります。単なる性能競争ではなく、上位Macをどう伸ばすかの土台が一緒に変わったからです。

少し引っかかるのは、当初は「垂直に積んだ」ような説明が出たのに、その後は「隣接したダイ」とする説明に修正が入っていることです。ここは情報そのものが揺れた部分で、いちばん迷いやすいところでもあります。Apple公式が出しているのはあくまで「2つのダイを高度なパッケージングで接続した」という情報までで、写真付きで実装を見せたわけではありません。

なので、この段階で言い切れるのは2ダイ構成であることまでです。積層なのか、隣接なのか、どの層でどう配線しているのかは、ダイショットや分解レベルの検証が出るまではまだ確定していません。

コア構成が変わると何がうれしいのか

今回いちばん面白いのはコアの名前ではなく、役割の切り分けです。Apple公式はM5 Pro/Maxを「6つのスーパーコア+12の新しい高性能コア」と説明しています。M5ではスーパーコアの名前も整理されましたが、M5 Pro/Maxはその下の層まで作り変えてきました。

大事なのは、この高性能コアが単なる中間グレードではなさそうなことです。Heise経由で伝わっている説明では、この高性能コアはスーパーコアとも従来の高効率コアともかなり違う設計です。しかも、能力を上げただけでなく、高効率コアより効率面でも上回る方向だとされています。ちょっとややこしいのですが、軽い仕事専用の弱いコアを残すより、もう少し幅広く働けるコアに置き換えた、と考えると入りやすいです。

この話は、M5の3層コア構成を追った記事と並べるとさらに分かりやすいです。今のAppleは「速いコア」と「省電力コア」の2分割だけで説明しにくい段階に入っていて、その中間に当たる役割がかなり重要になっています。

意味が出やすいのは、全部のアプリがきれいに多スレッド最適化されているわけではないからです。高効率コアだと処理が頭打ちになりやすかった場面でも、新しい高性能コアならもう少し自然に受け止められる可能性があります。動画書き出しのような分かりやすい重作業だけでなく、開発環境や画像処理のような“重いのに偏りがある仕事”で差が出そうです。

一方で、A20やA20 Proまで同じ流れがそのまま行くかはまだ不明です。筋は通っていますが、いま出ているのはメディア側の予測で、AppleがiPhone向けまで同じ切り替えを明言したわけではありません。

注目したいポイント:熱の扱いが少し変わったかもしれません

今回の設計で見逃しにくいのが熱です。ダイをどう並べるか次第で、熱源が重なりやすい場所と逃がしやすい場所が変わります。隣接配置なら、発熱の大きいブロックを物理的にずらしやすいので、冷却側の設計自由度は取りやすくなります。

Appleは公式に「M4 Maxより温度が低い」とは言っていませんが、初期のストレステストではM5 Maxの温度がM4 Maxより低めだったという報告が出ています。ここはかなり気になるところです。ただ、冷えるかどうかはチップ単体では決まりません。14インチ筐体なのか16インチなのか、電力制限をどこに置くかでも結果は変わります。

その意味では、14インチMacBook Proの電力制限を追った検証も一緒に見ておくと外しにくいです。熱設計が良くなっても、筐体側の余裕まで同じとは限らないからです。

ここが分かれ目ですが、今買うか、少し待つかで迷う人は熱の持続性能をどこまで重く見るかで判断が変わります。長時間の3D処理や機械学習のように、同じ負荷を何十分も続けるなら実測の積み上がり待ちがかなり大事です。逆に、コード生成やRAW現像のような短い山を何度も越える使い方なら、今回の設計変更はかなり相性がよさそうです。

海外の反応:期待と懐疑が並んでいます

ひとつは、上位Macの伸ばし方としてかなり筋がいい、という受け止めです。もうひとつは、UltraFusion系の考え方は万能ではなく、一枚岩の大きなチップであるモノリシック設計より不利な場面もあるのではないか、という疑いです。ここで出てくるUltraFusionは従来のUltra向けで使われた呼び方で、Appleが今回公式に使っている名称はFusion Architectureです。

性能を置いてきていないか気になる
UltraFusionの採用は少し心配だ、という声がありました。Ultra系で一番よい方法とは言い切れず、単一チップより遅くならないのかという見方です。
熱が下がるなら話は変わる
M4より放熱がよくなるなら面白い、という反応もあります。Appleが5GHz付近まで押し上げるなら必要な一手ではないか、という考え方です。ただしこのクロック自体は公式未発表です。
積層なのか隣接なのかを混ぜるのは危ない
Shimpi氏の発言と周辺の推測が近くに置かれすぎていて、どこまでが本人の説明なのか分かりにくい、という批判もありました。ダイショットが出るまでは決め打ちしないほうがいい、という温度です。

となりの見方:上位Macの買い替え理由としては、今回の方向はかなり納得しやすいです。プロ向けの仕事は、ピーク性能だけ高ければいいわけではなく、熱で詰まらず長く回ることも同じくらい大事だからです。一方で、物理構造を断定するにはまだ材料が足りません。すぐ買うなら性能表だけでなく、実機レビューで熱と持続性能まで確認できた時点のほうが満足しやすいと思います。

ひとこと:派手なのはAIですが、本質は土台です

ポイントは、AI性能4倍やGPUの伸びより前に、M5 Pro/Maxがどうやってこれ以上伸ばすのかの答えを少し見せたことです。上位Macはもう、単純に同じ作りを大きくするだけでは伸ばしにくい段階に入っています。だからこそ、通信の距離、熱の逃がし方、コアの役割分担までまとめて見直した今回のM5 Pro/Maxは、ちょっと久しぶりに“中身の話が面白い”世代なんですよね。

まとめ:M5 Pro/Maxは伸ばし方を変え始めました

大事なのは、M5 ProとM5 Maxで確定している変化がかなり深いことです。Appleが2ダイ構成のFusion Architectureを導入し、CPUを6つのスーパーコアと12の新しい高性能コアに組み替えたことだけでも、今回が単なるクロックアップ世代ではないことはかなりはっきりしています。

すぐに仕事道具として入れ替えたいなら、M5 Pro/Maxはかなり有力です。とくに長く負荷を回す人ほど恩恵が見えやすいはずです。一方で、積層か隣接かまで含めた実装の細部や、アプリごとの伸び方を見てから決めたいなら、もう少し実機検証を待つほうが無難です。今回のM5 Pro/Maxは、速さそのものより、Appleがこれ以上どう伸ばすのかを先に見せた世代でした。ぼくは、まず熱と持続性能の実測を見て、自分の使い方に合うかで選ぶのが今はしっくりきます。

ではまた!

Aoviho ノートパソコンスタンド 折りたたみ式 6段階高さ調整 アルミ合金製 放熱 滑り止め付き

Aoviho ノートパソコンスタンド 折りたたみ式 6段階高さ調整 アルミ合金製 放熱 滑り止め付き

  • Aoviho

MacBook Proで長めのレンダリングや書き出しを回す日に、底面へ空気を通しながら目線も上げやすいスタンドです。

Amazon

Source: AppleInsider / Wccftech