
✅この記事では、「Liquid Glass」デザインはiOS 26でしか出せない質感なのか?という疑問をもとに、AppleがUIの中に何を変えたのかを探ります。
※本記事には、公開情報(The Mac Observer・Telegram公式ブログなど)をもとにした筆者の考察が含まれます。
どうも、となりです。
iOS 26が登場してから、Appleの画面の見え方が明らかに変わりました。 メニューや通知、設定画面の背景がまるで“液体のガラス”みたいに光を溶かし込み、奥行きを感じる。 この新しい質感「Liquid Glass」は、見た目以上に根っこの構造が違うんです。
ガラスを描いているんじゃない。光を“計算して”いる
従来のiOS(〜25)では、いわゆるグラスモーフィズム──背景をぼかして透過させる手法が主流でした。 しかしiOS 26のLiquid Glassは、物理ベースレンダリング(PBR)に近い考え方を取り入れています。 背景の輝度・彩度・深度をリアルタイムに読み取り、光の反射や屈折を“システムが自動で再計算”しているんです。
The Mac Observerによると、この仕組みはCore AnimationとMetalを統合した新しいMaterialレイヤによって動作しており、 「UIが光の挙動を理解するようになった」と表現しています。 つまり、ぼかしているのではなく、“光の通り方”を再設計している。
Telegramも挑戦。でも「似て非なるもの」

最近、Telegramが「Liquid Glass」風のデザインをアプリに導入しました。 iOS 26でなくても動く──というのが売り文句です。 確かに見た目はそれっぽく、背景がふんわりと透けて動きます。
ただ、これはあくまで“擬似的なLiquid Glass”。 Telegramのブログによると、UIBlurEffectやトランスルーセントレイヤを組み合わせて再現しているとのこと。 いわば“磨りガラスに色をのせたような”質感で、光を通すけれど、向こう側の形まではわかりません。
一方、iOS 26のLiquid Glassは、MetalのPrivate Frameworkを使って背景の深度情報(Depth Layer)を直接参照しています。 たとえるなら、薄い水の膜の下で光がゆらめいているような感覚。 手前のカードを動かすと、奥の光が少し遅れて流れる──あの“生きている”ような動きは、OS全体で光を計算しているからこそ出せるんです。
つまり、Telegramの“ガラス”はきれいに塗られたシール。 Appleのそれは、光と空気を閉じ込めた層。 どちらも透けて見えるけれど、触れたときの手応えがまったく違うんですよね。
なぜAppleは開発者に開放しないのか
AppleがLiquid Glassをサードパーティに開放していない理由は、パフォーマンスと統一性。 屈折光や視差効果の描画はGPU負荷が高く、アプリ側が独自実装するとバッテリーを消耗してしまいます。 また、UI全体の“統一された光”を維持するために、Appleはこのレンダリング層をシステム専用にしています。
そのため、一般の開発者が同じ質感を作ろうとすると、Metalのカスタムシェーダを自作し、Depth情報を疑似生成する必要があります。 理論的には可能ですが、現実的にはリソースと時間がかかりすぎる。 Appleが“ガラスの物理”をOSレベルで定義したのは、まさにその負担をユーザーから見えない形で背負うためなんです。
まとめ:見た目は似せられても、“質感”はOSの一部
Telegramのように見た目を真似することはできます。 でも、AppleのLiquid Glassが持つあの“奥に光が漂う感じ”は、OSそのものが描いている。 それはアプリではなく、システム全体の“素材”なんです。
Appleはデザインを変えたのではなく、素材の概念を再発明しました。 そして、UIのガラスが初めて“光の物理”を理解した。 これが、iOS 26以降のLiquid Glassの本当の意味なんだと思います。
ではまた!
Source: The Mac Observer, Telegram Blog, Apple Newsroom, Apple Developer Documentation, Reddit r/iOS