t0nAr1sm

Appleをもっと身近に、もっと深く。

ジャパンモビリティショー2025:Apple不在でも広がるCarPlayとデジタルキーの現在地

ジャパンモビリティショー2025」公式ビジュアルポスター。『いくっしょ、モビショー!』のキャッチコピーとともに、未来のモビリティや楽しむ人々をカラフルな円で表現したデザイン。

✅この記事では、ジャパンモビリティショー2025(JMS2025)に見える「クルマの中のApple」を整理します。Appleは出展していませんが、実は各社ブースでCarPlay・デジタルキー・Apple Watch連携が静かに主役を広げていました。

どうも、となりです。
東京ビッグサイトで開幕したジャパンモビリティショー2025は、「モーターショー」から進化した“未来の移動体験の総合展”。電動化や自動運転はもちろん、車内のUIやスマホ連携など、生活の延長としての技術が前面に出ていました。

会場とテーマ:モビリティ=移動文化の見本市

JMS2025は10月30日〜11月9日まで開催。主催は日本自動車工業会(JAMA)。テーマは「世界を動かす、未来を動かす」。国内外の自動車・バイクメーカーに加え、スタートアップや家電・通信企業も参加し、モビリティを文化として捉え直す展示構成でした。

トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキなど国内勢はもちろん、BMW、BYD、現代(ヒョンデ)など海外ブランドも多数出展。さらに「Startup Future Factory」ではAI・MaaS(モビリティサービス)・空飛ぶクルマ・電動バイクなど150社以上のスタートアップが集まりました。

見どころ:EVとデジタル体験の“融合”が加速

今年の展示で目立ったのは、「車の中がスマートデバイス化している」という流れです。電動化・自動運転に続くテーマとして、スマホと車のOSがつながる体験が各社で前面に押し出されていました。

  • EVの多様化:軽自動車サイズからSUVまで、全カテゴリーで電動車が主流に。
  • ソフトウェア定義車(SDV):OTAアップデートによるUI変更や新機能追加の展示が増加。
  • 車内エンタメ:Apple Music対応、CarPlayのワイヤレス接続など「スマホ主導のUX」が当たり前に。
  • デジタルキー:iPhone/Apple Watchで施錠・解錠できる実機デモが各社ブースで体験可能。

Appleの名前はない、けど“体験の中心”にいた

Appleはブースを設けていません。しかし、トヨタ・ホンダ・BMWなどの展示車で、CarPlayやデジタルキーが当然のように動作していました。とくにワイヤレスCarPlayの普及は顕著で、ケーブル不要で接続できる利便性を多くのメーカーが強調しています。

さらに、Apple Watchをキーとして使えるUWB(超広帯域無線)技術を採用した車両も複数登場。車の“鍵”がiPhoneやWatchになる──この変化は、日本市場でも確実に広がり始めています。

“次世代CarPlay”はまだ来ない:なぜ?

WWDCで発表された次世代CarPlay(メーターパネル統合型)は、残念ながら会場では実機展示なし。国内メーカーは「技術検討中」としており、実装は2026年以降と見られます。
背景には、車内データの主導権をめぐる交渉があります。Appleが全画面を支配すると、車メーカーが“自社UI・広告・課金設計”を失うリスクがあるため、慎重姿勢を崩していません。

そのため、各社は「今あるCarPlayを磨き上げる方向」──つまり、安定した接続性・音声最適化・ナビ統合などの改善に注力していました。

 

 

日本市場の現実:小さな便利が積み重なる

たとえば、iPhoneをケーブルにつながなくても自動で接続するワイヤレスCarPlay。Apple Watchで車を開けるデジタルキー。Apple Musicが標準搭載される新型EV。これらはすべて「次世代CarPlay」以前に、すでに暮らしを変えている要素です。

日本は交通法規や車載UIのローカライズの関係で導入が遅れがちですが、実際には“使える便利”が静かに増えている。Appleの製品は、クルマという“動くデバイス”の中でも確実に存在感を強めています。

Appleが“全部の画面”を取らなくても勝てる理由

多くの人は「Appleが車内を支配するのか?」と考えますが、現実はもう少し柔らかい。Appleは、エンジン制御や安全系ではなく、人が毎日触る部分(ナビ、音楽、通話、支払い)を掌握しているんです。つまり、ユーザー体験の核心をすでに握っているわけです。

次世代CarPlayが遅れても、CarPlay+デジタルキー+Apple Payの連携が進めば、「車内の主役はiPhone」という構図は動きません。

ひとこと:車を“端末”に変える静かな革命

JMS2025を歩いて感じたのは、「車が家電に近づいている」ことでした。スマホがリモコンになり、音楽も決済もスマートウォッチで完結する。かつて家の中で起きたデジタル統合が、いま車の中でも進んでいる。Appleはその日常をつなぐ“糸”のような存在になっていました。

まとめ:JMS2025で確信──クルマの主役はハンドルではなく“体験”

Appleのロゴがなくても、CarPlay・デジタルキー・Apple Musicは確かに会場のあちこちにいました。
これは「クルマを売る時代」から「体験を選ぶ時代」への移行を象徴しています。次世代CarPlayが来るその日まで、Appleの静かな進出は止まりません。あなたが次に乗る車、その中の主役は誰でしょう?

ではまた!

Source: Japan Mobility Show, TechRadar, Macotakara, The Verge, WIRED