
✅ この記事では、iPhone 18 Pro/18 Pro Maxに「可変絞り」搭載という報道を起点に、なにが良くなって、どこに課題があるのかを整理します。暗所性能・被写界深度(ボケ)のコントロール、そして筐体の薄型化トレンドとのせめぎ合いを、過去事例とセットで解説します。
- 最新動向:iPhone 18 Proに“可変絞り”—対象はメイン、サプライヤーも判明
- 性能・仕組み:可変絞りで何が変わる?—「光量」「ボケ」「解像」の三角関係
- 設計の現実:薄型化の波にどう乗る?—価格・耐久・実装スペースのジレンマ
- 市場・日本の視点:誰に効く?—“Proだけの画づくり”が明確になる
- 発表時期の目安と全体像:2026年の「入口」を作り直す
- コミュニティの声(Redditまとめ)
- まとめ:可変絞りは“玄人向けの確かな進歩”、Proの価値をもう一段引き上げる
どうも、となりです。
韓国ETNews発の情報をもとに、MacRumorsがiPhone 18 Pro世代で「可変絞り」カメラが来ると伝えました。対象はPro系の広角(メイン)で、超広角・望遠と並ぶ背面3眼の“核”を置き換えるかたちです。アップルは部材の具体名までサプライヤーと詰めているとのことで、実装フェーズに入っている…そんな温度感なんですよね。
この記事を読むとわかること:
・可変絞りで写真と動画はどう変わる?(暗所・ボケ・逆光の3局面)
・薄型化・価格・耐久性という“現実の制約”
・日本のユーザーが買い替え時に見るべきポイント(Pro以外との線引き)
最新動向:iPhone 18 Proに“可変絞り”—対象はメイン、サプライヤーも判明
報道では、可変絞りを搭載するのはiPhone 18 Pro/18 Pro Maxのみ。広角(メイン)を置き換え、超広角・望遠と並ぶ3眼構成を維持するとされています。
製造はLG InnotekとFoxconn、駆動用アクチュエータはLuxshare ICTとSunny Opticalが担う見込み。アップルとしては前例のない仕組みですが、部品サプライチェーンの輪郭まで語られているのは興味深いですよね。
一方で、iPhone 14 Pro〜iPhone 17 Proまでのメインはすべて固定絞り(ƒ/1.78)でした。つまり、18世代で撮像の“入口”に手を入れる大変化が起きるというわけです。
新着補足:MacRumors/9to5Macの続報(10/27)
- DSLRのように“手動で絞りを切り替え可能”になるとの記述。可変絞り(variable aperture)=実際にレンズ開口を物理制御。
- メインだけでなく望遠(テレ)もより大きな開口径になる見込み。=暗所や被写界深度コントロールの自由度が上がる方向。
- 現行の固定ƒ/1.78からの脱却を再確認。発売時期は2026年9月見通しで従来報道と一致。
- 情報源はWeiboのDigital Chat Station(サプライチェーン筋)。同氏はiPhone 15/15 Plusの48MPセンサー差やiPhone 12のパネル設計などカメラ系リークの実績あり。
- さらにKuo氏(2024年11月)も18 Proの可変絞り採用を示唆しており、複数ソースで整合的。
- モデル限定の可能性:まずは筐体スペースに余裕のあるPro Max先行になるとの見方も。9to5Macは「Pro/Pro Maxの両方」説と併走しているとしています。
要するに、“自動だけでなくユーザーが意図して絞り値を選べる可能性”まで踏み込んだ点が今回の更新ポイント。動画や商品撮影など、露出や被写界深度を詰めたい場面でメリットが大きくなります。
性能・仕組み:可変絞りで何が変わる?—「光量」「ボケ」「解像」の三角関係
可変絞りは、レンズの“穴の大きさ”を変化させる仕組みです。開けば光がたくさん入り暗所に強くなり、絞れば被写界深度(ピントの合う“厚み”)が深くなって全体がくっきり写ります。逆光・白飛び・風景撮影など、これまで難しかった場面で効果を発揮します。
9to5Macの要約では、可変絞りの主眼は“被写界深度(DoF)のコントロール”。
被写体を背景からしっかり分離したい時は浅く、背景の雰囲気も残したい時は中程度、風景など全体を合わせたい時は深く──と、意図に合わせて選べる点が重要だとしています。
- 暗所:開く(例:ƒ/1.4〜1.8相当)=ノイズ低減・シャッター速度を稼げる。夜景や室内撮影にプラス。
- 日中・逆光:絞る(例:ƒ/2.4〜2.8相当)=白飛び抑制・被写界深度アップ。風景や街並み、建築撮影で安定。
- ボケ表現:開放で背景がとろける自然なボケ、絞れば全体をシャープに。ポートレートと物撮りの両立が可能。
さらに動画では、シャッタースピード固定(例:24fps時の1/48)を守りながら絞りで明るさを整えやすくなるため、日中屋外での“ND代わり”としても機能しやすくなります。
ただし、iPhoneのセンサーは小さいため、一眼レフのような極端なボケは物理的に難しいのも現実。9to5Macも「単体で劇的なボケ増大は望みにくい」と慎重姿勢で、むしろ“絞れること”による風景・街並みの解像感や動画の露出制御に効く、と位置づけています。
AppleInsiderは、可変絞りがコンピュテーショナルフォトグラフィー(計算写真)とAI処理の融合を後押しする可能性にも触れています。絞り値による奥行きデータの変化をAIが学習すれば、AR・Vision・自動フォーカス精度の強化にも応用できる。これがApple Intelligence時代の新しい“撮像データ”の使い方になりそうです。
設計の現実:薄型化の波にどう乗る?—価格・耐久・実装スペースのジレンマ
いまのハイエンドは、望遠の潜望鏡(テトラプリズム)や大判センサーで内部スペースが常に逼迫しています。そこに可変絞りユニットを加えると、厚み・重量・耐衝撃性の課題が一気に増すわけです。
価格も重要な要素です。今回のPro限定という報道は、原価上昇をProモデルで吸収する戦略に合致します。差別化としても自然で、Proシリーズの方向性は当ブログの「iPhone 18 Proの6つの注目点」で詳しく整理しています。
耐久性についても議論があります。可変絞りは落下や砂塵の影響を受けやすい構造のため、Appleは防塵設計やチタン素材など、新素材戦略とセットで開発を進めている可能性があります。
そして9to5Macは、将来的な“センサー大型化”の布石として可変絞りを捉える見方も示しています。特にPro Maxは筐体スペースに余裕があり、より大きな受光面積との組み合わせが画質底上げに繋がる、という期待です。
市場・日本の視点:誰に効く?—“Proだけの画づくり”が明確になる
日本のユーザーで恩恵が大きいのは、室内スポーツ・夜景旅行・料理撮影のような環境。開放でのシャッター稼ぎと、絞った時の細部の粘りが「失敗しにくい写真」を実現します。
また動画では、明るい環境での露出制御(ND代替)や被写界深度のリアルコントロールにも繋がります。撮影意図を反映できるという点で、Proと非Proの差はより明確になっていくはずです。透明感ある外装デザインの噂は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
一息置いて整理すると、可変絞りは派手な進化ではなく、“撮る人ほど報われる”地味で確かな強化。それだけに、Proラインの価値を再定義する技術とも言えるんです。
発表時期の目安と全体像:2026年の「入口」を作り直す
時期は2026年秋のiPhone 18ラインとされ、iPhone Air 2や折りたたみiPhoneの登場と同時期になる見込み。つまりAppleは、撮像・素材・形状という3つの領域を同時に刷新しようとしているわけです。俯瞰の全体像は、当ブログの年次まとめ「iPhone 18 Proうわさ総覧」をご覧ください。
「明るさか、薄さか、価格か。可変絞りは、その三角形のバランスを取り直す提案なんです。」
コミュニティの声(Redditまとめ)
- 可変絞りは魅力だが、センサーやレンズが大型化しないと効果は限定的では?という慎重論。
- 「発売から間もないのに次の噂」は毎年の恒例行事、やや食傷という指摘も。
- 一方で、量産準備には時間がかかるため今の段階の噂は自然、との冷静な意見。
- 夜景性能の底上げに期待する声が多く、特にナイトモードの改善を求める声が目立つ。
- 落下時に絞り機構が故障して撮影不能になるリスクを懸念、耐久性が最大の不安点。
- 低照度ではiPhoneはPixelに細部で劣る場面がある、光学面の強化を望む声。
- 通常モデルは超広角より望遠が欲しい、という別方向の要望も根強い。
総評:技術への期待は高い一方で、日常での体感差と機構の信頼性が受容のカギ。夜景強化と堅牢性を両立できるなら評価は大きく跳ねそう。
まとめ:可変絞りは“玄人向けの確かな進歩”、Proの価値をもう一段引き上げる
今回の動きをひとことで言うと、「18世代で写真と動画の“入口”を作り直し、Proの画づくりを一段引き上げる」です。暗所・ボケ・逆光のバランスを物理で調整できる恩恵は小さくありません。とはいえ、薄型・耐久・価格の現実は厳しく、アップルの実装設計と制御アルゴリズムが最終品質を決めます。次に注目すべきは、開放/絞り値のレンジ、段階可変か連続可変か、動画時の動作あたりですね。
ではまた!