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「iPhoneカメラで別人に」と話題に なぜ顔が歪んで見えるのか

iPhoneの1倍(左)と4倍(右)で撮影された人形の顔。広角側では顔の中央が膨張して見え、望遠側では自然な印象に写っている比較写真

✅この記事では、X(旧Twitter)で拡散中の「iPhoneで1倍と4倍を比べると“まるで別人”に見える」現象を整理します。あわせて、スマホで顔を自然に写すための実践ポイントと、AI補正時代に写真と“自分”の関係をどう捉えるかを考えます。

どうも、となりです。

本日2025年11月3日に流れたポストをきっかけに、「自撮りや作品撮影で顔や形が変わって見えるのはなぜ?」という話題が再び注目されています。実はこの話、今年に始まったわけではありません。もともとは2023年7月、藤本晶子(@shoko_doll)さんがiPhone 14で撮った比較写真として投稿したもの。そこから約2年後、つきたまご(@tsukitama5)さんが引用リポストしたことで再びバズを巻き起こした、いわば“再燃型トピック”なんです。

要点まとめ:1倍と4倍で“別人級”に見えた理由

このポストの元になっているのが、以下の藤本晶子さんの投稿です。

  • 発端は、藤本晶子さんが2023年に投稿した「1倍(広角側)」と「4倍(望遠側)」の比較写真。1枚目は顔の中心が膨張して見え、2枚目は落ち着いた印象に。
  • 2025年になって、つきたまごさんが「iPhoneのカメラめちゃくちゃ歪んで顔変わる」と引用リポストし、再び拡散。
  • リプライでは「2倍で撮るのがおすすめ」「それは画角の問題」「超広角で寄ると“青鬼”っぽくなる」など、経験ベースのコメントが相次ぎました。
  • 結論から言うと、これはiPhone固有ではなく焦点距離と撮影距離の組み合わせによる見え方の違いです。

解説:広角の“膨張”、望遠の“圧縮”

スマホの1倍はおおむね24〜26mm相当の広角。近距離で撮ると、画面中心にある部分(鼻や目の間)が前に出たように見え、輪郭は外へ引っ張られます。これが広角歪みです。いっぽう、2倍や4倍の望遠側は圧縮効果で奥行きが詰まり、平面的で落ち着いた顔立ちに見えます。だから、同じ顔でも「1倍で近く」「4倍で少し離れて」撮るだけで印象が変わるわけです。

ポイントは「距離 × 画角」

  • 近距離 × 広角:中心が強調される(鼻が大きく、輪郭が広がる)。
  • 適度な距離 × 中望遠(2倍前後):顔のパーツ間バランスが自然。
  • 遠距離 × 望遠:奥行きが圧縮され、落ち着いた写り。

「iPhoneだから」ではなく、カメラ一般に起こる光学的な現象というのが要点です。

“時差バズ”が示したこと:2年たっても変わらない歪み

注目すべきは、藤本さんの投稿が2023年7月、つまりiPhone 14時代のものであることです。それが2025年になって再び拡散しているということは、Appleがカメラハードウェアやソフトウェアを進化させても、広角歪みという“物理的な特性”は残っているということ。AI補正や高画素化が進んでも、光学的な構造は簡単には変わりません。

むしろ最近では、AIが被写体の輪郭を自動で補正することで“歪みを目立たなくする”方向に進化していますが、これも万能ではありません。撮影時の距離や角度が適切でなければ、AIの補正すら自然には見えなくなるんです。

実践:スマホで“別人”にならないための撮り方

  • 2倍前後を優先:人物は中望遠寄りが安定。離れてフレーミングしましょう。詳しくはiPhone 17の“自撮り革命”の文脈も参考になります。
  • グリッドの中心に配置→あとでトリミング:周辺の歪みを避け、見せたい部分を後処理で整える現実的手法です。
  • カメラを少し引く:顔の至近距離は避ける。腕一本ぶん離すだけでも印象が変わります。
  • 目線はレンズ付近へ:上目遣い・下から煽りは形が崩れやすい。
  • 光を正面〜斜め前から:逆光や真上光は陰影が強く、パーツの見え方が誇張されがちです。
  • ポートレートの焦点距離選択:対応機なら「2×」を基本に。背景ぼかしは過度にせず自然に。初期設定の見直しはiOS 26 初期設定チェックリストの「カメラを“撮れる設定”にする」が役立ちます。

 

 

心理:鏡の私と写真の私がズレる理由

私たちは日常的に“鏡像の自分”を見慣れています。写真は第三者視点で左右も入れ替わらず、さらに瞬間の表情・光・角度・レンズ特性が重なるので、見慣れた像とズレやすい。だから写真の自分が「他人」に感じられるのは自然なことなんです。これは欠点ではなく、見え方が複数存在するという現実の側面だと受け止めたいですね。

AI補正時代:歪みを“直す”のか、“作る”のか

最近は、肌の整えや輪郭補正、視線補正など、AIが自動で“理想像”に寄せてくれます。これは便利ですが、やり過ぎると「現実にない顔」を日常化してしまう懸念もあります。大切なのは、撮影時の距離と画角で土台の歪みを減らすこと。そのうえで、軽い補正に留めると、本人らしさが保たれて安心です。

小ワザ:展示や作品撮影で失敗しないコツ

  • 撮影位置を正面〜やや離れた位置に:周囲の観覧者にも配慮しつつ、歪みを抑える。
  • 2倍固定で連写→ベストを選ぶ:ブレとまばたきを逃しやすい。
  • 被写体の中心をグリッド中央へ:端に寄せると周辺収差で形が崩れやすい。

今年のiPhone全体の撮影体験を俯瞰したい人は、各機種の所感を集めたiPhone 17 / Pro / Pro Maxレビューまとめもあわせてどうぞ。

 

 

議論の視点:写真はどこまで“現実”か

今回の話題は、「スマホが作る“別人の私”」というテーマを浮かび上がらせました。技術側の工夫(距離・画角)と人間側の認知(見慣れ・期待)が交差すると、写った自分に違和感が生まれます。AI補正はそのギャップを埋める道具にも、拡大する装置にもなり得ます。だから、まずは撮り方で整える。それが、これからの“自然な写真”の入り口だと思います。

ひとこと:中心を選ぶのは、撮る人のほう

レンズは世界を少し誇張して見せます。だからこそ、どの距離で、どの画角で、どの位置に置くかという「中心の決め方」が仕上がりを左右します。AIの補正が進んでも、最初の一手は撮る人の選択です。距離を一歩変えるだけで、写真から伝わる印象は驚くほど変わります。あなたは、どの“自分”を残しますか?

まとめ:広角の罠を知れば、写真はもっと自分らしくなる

  • “別人”に見える主因は、近距離の広角撮影による形の誇張。
  • 人物は2倍前後+少し引くが安定。中心に配置して後でトリミング。
  • AI補正は最後の微調整。撮影時の距離と画角を整えるのが近道です。

機種選びで迷っている人は、質問形式で判断材料を整理したiPhone 17シリーズ診断記事も参考になるはず。鏡、写真、動画。どれも本当で、どれも部分的です。見え方の仕組みを知れば、日常の一枚がもっと“自分らしい”記録になりますよね。

ではまた!

Source: X(Twitter)