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iPhone Air、ついに中国で発売へ──eSIM承認を経て10月22日に出荷開始

iPhone Air、ついに中国で発売へ──eSIM承認を経て10月22日に出荷開始

✅この記事では、Appleが中国市場で「iPhone Air」の発売を正式発表した最新動向を整理します。 eSIM専用設計による規制問題で遅れていた同モデルが、ついに10月17日(金)予約開始、10月22日(水)出荷開始となることが明らかになりました。

 

どうも、となりです。

iPhone 17シリーズのなかでもっとも薄く、軽く仕上げられた「iPhone Air」。 世界各国で好調なスタートを切ったものの、中国だけは例外でした。 その理由は──“物理SIMが存在しない”eSIMオンリー仕様です。 通信制度の承認を待つ形で延期されていましたが、Apple CEOティム・クックが中国SNS「Weibo」で公式発表し、ようやく現地販売が実現します。

Apple CEOティム・クックが中国SNS「Weibo」で公式発表

iPhone Airが中国で発売──10月17日予約、10月22日出荷

9to5MacとMacRumorsの報道によれば、iPhone Airの中国本土向け予約は10月17日(金)午前9時(現地時間)から始まり、 出荷は10月22日(水)にスタートします。価格は7,999元(約17万円前後)から。

タイミング的にも、Appleが10月30日に予定する次の決算発表に間に合うスケジュールです。 同社はこのタイミングで初動販売データを提示し、中国でのeSIM移行の反応を示す可能性があります。

延期の背景:eSIM専用設計が中国の通信規制に直面

iPhone Airは厚さわずか5.6mm、物理SIMスロットを完全に排除した構造です。 世界的には主流になりつつあるeSIMですが、中国では通信事業者によるプロファイル発行が政府認可制のため、販売許可まで時間がかかりました。

Appleは三大国営キャリア──中国移動通信(China Mobile)・中国電信(China Telecom)・中国聯通(China Unicom)と調整を進め、 今回ようやく正式な承認を獲得。 ただしAppleは「eSIMサポートの開始時期はキャリアによって異なる」としており、完全な普及にはもう少し時間がかかりそうです。

中国メディアの見方:eSIM商用サービス、全国で正式スタート

中国のITニュースサイト「IT之家(ITHome)」によると、中国工業情報化部(工信部)が中国電信にeSIM商用試験の正式許可を発行し、 これによりeSIM携帯事業が中国本土の31省・自治区・直轄市で同時に解禁されました。

報道によれば、中国電信は当面オンライン受付を行わず、各地の実店舗(オフライン営業所)でeSIM開通手続きを受け付ける方式を採用しています。 ユーザーは「10000」番への電話や公式アプリから来店予約を行い、店舗で本人確認を済ませて開通する流れとなります。

また、同じく中国聯通・中国移動もeSIM試験運用の認可を受けており、三大キャリアすべてがeSIM商用サービスを全国展開しました。 このタイミングでティム・クックがApple Store中国向けのライブ配信に登場し、 「iPhone Airが10月17日予約開始、22日発売」と発表──まさに中国のeSIM正式解禁と歩調を合わせた動きです。

これにより、中国での「eSIMスマホ元年」が本格的にスタートしたと言えるでしょう。

 

 

中国市場の現実:Appleの販売台数は一時Xiaomiに抜かれる

この発売遅延が、中国での販売シェアにも影響を及ぼしていました。 2025年第2四半期、中国市場ではXiaomiがAppleを販売台数で上回り、 Appleは一時的に国内シェア3位に後退しています。 背景には、iPhone Airの不在に加え、現地で主流の「デュアルSIM文化」に対応できなかったことがありました。

このため、今回のiPhone Air発売は単なる遅延解消ではなく、Appleが中国市場で再び勢いを取り戻すための“再出発”と見ることもできます。

iPhone Airの立ち位置──軽さと先進性の両立

iPhone Airは、A19 Proチップを搭載しながら重量約165g・厚さ5.6mmという極薄構造を実現。 冷却効率の高い新アルミシャーシを採用し、ベゼルもさらに細くなっています。 Proシリーズの性能を維持しつつ、持ちやすさに特化した“最も軽いPro体験”という立ち位置です。

その一方で、eSIM専用ゆえに中国のような「物理SIM依存市場」では普及に時間がかかるとも指摘されてきました。 今回の発売を機に、Appleがどのように現地キャリアと協調していくかが今後の焦点です。

eSIM時代への橋渡し──日本市場への示唆

この流れはすでに日本でも始まっています。大手キャリアがeSIMの再発行やプラン切替を改善しつつあり、iPhone AirのようなeSIM専用モデルが登場した今今後は他のラインナップにも“物理SIMレス化”が広がるとみられます。

 

 

redditの反応──eSIM解禁への期待と慎重論

海外コミュニティでは、今回の中国でのeSIM解禁をめぐって「ついに動いた」と歓迎する声が多く見られました。一方で、現地事情を踏まえた慎重な見方も目立ちます。

  • 「これまで1社しか対応していなかったのに、ついに三大キャリアがそろってeSIMをサポートする。これは大きな転換点。」
  • 「中国がeSIMを正式に認めたなら、東南アジアや韓国など周辺地域でもeSIM対応が一気に進むかもしれない。旅行者にとっても朗報。」
  • 「とはいえ、中国国内のeSIM普及は慎重だろう。技術ではなく“セキュリティ上の懸念”が最大の壁なんだ。」
  • 「海外モデルのiPhoneでは中国キャリアのeSIMプロファイルは入れられない。実際には“国内版iPhone Air限定の機能”になる可能性が高い。」
  • 「政府が管理する『ブルーステッカー番号』で識別しているから、国外端末ではeSIMが使えない仕組みになっている。」

全体としては、「歴史的な一歩ではあるけれど、完全な開放にはまだ距離がある」という冷静なトーン。eSIMが本格的に浸透するには、技術よりも制度やセキュリティ体制の整備が鍵になりそうです。

まとめ:Airが再び風を起こす

今回のiPhone Air中国発売は、Appleが通信の未来を賭けて挑んだ一歩です。 規制を乗り越えた先にあるのは、より軽く、より自由な通信体験。 そして同時に、中国市場で失った勢いを取り戻す“起点”でもあります。

「Air」はただの薄型モデルではなく、AppleがeSIM時代に踏み出す象徴──。 その再登場が、中国のスマートフォン競争地図を再び動かしそうです。

ではまた!

 

 

Source: 9to5Mac, MacRumors, IT之家