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iPad mini 8、スピーカー穴が消える?音を“振動”で鳴らす新構造

iPad mini 8イメージ

✅この記事では、iPad mini 8が“穴なし化”を見据えて振動スピーカー(サーフェス・エキサイター)を検討中という報道を手がかりに、どうやって音が出るの?音質や防水はどうなる?をやさしく整理します。

どうも、となりです。

小さい筐体に複数の穴――タブレットのデザインって、意外と「開口部との戦い」なんですよね。もしスピーカー穴が消えたら、防水もしやすく見た目もスッキリ。ただし、音の作り方がまるっと変わります。今日はその仕組みと、Appleがどこに落としどころを作るのかを、わかりやすく見ていきます。

要点まとめ

  • MacRumorsによると、次期iPad mini 8はスピーカー穴をなくす方向で検討、
    画面や筐体を振動させて音を出す振動スピーカー(エキサイター)方式の可能性。
  • この方式なら開口部が減り防水設計が有利。一方で低音やステレオ感の確保が課題。
  • Appleは過去に振動パネルの特許を出願。実装するなら複数アクチュエータで画面を“分割駆動”する設計が有力。
  • 実例はスマホやテレビで多数(例:Huaweiの受話用振動ディスプレイ、SonyのAcoustic Surface)。
    ただし多くは低音用の別スピーカー追加などハイブリッド構成。
  • うわさではOLED化A19 Pro採用とセットで2026年以降の登場見込み。

振動スピーカーの仕組み:どこが“鳴る”の?

通常のスピーカーは「振動板(ダイアフラム)」で空気を押して音を作ります。対して振動スピーカーは、エキサイターと呼ばれる小型アクチュエータをガラスや金属フレームに取り付け、その面自体を振動板として使うのがポイントです。つまり、画面や筐体が“スピーカー化”するわけです。

Appleがやるなら、iPadの広いパネルを仮想的に複数のサブパネルに分け、複数エキサイターで制御してステレオや空間表現を作るアプローチが考えやすいです。これなら、スピーカー穴が不要になり、音の出方も画面内で“位置合わせ”しやすくなります。

音質の肝:低音・ステレオ感・触れているときの減衰

  • 低音:振動スピーカーが苦手とする帯域です。多くの製品は別体のウーファーを足したり、デジタル補正(DSP)で厚みを演出します。iPad miniでも、小口径の補助ドライバ+DSPのハイブリッドが現実的。
  • ステレオ幅:「画面全体が鳴る」ため、左右に物理的な離隔をとる従来方式より広がり感が出にくい傾向。ここは複数アクチュエータ×空間オーディオ処理での演出が鍵になりそうです。
  • 手で触れる問題:手で持つと振動が吸われ、音が弱まることがあります。Appleなら持ち方検知で駆動パターンを変え、触れていない部分を優先的に鳴らすなどで対処してくるはずです。

防水設計のメリット:開口部を消すという発想

スピーカー穴は水の侵入口。振動スピーカー化で開口部を減らせば防水が設計しやすくなります。現行miniは公式の耐水等級がありませんが、穴なし化は耐水等級の土台になります(実際の等級は部材やシール設計次第)。

一方で、マイク穴は残るはずです。ここはパッキンや粘着材で守る設計に。AppleはiPhoneで蓄積があるので、iPadでも現実的な落とし所が見えていると感じます。

 

 

Appleの特許と“Appleらしい音作り”

Appleは機械的に駆動するパネル音響システムに関する特許を出願しています。サブパネル化+アクチュエータ駆動で、画面のどこから音が出ているかを制御できるなら、映像と音の位置を一致させる体験(ボーカルが中央、効果音が視点に追随など)が作りやすい。ここに空間オーディオダイナミックヘッドトラッキング系のノウハウを絡めれば、小さくても“包まれる音”に持っていけます。

iPad mini 8の文脈:OLED化とA19 Proの相性

うわさのOLED化は、薄型・軽量化やコントラスト向上だけでなく、画面自体を鳴らす発想とも親和性があります。さらにA19 Proクラスの信号処理なら、マルチバンドの位相・遅延制御持ち方検知×補正まで踏み込みやすい。DSPの“余裕”があると、小型筐体でも音の説得力を引き上げられるんです。

私も以前から、mini系は軽さと防水で“どこでも連れ出せる道具”に振るべきだと書いてきました。OLED+A19 Pro+防水の線が濃くなると、ようやくその理想に近づきますよね。

実例から学ぶ:何が上手くいき、何が課題だった?

  • Huawei:受話部分を画面で鳴らす方式を採用。通話には良好でも、音楽鑑賞は下部スピーカー頼みでステレオ感に物足りなさ。
  • LGのテレビ:画面を鳴らして定位の良さが高評価。一方で低音はサポートスピーカーを併用。
  • Sonyのテレビ:複数アクチュエータで画面内の音の位置合わせを実現。レビューでも没入感が好評。

ここから分かるのは、「低音は別体で補う」「複数アクチュエータで定位を作る」が成功パターンということ。Appleも同じ道筋で、“見た目は穴なし、耳には立体的”を狙ってくるはずです。

日本向けの注意点:仕様差と使い勝手

  • 耐水等級:日本独自の表記はありませんが、国際的なIP等級で語られるのが通例。充電端子周りなども含めた総合設計が重要です。
  • ケース選び:画面や筐体を面で鳴らすため、一体型の分厚いケース音の減衰定位崩れにつながる可能性。吸音しにくい素材開口設計の工夫が相性良さそうです。
  • 既報との整合:当ブログではこれまで、「miniの防水化とOLEDの関係」や、「iPad全体のOLED移行」「A19 Pro採用説」「2026年投入の時期感」を追ってきました。今回の「穴なし化」もうまく繋がる流れです。

ひとこと:これは“音のショートカット”かもしれない

多くの人は「穴がない=音が悪くなる」と感じると思います。でも逆に、音の“出どころ”を画面に合わせ込めるなら、動画の口元から声が出るような、ちょっとワクワクする体験が作れます。低音は別体で足せばいい。大事なのは、小さくても空間を感じること。Appleが得意な「体験の整え方」に、すごく相性がいいと感じています。

まとめ:穴が消えても、“音”は消さない

振動スピーカーは、防水とデザインの大義を満たしつつ、音の定位と没入感を作れる技術です。課題の低音はハイブリッド構成+DSPで解き、ステレオ感は複数アクチュエータ×空間処理で補う。もしiPad mini 8がこの道を選ぶなら、小さくても“映画館っぽい”体験に一歩近づくはず。あなたは、穴なしのmini、歓迎しますか?

ではまた!

 

 

Source: MacRumors, Bloomberg, Sony, Huawei, LG