となりずむ

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iOS 27 Beta 2、Siri AIがURL要約を明確に拒否。SafariはOKな線引きとは

黒い角丸アイコンの中に白く光るリング状のSiriの新アイコンが描かれ、淡いベージュ系のなめらかな曲線を背景に中央へ置かれている

✅この記事では、iOS 27 Beta 2でSiri AIに加わった「URLの要約を断る」新ルールと、SafariではAI要約が使える理由を整理します。

どうも、となりです。

リンクをコピーして、Siriに「これ要約して」とお願いする。そんな使い方を試したことのある人ほど、最近のSiri AIの返事に少し戸惑うかもしれません。iOS 27の開発者向けBeta 2で、AppleはSiri AIに「URLの先にある中身は読めない」と、はっきり断らせるルールを足しました。

おもしろいのは、これで新しくできなくなった機能が一つもない、というところです。もともと無理だったことを、わざわざ「無理です」と言わせる。なぜそんな変更をしたのか、というのが今日の話の中心です。

要点まとめ:Siri AIのURL要約はどう変わったか

  • Siri AIのシステムプロンプト(AIの土台になる指示書)に、URLを渡して要約・読み取り・抽出を頼まれたら「Webページにはアクセスできない」と断り、回避策も出さないよう指示する一節が追加されました
  • Siri AIはもともとURLの先を読めませんでした。今回は能力を削る変更ではなく、「できないとはっきり言わせ、取り繕わせない」明文化です
  • SafariのApple Intelligenceによる要約は、自分でそのページを開いて表示している時だけ使えます。URLを横から渡す形は対象外です
  • Appleは理由を明言していません。9to5Macは、他社AIのように元ページへ送らず中身だけ要約する流れ=Webが立ち行かなくなる動きを避ける狙いかもしれない、と推測しています
ポイントは、新しく禁止された機能が何もないことです。もともと届かなかったURL越しの要約を、はっきり断らせるだけ。それでもわざわざ足した背景に、AIの要約とサイト運営者の取り分、そしてセキュリティという二つの見方が出ています。

 

「リンクを渡して要約して」に、はっきり「できません」と返す

今回見つかったのは、Siri AIのシステムプロンプトに加わった一節です。9to5Macがそのテキストを伝えています。原文はこうです。

「You cannot access content behind a URL: When a user provides a URL and asks you to summarize, read, or extract information from it, inform them that you cannot access web pages. Do not offer follow-up suggestions or workarounds.」

かみくだくと、「URLの先にある中身にはアクセスできない。ユーザーがURLを渡して要約・読み取り・抽出を頼んできたら、Webページにはアクセスできないと伝えること。回避策や次の提案は出すな」という指示です。「こうすれば読めるかも」と代わりの手を差し出すことまで、はっきり禁じているのが目を引きます。

ここで押さえておきたいのは、Siri AIはもともとURLの先を読めなかったことです。今回の変更で何かができなくなったわけではありません。できないことを、できないと明言させ、中途半端にごまかさせない——いわば言い方のルールを足した、という話です。Siri AIがそもそも何をできて何ができないのかは、iOS 27のSiri AIで変わること・できないことで整理しています。

ちなみにこのBeta 2では、Apple WalletのInsights(インサイト)や、キーボードのWrite with Siri(Siriで書く)といった目に見える新機能も入りました。そちらはiOS 27 Beta 2でiPhoneに増えた新機能にまとめています。今回のURLの話は、そうした派手な追加とは逆の、奥のほうの静かな変更です。

SiriはダメでSafariはいい。分かれ目は「自分でページを開いているか」

ここで間違えやすいのは、AppleがAIによる要約そのものを禁じたわけではない点です。SafariにはApple Intelligenceを使った要約機能があり、こちらは今も使えます。ただし条件があって、自分でそのWebページを開いて表示している時だけです。AIがタブ整理やページ要約まで手伝うSafariの新機能は、iOS 27のSafari新機能まとめで触れています。

つまり分かれ目は、中身を要約するかどうかではなく、使う人が自分でそのページに来ているかどうかにあります。Safariで記事を開いて「要約して」はOK。Siriにリンクだけ渡して「中身を教えて」はNG。同じ「要約」でも、ページを訪れているか、横から中身だけ抜き出そうとしているかで、扱いが分かれます。

この差は、使う側からすると最初は不思議に見えます。どちらも結局はAIがページを読んで要約するだけに思えるからです。なぜそこを分けるのか——ここがこの変更のいちばんの読みどころです。

Appleはなぜ断らせるのか。収益とセキュリティ、二つの見方

Apple自身は理由を説明していません。9to5Macは一つの推測として、他社のAIチャットボットのように、ユーザーを元のページへ送らないまま中身だけ引き出して要約する——そういう流れにSiriを乗せないため、と書いています。AIがどんどん要約を返すと、人がサイトを訪れなくなり、Webそのものが立ち行かなくなる。その動きから距離を取りたいのかもしれない、という理屈です。

ここからは予想ですが、その先には二つの読み方があります。

一つは、サイト運営者の取り分です。Safariでページを自分で開けば、その表示はそのサイトのアクセスや広告として数えられます。ところがSiriにURLを渡して中身だけ要約させると、人は元のページを一度も開きません。運営者には何も入らないわけです。AIの要約がサイトのアクセスや広告収入を奪う、という議論はここ数年ずっと続いています。Appleのこの区別は、Siriをその構図に乗せない方向に見えます。

もう一つは、セキュリティです。URLの先を読みに行くというのは、知らないページの中身をそのままSiriに渡すこと。そこに悪意ある指示を仕込めば、プロンプトインジェクション(AIへの指示文に不正な命令を紛れ込ませる攻撃)の入口になりかねません。「回避策も出すな」とまで念を押すのは、その抜け道を一つも作らせない、という方向と無理なくつながります。実際、同じBeta 2では、macOS側でSiri AIの待機リスト回避コマンドが封鎖された例もあって、AppleがこのベータでSiri AIの「抜け道」を一つずつ塞いでいるのは確かです。

ただ、いちばん素直に読むなら、もともとできないことを、できないとハッキリ言わせているだけとも取れます。「読めませんが、こうすれば…」と当てにならない代替案を出して外すより、できませんと一言で返したほうが、体験としてはむしろ正直です。収益やセキュリティまで見据えた戦略なのか、ただの言い方の整理なのか、現時点では決めつけられません。

海外の反応:AIの要約は、サイトの取り分をどう変えるか

今回の変更そのものへの反応はまだ多くありません。なので、この変更が触れている二つの論点——「AIの要約とサイト運営者の取り分」、そして「AIにURLを読ませることの危うさ」——をめぐる、前から続く議論のほうから声を拾いました。

In a way this is also a renewal of an older pre-LLM tension, a disturbance in the informal equilibrium between summarizing (and pointing-to) someone else's page versus supplanting it. On one hand, the publisher has an interest in ensuring any summaries that appear don't ruin the purpose of getting visitors, and on the other hand the search engine has an interest in ensuring some floor of accuracy.

ある意味これは、LLM以前からある古い緊張関係の蒸し返しだ。他人のページを要約して案内することと、そのページを置き換えてしまうこととのあいだにあった、暗黙のバランスが崩れている。一方でサイト運営者は、表示される要約が「訪れてもらう」という目的を台無しにしないことを望むし、他方で検索エンジンは、ある程度の正確さの下限を保ちたい。

Terr_ / Hacker News(2025年2月25日)

要約と置き換えは紙一重、というわけです。Appleが「ページを自分で開けば要約していい」と区切るのは、この「訪れてもらう目的を壊さない」側に寄せた、と読むと筋が通ります。

Sounds like what google wants is for you to never leave google. Don't go to a website, just get your result directly on google, or worst case one of googles fully owned subsidiaries like youtube or maps or flights.

要するにGoogleは、あなたにGoogleから一歩も出てほしくないんだろう。サイトには行かせず、結果はGoogle上で直接渡す。せいぜいYouTubeやマップ、フライトみたいな、Google完全子会社のなかで完結させる。

BizarroLand / Hacker News(2025年6月10日)

これはGoogleへの皮肉ですが、裏返すと、Appleがやりたくないのはまさにこれだと分かります。Siriが中身だけ抜き出して、人が元のサイトに一度も来ない、という形です。

The basic problem here for Apple is that LLMs will never actually be able to avoid prompt injection issues, and the entire "personal awareness" set of functionality they're trying to make uses LLMs. Unless somebody at Apple invents a new state of the art, it's not going to happen.

Appleにとっての根本的な問題は、LLMがプロンプトインジェクションの問題を本当の意味で避けられないことだ。そしてAppleが作ろうとしている「パーソナルな文脈理解」の機能群は、まるごとLLMの上に乗っている。Appleの誰かが新しい最先端を発明しない限り、それは実現しない。

crooked-v / Hacker News(2025年3月16日)

こちらはセキュリティ側の本音です。知らないURLの中身をSiriに読ませること自体が攻撃の入口になりうる以上、そもそも読みに行かせない、という割り切りには理屈が通っています。

How long before publishers start asking for royalties?

サイト運営者が使用料を求め始めるまで、あとどれくらいだろう?

tmaly / Hacker News(2025年6月10日)

一歩先を見た一言です。要約する側とされる側のバランスが崩れれば、いずれお金の話になる。Appleのこの判断は、その火種を自分のところで大きくしない選択にも見えます。

ひとこと:「できない」をはっきり言わせる設計

いちばん感心したのは、新しく禁じた機能が一つもないのに、わざわざルールを書き足したところです。AIに曖昧な代替案を出させて取り繕うより、できないことは「できません」と一言で返す。遠回りに思えて、これが結局いちばん信用される返し方だと思います。優秀そうに振る舞わせないことを、あえて指示で固めにいった——その判断のほうに、AppleがSiriに何を背負わせたくないかが出ている気がします。

まとめ:新ルールの正体と、これから見えてくること

今回の変更は、Siri AIにできることを減らすものではありません。もともと届かなかったURLの先を、はっきり「届かない」と言わせ、Safariで自分のページを開いた時だけ要約を許す。その線の引き方そのものに、AppleがAIとWebの関係をどう見ているかが表れています。

それが運営者の収益への配慮なのか、セキュリティ上の割り切りなのか、それとも単なる言い方の整理なのか。Apple自身が口を開くか、ChatGPTのような外部AIとの連携でSiriがどう振る舞うかを見れば、この区別の意味はもう少しはっきりしてくるはずです。

ではまた!

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Source:9to5MacHacker News①Hacker News②Hacker News③Hacker News④