
✅ この記事では、Bloomberg経由で報じられた「18インチ級の折りたたみiPad」の最新動向を、価格・重量・表示技術の3つの視点から整理します。発売時期の見通しや、既存のiPad/Macとの関係、さらに「折りたたみiPhone」との違いについても詳しく解説します。
- 最新動向:発売は2029年以降へ、価格は約$3,000〜$3,900のレンジ
- 性能・仕組み:ヒンジ周りと“折り目(クリース)”低減、重量は約1.6kg級が課題
- 価格の物語:iPad Proの最大3倍、でも“Mac級の道具”という見方も
- 技術背景:なぜ大画面の折りたたみは難しいのか
- 使いみちの想像図:クリエイティブと“持ち運ぶマルチ画面”体験
- iPhoneとの関係:先に来るのはポケット側?それとも画面側?
- まとめ:“でか画面の未来”は来る。けれど、いまはまだ準備の途中。
どうも、となりです。
ここ数年、“Apple初の折りたたみ”は何度も話題に上がってきましたよね。今回はその中でも「折りたたみiPad」。報道を一言でまとめると、開発は続いているけれど、重さ・価格・ディスプレイ技術の3点がボトルネック。結果、発売は早くても2029年以降に延びるかもしれない、というトーンです。たしかに肩すかし感はあります。でも理由を見ていくと納得なんです。
この記事を読むとわかること:
- 「18インチ級・折りたたみiPad」の仕様イメージと、直近のスケジュール観
- なぜ“重さ・価格・表示技術”がネックになるのか(技術背景)
- iPad/Mac/折りたたみiPhoneとの位置づけ関係と、私たちの選び方のヒント
最新動向:発売は2029年以降へ、価格は約$3,000〜$3,900のレンジ
Bloombergのレポートをもとに、9to5MacとMacRumorsが伝えるところでは、18インチ前後の大画面を折りたためるiPadをAppleが開発中。ただし、当初めざしていた2028年から2029年以降に後ろ倒しになる可能性が出ています。価格感は$3,000(約45万円)前後、場合によっては$3,900(約59万円)まで上がる見立ても。ここは部材価格と歩留まり(品質の安定度)に大きく左右される部分ですね。9to5Mac/MacRumors
フォームファクターの説明も興味深いです。閉じた時は外部ディスプレイなし、開くと13インチのノートPCに近いサイズ感で、キーボードもトラックパッドも表示面が兼ねる作り。言い換えると「MacBookっぽく見えるけれど、実体は1枚の大きな有機ELパネル」というイメージです。
性能・仕組み:ヒンジ周りと“折り目(クリース)”低減、重量は約1.6kg級が課題
ディスプレイはSamsung Displayと協業で、折り目の見え方(クリース)を極力目立たなくするアプローチが取られているとのこと。これは、うわさされる「折りたたみiPhone」にも共通する技術の方向性だそうです。折り目を目立たなくするには、材料・層構成・張力のバランス調整が肝で、パネルとヒンジの“曲げ半径”をどこまで緩やかに保てるかが勝負どころ。
ちなみに、ディスプレイ供給網の面では、LG DisplayがiPhone 18向けにLTPO3対応の増産投資を進めていることも注目されています。AppleはSamsungとLGの両社で、次世代OLEDの開発体制を強化しており、この折りたたみiPadにもその成果が活かされる可能性があります。
そして一番生活感に直結するのが重量。試作機レベルでは約3.5ポンド(約1.6kg)と言われ、これは現行のiPad Pro(1〜1.3ポンド台=約450〜600g)の2.5〜3倍。大判のOLEDを頑丈に守るアルミ筐体、広い面積のタッチパネル、ヒンジの補強など、全部を積むと、まだ“iPadらしい軽快さ”には届かないんですね。ここで一度整理しておきましょう──
「軽さを誇る時代から、“存在感の薄さ”を競う時代へ。」
折りたたみの真価は、使わない時にどれだけ存在感を消せるかにもあります。広げれば大画面、畳めば棚やバッグにスッと消える。けれど、重さが残ると“消え方”が鈍る。いまは、そのギャップをどう埋めるかのフェーズなんですよね。
価格の物語:iPad Proの最大3倍、でも“Mac級の道具”という見方も
現行の13インチiPad Pro(OLED世代)は米国で$1,299〜。報道の$3,000〜$3,900(約45万円〜59万円)というレンジは、単純計算で2.3〜3倍。一方で、開いた時の画面サイズ、表示品質、そして“ノートPCライクな作業面”が得られることを考えると、高級なMacBook Proに近い価格帯と捉える見方もありそうです。重さもMac寄り。つまり、「iPadの延長というより、“画面がすべて”の新種のMac的デバイス」と考えるほうが腑に落ちるのかもしれません。
ちなみに、折りたたみiPhoneのほうは2026年がターゲットという見立てもありますが、こちらも部材や設計の難易度次第で前後する可能性はあります。折りたたみiPhoneの時間軸や噂の揺れ幅は、以前まとめたこちらにも流れを置いています:折りたたみiPhoneの時期整理
技術背景:なぜ大画面の折りたたみは難しいのか
理由はシンプルで、“面積が大きくなるほど”難題が一気に増えるから。OLEDは薄くしなやかですが、18インチ級となると、わずかな反り・応力集中が視認できる“しわ”や色ムラの原因になりやすい。さらにタッチセンサー層、偏光板、保護層、そしてヒンジの機械強度をバランスさせる必要があります。
製造面でも、巨大な可撓(かとう)OLEDは歩留まりが下がりがち。結果、コストが跳ねやすい。ヒンジも「薄型・軽量・高耐久」を同時に満たすのが難しく、1mm単位のパーツと材料選定が製品寿命を左右します。これらが積み重なって、重量と価格に素直に乗ってくる、という構図です。
使いみちの想像図:クリエイティブと“持ち運ぶマルチ画面”体験
では、実際に手元に来たら何が変わるでしょう。個人的には、開けば大型キャンバス、半開きなら“下は操作、上は表示”のモードが気持ちよく切り替わると、動画編集やイラスト、DAW(音楽制作)に合いそうだと感じています。外付けキーボードやペンとの相性次第で、「置くか、持つか、膝上か」を行き来する柔軟さが出てくるはず。ここは実機の厚み・重さ・発熱との綱引きですね。
一息置いて現実に戻ると、いまは“薄くて速いiPad Pro+周辺機器”のほうが軽快というシーンがまだ多いはず。だからこそ、Appleは“折りたたみならでは”を時間をかけて磨いているのだと思います。
iPhoneとの関係:先に来るのはポケット側?それとも画面側?
時系列の見立てでは、折りたたみiPhoneが先行(〜2026年)、折りたたみiPadはさらに後ろ(2029年以降)という流れが今のところ濃厚。iPhone側は日常での開閉回数が多く、ヒンジ・表示の耐久性に一段と厳しい要件が課されますが、画面サイズが小さいぶん量産ハードルはまだ下げやすい。一方、iPadは“大画面×可撓OLED”という難題を攻略するまで、もう少し時間がかかる、という見方です。
まとめ:“でか画面の未来”は来る。けれど、いまはまだ準備の途中。
今回の動きをひとことで言うと、「折りたためる大画面は、技術的にもビジネス的にも“最後の一押し”を探っている段階」。次に注目すべきは、重量の削減策(筐体・ヒンジ・材料)と、ディスプレイの歩留まり改善。ここが前進すれば、価格と発売時期の読みも現実味を帯びてきます。
スペックの話だけでなく、“どう感じるか”も大切ですよね。机に広げた瞬間、作りたい気持ちが勝手に湧いてくる──そんな道具なら、少し重くても、少し高くても、選ぶ理由になっていくのかもしれません。そんな未来、ちょっと楽しみです。
ではまた!
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