
✅ この記事では、2025年10月時点のAppleの特許・研究・規制・サプライチェーン動向をまとめて解説します。M5チップの開発ロードマップ、生成AIの最新研究、そして「折りたたみiPhone以後」に見えてきた新しい方向性を整理しました。
- 特許ウォッチ──「空間ジェスチャー」でVision ProとiPhoneが近づく?
- 研究ウォッチ──AIは“考える相棒”へ
- 規制ウォッチ──EUとApple、AIをめぐる“哲学の違い”
- サプライチェーン──M5は年内“端緒”、主力は2026年/折りたたみはSamsung主導へ
- まとめ──“形”から“知能”へ、Appleの次の一歩
どうも、となりです。
秋の主要製品が出そろいつつある今、Appleはすでに次の年に向けて水面下で大きな準備を進めています。 今回のキーワードは「M5」と「AI」。 ハードウェアでは次世代チップ、ソフトウェアではApple Intelligenceが本格化。 この記事を読むと、Appleが2026年にどんな形で“知能を持つMacとiPhone”を実現しようとしているのかが見えてきます。
特許ウォッチ──「空間ジェスチャー」でVision ProとiPhoneが近づく?
米国特許商標庁(USPTO)の公開資料によると、Appleは最近、ディスプレイ下に埋め込まれた動作センサー技術の特許を申請しています。 これは、画面に触れずに“空中で指を動かすだけで操作できる”というもの。 つまり、Vision Proで実現している「空間ジェスチャー」を、iPhoneやMacにも応用しようとしている可能性があります。
さらに、日本のJ-PlatPatデータベースでは、Apple関連の出願として「多層セラミック基板を使った冷却モジュール」に関する特許が確認されています。 これはM5チップ搭載MacBookシリーズなどで、発熱をより効率的に逃がす仕組みに使われるかもしれません。 静かで冷たい──Appleらしい方向性ですよね。
こうした特許群から見えてくるのは、「形よりも体験」に軸足を置く姿勢。 折りたたみスマホの次は、“触れずに操作するデバイス”がキーワードになるのかもしれません。
研究ウォッチ──AIは“考える相棒”へ
Appleのリサーチ部門は、ここ数年でAI関連の論文を多数発表しています。 特に注目されているのが、「オンデバイス(端末内)で動作する生成AI」。 クラウドではなく、手元のiPhoneやMacの中で軽量モデルを動かし、個人データを外に出さずに自然な対話を実現する技術です。
これはまさに、Apple Intelligenceの理想型。 プライバシーを守りながらAIを活用する──Appleがずっと掲げてきたビジョンに直結しています。
また、学会発表ではLiDARや環境音、心拍データを組み合わせてユーザーの感情やコンディションを推定する研究も進行中です。 Apple WatchやAirPodsが「今の気分やストレス状態を理解してサポートしてくれる」時代が、そう遠くない未来に来そうです。 AIが人を置き換えるのではなく、“一緒に考える相棒”になっていく──AppleのAI研究は、そんな方向に進んでいる印象です。
規制ウォッチ──EUとApple、AIをめぐる“哲学の違い”
Reutersの報道によると、Appleは欧州委員会に対し、Digital Markets Act(DMA)のAIアシスタント関連条項について意見を提出しました。 議論の焦点は「AIの相互運用(インターオペラビリティ)」をどこまで義務づけるか。 GoogleやMicrosoftのようにAIを“開く”方向に進む企業と違い、Appleはユーザーデータを“守る”設計思想を重視しています。
つまり、Appleは「AIを開く自由」よりも「AIを閉じる安心」を選んでいる。 このあたりの哲学的な違いが、今後の欧州市場でのAI実装戦略に影響していきそうです。
サプライチェーン──M5は年内“端緒”、主力は2026年/折りたたみはSamsung主導へ
次世代Mac用チップ「M5」は、TSMCの改良型3nmプロセス(N3E)を採用し、 まずは14インチMacBook Proで年内の一部投入が見込まれています。 ただし、MacRumorsのまとめによると、主力モデルの更新は2026年前半が本線。 M5 Pro/M5 Maxの投入は、やや先送りになる見方が有力です。
折りたたみiPhoneに関しては、DigiTimesの報道で、Samsung Display(SDC)が主要なOLEDパネルサプライヤーになる見通しとされています。 UTG(超薄型ガラス)やヒンジ部分は引き続き改良が進められており、「2枚のiPhone Airをつなげたような構造」と噂されるデザインの完成度が高まっている段階です。
さらにFoxconnは、AIアクセラレータ向けの組立ライン拡張を進めています。 これは、Apple IntelligenceとM5チップを“ハード+ソフト一体”で展開する準備と見られます。 2026年のMacは、性能だけでなく「考える力」を持ったハードに進化するのかもしれません。
まとめ──“形”から“知能”へ、Appleの次の一歩
今回の動きをまとめると、Appleは明らかに「形の進化」から「知能の進化」へと舵を切っています。 M5チップはその象徴。 AIがすべてのデバイスに自然に溶け込み、ハードウェアとソフトウェアの境界がどんどんなくなっていく。
つまり、2026年には「Macが学び、iPhoneが考え、AirPodsが感じる」。 そんな世界が現実味を帯びてきました。 Appleの次の挑戦は、“賢くなるハードウェア”ってわけです。
ではまた!