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Appleを理解して翻訳する。それが「となりずむ」

欧州iPhoneシェア27%で過去最高。市場縮小の中でAppleが成長した理由

左から順に、3眼カメラを搭載したゴールドのiPhone Proモデル、垂直に並ぶ2眼カメラのブルーのiPhoneモデル、単眼カメラのホワイトのiPhone SEモデルが並ぶ背面デザイン

✅この記事では、Appleが2025年のヨーロッパでiPhone出荷3,690万台・市場シェア27%という「過去最高」を記録した背景を、数字と規制の文脈から追います。

市場全体が1%縮む中で、なぜAppleだけが6%伸びたのか。そこに「USB-C義務化」がどう絡んだのかが焦点です。

どうも、となりです。

スマホ市場って、成長が止まると一気に“取り合い”になりますよね。伸びる人がいるなら、どこかが押し出される。

今回のヨーロッパはまさにそれで、全体は微減なのに、Appleは記録更新。数字だけ見ると派手ですが、背景には「規制」と「ラインナップの刺さり方」があります。

要点まとめ:規制が“買い替えの導線”を作った

Omdiaの調査によると、2025年のヨーロッパ(ロシア除く)スマホ市場は1億3,420万台で前年比1%減でした。ですがAppleはiPhone出荷3,690万台(前年比6%増)で、市場シェア27%の過去最高を記録しています。

伸びた理由として挙げられているのが、主に「iPhone 16」「iPhone 16 / iPhone 17のPro Max」「より手頃なiPhone 16e」です。

  • Apple:iPhone出荷3,690万台(前年比6%増)、シェア27%でヨーロッパ過去最高
  • 市場全体:1億3,420万台(前年比1%減)。需要の軟化とエコデザイン要件・USB-C義務化など新規制が重荷
  • Samsung:4,660万台で首位維持
  • Xiaomi:2,180万台で3位、シェア16%
  • HONOR:ヨーロッパのトップ5に初めてランクイン
つまり、まずは(起)市場全体が1%縮む中でもAppleは出荷3,690万台で伸び(承)次にシェア27%という過去最高を積み上げ(転)その裏でUSB-C義務化を含む規制が旧モデルの入れ替えを促し(結)だからこそ“需要が弱い局面ほどルール変更が勝敗を動かす”という見方が浮かびます

2014年から2025年までの欧州(ロシア除く)スマートフォン出荷台数の推移を示す棒グラフと、前年比成長率の折れ線グラフ。2025年は出荷台数が前年比1%減。単位は百万台。出典:Omdia

図:欧州スマートフォン市場の出荷台数と前年比成長率(2014–2025年)。2025年は前年比-1%と微減だが、4Q25は回復傾向を示している(Omdia)

詳細解説:なぜ「1%減の市場」で6%伸びたのか

MacRumorsが紹介したOmdiaの調査では、ヨーロッパ市場の下押し要因として「需要の軟化」に加えて、エコデザイン要件とUSB-Cポート義務化を含む新規制が挙げられています。ここは、単に“景気が悪い”だけでなく「売り場に並ぶ条件」そのものが変わった年、という整理ができます。

この「エコデザイン要件」を含む規制環境は欧州の特殊要因なので、同じ伸び方がグローバル全域でそのまま再現される、とまでは言い切れません。

Apple側の牽引役として名指しされているのは、iPhone 16、そしてiPhone 16とiPhone 17のPro Max、さらに手頃なiPhone 16eです。ハイエンド(Pro Max)と手頃(16e)を同時に挙げているのがポイントで、価格帯を一本に絞らず“出口”を複数作った形です。

時間軸で見ると、iPhone 16は年間を通じた主力で、iPhone 17のPro Maxは年後半の投入分が上乗せになった、という構図になります。Omdiaの4Q25データでも、Appleは13.4百万台・シェア34%と、前年4Qの12.7百万台・33%から伸びています。

ヨーロッパ(ロシア除く)のスマートフォン出荷台数トップ10機種を、2024年と2025年で比較した横棒グラフ。2025年はGalaxy A56 5Gが最多で、iPhone 16が2位。iPhone 17 Pro Max、iPhone 16 Pro Max、iPhone 16e、iPhone 17 Pro、iPhone 16 Proも上位に入り、SamsungのGalaxy A16/A36 5GやGalaxy S25 Ultraもランクインしている(出典:Omdia)

図:欧州(ロシア除く)で出荷されたスマホ上位10機種の推移(2024→2025)。2025年はGalaxy A56 5GとiPhone 16が上位を占め、iPhoneのPro系(16/17)と16eが複数ランクインしている(Omdia)

iPhone 16の売れ方(無印が強い年なのか、Proが強い年なのか)を掘るなら、この話題は「iPhone 16が世界1位」という別の文脈ともつながります。iPhone 16が世界1位も、17の「Pro超え」が市場を激変?無印120Hz化の衝撃

もう一つ、規制が直接効いている(とOmdiaが示唆している)のがiPhone 16eです。新規制で段階的に淘汰される「旧来の非USB-Cモデル」からの需要シフトを、特に16eが吸収した、とされています。

Omdiaはその背景として、USB-C規制によりiPhone 14以前のモデルが2024年後半に販売終了となり、その置き換えとして16eが出荷上位に入った、という意図で説明しています。

ここで注意したいのは、iPhone 16eについて「具体的な価格」「仕様詳細」「モデル別の出荷内訳」といった定量の裏取りが、今回の調査範囲では提示されていない点です。だから結論は“16eが伸びた”ではなく、「旧モデルの出口が狭くなる局面で、受け皿として挙げられている」までに留めるのが安全です。

16eの立ち位置(上位と何が違って、どこが割り切りなのか)は、比較の軸を持っておくと判断が早くなります。iPhone 17 vs iPhone 16e|3万円の差額は払う価値ある?

注目したいポイント:規制は“逆風”ではなく「市場の並べ替え」

「USB-C義務化はAppleに不利」という直感は、Lightning比率が高かった時代なら自然です。でも実際には、iPhoneはすでにUSB-Cへ移行していて、2025年のヨーロッパでは“旧モデルの延命”が難しくなります。

このとき勝敗を分けるのは、技術そのものより「買い替えの出口」が用意されているかです。Omdiaが16eを名指ししたのは、まさにそこを示しているように見えます。市場が微減でも、ルールが変わると需要の流れが変わる。その流れに“刺さる受け皿”がある側が拾っていく、という構図です。

エコデザイン要件は、スマホ本体だけでなく、環境ラベルや表記のあり方にも波及していきます。規制の空気感を掴むなら、この話題も近いです。Apple WatchとM4 Mac miniから「カーボンニュートラル」表記が消えた理由──EU規制と“オフセット頼み”の限界

そしてもう一つの地殻変動が、HONORのトップ5入りです。Xiaomiが3位を維持する一方で、トップ5の顔ぶれが変わるのは「中価格帯の圧力が強い」サインでもあります。Samsungが首位を守りつつも伸びが止まっている点は、Appleと中国勢に上下から挟まれている可能性を感じさせます。

2025年の欧州(ロシア除く)スマートフォン出荷シェアを示すドーナツグラフ。Samsungが35%で首位、Appleが27%で2位、Xiaomiが16%、Motorolaが6%、HONORが3%、Othersが13%。中央には市場全体が前年比-1%と表示(出典:Omdia)

図:2025年の欧州スマートフォン市場シェア(出荷ベース)。市場全体は前年比1%減少する中、Samsung 35%、Apple 27%、Xiaomi 16%が主要シェアを占める(Omdia)

Redditの反応:ボイコットの空気と“代替のなさ”が交錯

今回の話題は「Appleが伸びた」という数字の驚きだけでなく、ヨーロッパの中で“選択肢があるようでない”という空気も一緒に語られていました。議論の軸は大きく3つで、①政治的なボイコットの実効性、②価格帯が違うのにシェアで迫る違和感、③ヨーロッパ発の有力な代替が見えない現実、です。

「ボイコットがあっても伸びるのは意外」

政治的な空気があるのに、Appleが6%伸びてSamsungが停滞した点に驚く声です。感情と購買行動が必ずしも一致しない、という温度が出ています。

「高級車と大衆車がシェアで肉薄する違和感」

平均販売価格の差を踏まえると、AppleがSamsungに迫るのは“同じ土俵の争いじゃないのに迫ってくる”感覚がある、という見立てです。

「不便にならない範囲でしかボイコットは続かない」

別の選択肢が十分でないと、思想より日常の利便が優先される、という声です。ここは「代替の質」が議論の根っこになっています。

「シェアの上下はもっと大きく動く、冷静に見よう」

スマホ市場は変動が激しく、±10%規模で揺れることもある、という指摘です。単年の伸びを“構造変化”と断定するのは早い、という温度ですね。

「ヨーロッパに強い代替がない」

結局Androidでも米国・中国の選択になるなら、Appleを選ぶのは“より悪くない”という判断になりやすい、という声です。産業の空白そのものを嘆く温度も混ざっていました。

となりの見方:Appleの6%成長を“規制特需”と見るか“構造的なシェア奪取”と見るかは、次の年に「旧モデル淘汰の反動が落ち着いても伸びるか」で評価が分かれそうです。もし伸びが止まるなら入れ替え需要の色が濃く、伸び続けるならラインナップの当て方が変わった、という判断に近づきます。

ひとこと:規制は「勝ち負け」を決めるより“逃げ道”を消す

USB-C義務化って、正面から見ると「縛り」なんですが、実態は“古い選択肢をじわじわ閉じていく”力のほうが強い気がします。だからこそ、勝つ側は強くなるというより、負ける側が負けやすくなる。Appleが伸びたのも、すごい新機能で市場をこじ開けたというより、買い替えの出口(16eとPro Max)を用意して、流れが来たときに取りこぼさなかった、という話に見えます。

まとめ:Appleの“記録”は、規制の年に強い

2025年のヨーロッパでは、市場全体が1%減る中で、AppleがiPhone出荷3,690万台・シェア27%の過去最高を記録しました。Samsungは4,660万台で首位を維持し、Xiaomiは3位(2,180万台・16%)を守りつつ、HONORが初のトップ5入り。勢力図が少し動いた年です。

もし「旧モデルの淘汰が進む年ほどAppleが強い」という傾向が続くなら、今後も規制が入るたびにAppleが伸びやすくなります。一方で、入れ替え需要が一巡した後も伸びるかどうかは別問題で、そこは次の数字を待って判断したいところです。

ただし、規制対応に伴う買い替えが需要の中心になっていた場合は一過性で終わる可能性もあるので、次年度以降の持続性は慎重に見たいところです。

ではまた!

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Source: MacRumors, Omdia