
✅この記事では、Appleが製品の値上げを受けて中国CXMT製メモリの採用許可を米政権に求めている件と、その背景にあるメモリ不足について整理します。
- 要点まとめ:Appleが中国製メモリを求める動きで分かっていること
- 何が報じられたのか
- なぜ、わざわざ警戒される相手なのか
- 上げた値段は、戻るのか
- 海外の反応:中国製メモリを使うことへの賛否
- ひとこと:値段の話の裏で、調達先まで揺れている
- まとめ:メモリの一点が、値段と取引先を同時に動かしている
どうも、となりです。
「Macが、なんだか急に高くなってる」。ここ数日、そう感じた人がいるかもしれません。AppleはMacやiPadなど複数の製品を値上げしたばかりで、その理由としてメモリの価格高騰が挙がっています。
そこへ重なるように、もう一段ややこしい話が出てきました。Appleが米政府に「中国製のメモリを買わせてほしい」と掛け合っている、というのです。しかも相手は、国防総省が取引を警戒して名指ししている企業です。なぜそこまでするのか、そして気になる「上げた値段は戻るのか」まで、確認できている範囲で整理します。
要点まとめ:Appleが中国製メモリを求める動きで分かっていること
- Financial Timesが、Appleはメモリ高騰による製品値上げを受け、中国のCXMT製メモリを買う許可をトランプ政権に求めてロビー活動していると報じています
- そのCXMTは、人民解放軍との関連が疑われるとして、米国防総省のブラックリスト(1260Hリスト)に載っている企業です
- 背景にあるのは世界的なメモリ供給不足と、それによる財務的な圧力です。ティム・クックCEOも先週「あらゆる供給を検討すべきだ」と発言していました
- Appleは木曜にMacやiPadなど複数製品を値上げ済みで、仮に許可が下りても、上げた価格がすぐ戻るとは限りません
何が報じられたのか
まず、ニュースの中身からです。Financial Timesが報じ、それを9to5Macが伝えた内容によると、Appleは中国のメモリメーカーCXMT(長鑫存儲技術)からメモリチップを買うため、トランプ政権に許可を求めるロビー活動を進めているそうです。FTは、事情に詳しい6人の話としてこれを報じています。
動きは少し前から始まっていたようで、Appleは1か月ほど前に商務省へ接触し、最近になってホワイトハウスへの働きかけを広げたといいます。狙いははっきりしていて、メモリチップの価格上昇で重くなった財務の圧力を、少しでも和らげることです。
引っかかるのは、その相手です。CXMTは、人民解放軍とのつながりが疑われるとして、米国防総省がまとめた「1260H(中国の軍事関連企業)」リストに名前が載っています。Appleは技術的に中国メーカーから買うこと自体を禁じられているわけではないのですが、このブラックリストの存在が話をややこしくしていて、米国企業が組むには政府のライセンスが要る可能性が高い、という構図です。だからこそ、買う前に「許可を取りに行く」という回りくどい段取りになっています。
なぜ、わざわざ警戒される相手なのか
普通に考えれば、わざわざ国防総省に警戒されている企業を選ばなくても、と思うところです。ここを理解するカギが、いま世界中で起きているメモリ不足です。
生成AIのブームでデータセンター向けのメモリ需要がふくらみ、その奪い合いがスマホやPC向けのメモリにまで波及しています。価格は上がり、確保も難しくなる。Appleほどの会社でも「値段は抑えたいが、量はしっかり確保したい」という綱引きを強いられていて、これが今回の値上げの引き金になりました。クックCEOが値上げを「不可避」と認めた件も、同じ流れの中にあります。
供給元を増やせれば、この綱引きは少し楽になります。いま大手のSamsung、SK hynix、KIOXIAあたりが強気の価格を提示してくるなかで、別の調達先という選択肢を一つ持っておくこと自体が交渉のテコになる、という理屈です。中国にはCXMT(DRAM)やYMTC(NAND)といった有力どころがあり、Appleがここを選択肢に入れたがるのは、コストの観点だけ見れば筋が通っています。クックCEOが先週のインタビューで「あらゆる供給を検討すべきだ」「すべてを検討材料にする必要がある」と述べていたのは、まさにこの含みでした。
実はこの「Appleが中国勢をカードにする」という話、噂のレベルでは少し前から出ていました。Appleが中国勢を“交渉カード”にし始めた頃の話として整理したのが今年2月。当時は観測気球のような扱いでしたが、今回それが「実際に米政府へ許可を求めている」という具体的な動きとして裏付けられた形です。
上げた値段は、戻るのか
ここが多くの人にとっていちばん気になるところだと思います。仮に中国製メモリの採用が認められてコストが下がったら、すでに上げたMacやiPadの値段は元に戻るのか。
ここから先は確定した話ではなく、見通しとして書きます。結論から言うと、戻る方向に強く期待するのは、いまのところ難しそうです。理由は二つあって、一つは「許可が下りるかどうか自体が不透明」なこと。安全保障上わざわざリストに載せている企業ですから、議会などからの反発も予想され、すんなり通る保証はありません。もう一つは、企業の値付けの性格です。値上げは、コストが少し緩んだからといって即座に巻き戻されるものではなく、むしろ「これ以上の値上げを止める」方向に働くことのほうが多い、という点です。
もちろん、この見方が外れる筋もあります。政権が早めに許可を出し、なおかつメモリの現物価格そのものが落ち着けば、次のモデルで構成あたりの値付けがいくらか緩む可能性は残ります。逆に言えば、許可が下りない、あるいはAI需要が続いて価格が高止まりするなら、いまの値段が当面の基準になる、ということです。どちらに転ぶかは、政権の判断とメモリ相場の二つを見ておくのが分かりやすいと思います。
海外の反応:中国製メモリを使うことへの賛否
今回の報道に直接ぶつけられた声はまだ多くありませんが、Appleが中国製メモリに手を伸ばすという話が最初に流れたときの賛否が、そのまま今回の争点に重なります。
Not looking forward to this if it is true. I don't trust Chinese hardware. They have been known to have spyware.
本当だとしたら気が進みません。中国製のハードウェアは信用していません。スパイウェアが仕込まれていた例があるので。
不信から入る声。真っ先に出てくるのは、やはり「中国製を信用していいのか」という安全保障寄りの心配です。コストの話以前に、ここで慎重になる人は確実にいます。
I hope this works. We need more RAM manufacturers to ease the pressure silly AI is causing. As for the spyware, can RAM have that? I thought this was a thing on other components, like CPU, motherboard, networking hardware, etc...
うまくいってほしいです。バカげたAI需要が生んでいる逼迫を和らげるには、もっとRAMのメーカーが要ります。スパイウェアについては、そもそもRAMにそんなものを仕込めるんでしょうか。CPUやマザーボード、ネットワーク機器みたいな部品の話だと思っていました。
供給を増やすこと自体は歓迎。こちらは「メーカーが増えるなら逼迫が和らぐ」と前向きで、そのうえで「RAMにスパイウェアって入るの?」と素朴に問い返しています。心配は分かるが、部品の種類によって話が違うのでは、という冷静な視点です。
Nothing to fear about AAPL forming new partnerships. It's not like the demand for big-NAND tech (and the need to balance cost with expenditure) is about to magically disappear....
Appleが新しい取引先を増やすこと自体は、恐れるような話ではありません。大容量NAND技術への需要や、コストと支出のバランスを取る必要が、急に魔法みたいに消えるわけでもないですから。
取引先を増やすのは自然、という擁護。需要もコスト圧力も消えない以上、調達先を広げるのは普通の経営判断だ、という見方です。安全保障の心配とコストの現実、その両方がコメント欄に並んでいるのが、いまの空気をよく表しています。
ひとこと:値段の話の裏で、調達先まで揺れている
値上げそのものより、Appleが「警戒されている相手にまで手を伸ばさざるを得ない」ところまで来ている。個人的には、そこがいちばん引っかかりました。メモリ不足という言葉だけ聞くと品薄の話に聞こえますが、実際には世界トップのメーカーの調達戦略を曲げるくらいの圧力になっている。そこに、いまのAIブームの本気度がにじんで見えます。安く済むなら歓迎、でも相手は選びたい——コメント欄の温度差は、たぶん多くの人の本音そのままだと思います。
まとめ:メモリの一点が、値段と取引先を同時に動かしている
今回分かったのは、Appleがメモリ高騰による値上げを受けて、国防総省に警戒される中国CXMT製メモリの採用許可を、トランプ政権に求めて動いているということです。背景にあるのはAI需要が生んだ深刻なメモリ不足で、クックCEOの「あらゆる供給を検討すべきだ」という発言とも符合します。
使う側として押さえておきたいのは、許可が下りるかどうかは政権の判断次第で、しかも下りたとしても上げた値段がすぐ戻る保証はない、という二点です。値段の行方を気にするなら、政権の対応とメモリ相場の二つを見ておくと、次にどちらへ動きそうか分かりやすくなります。
ではまた!
本体ストレージの上位構成は値上げの影響を受けやすい部分です。容量を一段上げて買うより、よく使うデータは外付けに逃がしておくと、いまの一台を無理なく長く使えます。
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