
✅ この記事では、Appleが短編動画アプリ「Clips」を正式に終了した理由と背景を整理しつつ、iMovieの今後やAppleの動画編集戦略の行方についてわかりやすく解説します。
- Clips、8年の歴史に幕──App Storeから姿を消す
- 「SNSの波」と距離を置いたAppleのスタンス
- iMovieも音沙汰なし──「作る」から「AIが整える」へ
- 日本での意味──「動画=SNS」前提じゃない時代へ
- redditでの声
- まとめ:Clipsの終焉は、次の映像体験のはじまり
どうも、となりです。
iPhoneでサクッと動画を作る──そんな時代を先取りしていたAppleの「Clips」。SNSがまだ黎明期だった2017年に登場したアプリですが、2025年10月、ついにその幕が下りました。 この記事を読むと、「Clipsはなぜ終わったのか」「iMovieはどうなるのか」が見えてきます。
Clips、8年の歴史に幕──App Storeから姿を消す
2017年に登場したClipsは、“手軽におしゃれ動画”がテーマの純正編集アプリ。最初は正方形のみだったけど、音声から字幕が出る「ライブタイトル」や、絵文字・ステッカー・フィルターで遊べるのがウリでした。
リリース直後は4日で50〜100万ダウンロード。36言語の自動字幕、顔認識のスマート提案、BGMの自動生成など、当時の「これ欲しかった」が詰まってたんですよね。
ただ、その後はTikTokやInstagram Reels、CapCutが一気に主役へ。2025年10月10日、AppleはClipsをApp Storeから削除し、Appleのサポートドキュメントでも「アップデート終了」とはっきり。
既存ユーザーは引き続きアプリを使用できるほか、App Storeの購入履歴から再ダウンロードも可能ですが、iOS 26以降の保証はなし。新規ユーザーはもう入手できなくなりました。──ここで一区切りです。
「SNSの波」と距離を置いたAppleのスタンス
Clipsが続かなかった背景には、Apple流の距離感があります。みんなが“バズ前提”で作る中、Appleはあくまで“自分で作って楽しむ”寄り。広告もアルゴリズムもなし。優しい設計だけど、爆発力は出しにくい立ち位置でした。
AppleInsiderの見立てどおり、初速は良かったものの、TikTokやMetaの勢いに飲み込まれたかたち。2021年のCinematicモード対応やToday at Appleのワークショップなど、ていねいな手入れはあったけれど、更新は止まり、そのままフェードアウトです。
iMovieも音沙汰なし──「作る」から「AIが整える」へ
もうひとつ気になるのがiMovie。9to5Macによると、2024年12月の軽いバグ修正を最後に、新機能は止まったまま。2023年以降、大きな伸びは見えていません。
つまり、Appleの動画編集アプリは全体として“休止モード”。iWork(Pages/Numbers/Keynote)も2025年4月から動きがなく、iOS 26の「Liquid Glass UI」対応も見送り状態です。
一方で、AdobeやPixelmatorはAI機能でぐいぐい前進。たとえばiPhone版Premiereは音声分離やクラウド連係もこなして、スマホ完結の編集を実用ラインに押し上げてきました。動画編集の重心、少しずつ純正から外へ移動している感じ、あります。
日本での意味──「動画=SNS」前提じゃない時代へ
日本でも、かつてはClipsで遊んでいた人がいました。けれど、いまやTikTokやInstagramの中で完結するのが当たり前。わざわざ別アプリを開く理由が減りました。
今回の終了は、Appleが「SNSのための編集」競争から一歩引いたサインとも読めます。代わりに、Apple Intelligence(生成AI)で「自動編集」「要約動画」など、AI×映像の方向へ舵を切っていく気配。写真がAI整理で楽になったように、動画も“AIが提案してくれる”ほうへ寄っていく未来が見えてきます。
redditでの声
- 「Clipsなんて知らなかった」「一回触って終わり」──まず認知が弱かった。
- 「Clips」と「App Clips(ミニアプリ)」の名前が紛らわしくて、勘違いが多発。
- SNS連係が薄く、TikTokやCapCutと比べて“使い続ける理由”が弱かった。
- ディズニー系グリーンスクリーンやMemoji合成は楽しいけど、継続利用にはつながらず。
- iMovieは縦動画に弱く、今のSNSワークフローにマッチしないという不満が根強い。
- 一方でApp Clips(ミニアプリ)は「駐車・注文・カード認証で地味に便利」という好意的な声も。
- 「ClipsはMessagesに統合して“iMessageストーリー”にすれば良かったのでは?」という提案もちらほら。
まとめると:楽しい仕掛け(MemojiやLiDARエフェクト)は光ってたけれど、SNSとのつながりが弱く、名前の紛らわしさや告知不足も重なって定着せず。「アプリというより“機能止まり”だった」という評価が多めでした。iMovieの縦動画事情への不満が残る一方で、「App Clipsはたまに使うと便利」という声が印象的です。
まとめ:Clipsの終焉は、次の映像体験のはじまり
今回の出来事をひとことで言うと、Clipsの終了は“編集から生成へ”の静かなスイッチ。手で細かく切るより、AIに段取りを任せて仕上げていく流れが、ここから本格化していきそうです。
かつてClipsが“SNS前夜”を映したアプリだったように、次はAIが映像体験のど真ん中に来る番。Appleの次の一手──動画の自動生成やAIサジェスト編集、その先にある“新しい作り方”を待ち構えましょう。
ではまた!
Source: 9to5Mac, AppleInsider