となりずむ

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AppleとBroadcomが提携を2031年まで延長。自社製通信チップへの移行はあと5年がかりか

青空の下、ガラス張りのビル前に立つ赤いロゴ入りのBroadcomの社名看板と星条旗

✅この記事では、AppleとBroadcomが提携を2031年まで延長したニュースと、それがApple自社製の通信チップへの移行に何を意味するのかを整理します。

どうも、となりです。

AppleとBroadcomが、チップの供給提携を2031年まで延ばした。こう書くと、企業どうしの契約更新の話に聞こえます。ニュースそのものは、正直かなり地味です。

ただ、この「2031年まで」という期限が、Appleがどれだけ通信チップを自前でそろえたいのか、その道のりがまだどれくらい残っているのかを、けっこう素直に映しています。AppleはすでにC1、C1Xという自社製モデムをiPhoneに載せ始めています。それでも、Broadcomをあと5年以上つなぎとめる。ここには、iPhone 18 Proで噂されるC2チップや、日本のぼくらにはあまり縁のないミリ波5Gの話まで、意外と地続きでつながっています。

要点まとめ:Broadcom提携延長で分かること

  • AppleとBroadcomは、カスタムチップ供給の提携を2031年まで延長・拡大することで合意した。Broadcomが7月6日にReutersへ認め、同社株はプレマーケット取引で約4%上昇した
  • Broadcomが供給するのは、iPhone向けの無線周波数(RF)チップやWi-Fi・Bluetoothの接続チップなど。Appleは自社モデムのC1(iPhone 16E)、C1X(iPhone Air・iPhone 17E・一部iPad)をすでに投入している
  • 9to5Macは、この延長を「自社製チップへの完全な切り替えにはあと5年ほどかかる見込み」と読んでいる。2031年が完全自社化の「完了」とまで言われたわけではない
  • C1・C1Xはサードパーティ製より電力効率が良い一方、ミリ波5G(mmWave)に非対応。今年のiPhone 18 Pro系に載るとされるC2チップで、ミリ波対応が加わる見込み
ミリ波は日本ではほとんど展開されておらず、C1系がミリ波に非対応でも日本の使い勝手にはほぼ響きません。日本で意味を持つのは、ミリ波の有無より電力効率の側で、完全な自社化はあと数年がかりの長期戦という読みです。

 

まず、何が決まったのか

Broadcomは7月6日、Reutersに対して、Appleとの提携を2031年まで延長・拡大することで合意したと認めました。カスタムチップを開発・供給する契約で、この報道を受けてBroadcomの株価はプレマーケットで約4%上がっています。動きは9to5MacAppleInsiderが報じています。

供給しているのは、iPhoneの中で電波を扱う無線周波数(RF)チップや、Wi-Fi・Bluetoothの接続チップ、その他のネットワーク向け半導体など。ふだん名前を見ることはまずありませんが、Broadcomはこの、iPhoneが電波をつかむ部分の、けっこう根っこに近いところを長く担ってきた会社です。

ねらいはシンプルです。ほしい部品を、しばらくのあいだ安定して確保できる。AppleInsiderは、メモリ不足のような供給網の揺れが起きても大きく影響を受けにくくする、Appleらしい長期契約の型だと整理しています。Broadcom側から見ても、Appleは年間収益の約2割を占める大口です。2024年には、サーバー向けのAIプロセッサをいっしょに設計する話も決まっていて、関係はむしろ深まる方向にあります。

自社チップを出しているのに、なぜまだBroadcomなのか

ここが、今回いちばん引っかかるところだと思います。Appleは去年から、自社設計のモデムをiPhoneに載せ始めました。C1がiPhone 16Eに、続くC1XがiPhone AirやiPhone 17E、一部のiPadに使われています。自分で通信チップを作り始めているのに、なぜ供給元をあと5年以上も抱え続けるのか。

理由は、ひとくちに「通信チップ」と言っても、中身がだいぶ違うからです。モデムのようにデジタル寄りの設計は、Appleが自分で描いてTSMCに作ってもらう、という流れに乗せやすい。いっぽうで、電波を直接あつかうRF部品はアナログの世界で、内製がぐっと難しくなります。ここはApple一社の話ではなく、各社がBroadcomのような専業メーカーに頼り続けている領域です。AppleInsiderも、Appleは自社チップへ進みながらも、無線やRFの部品ではまだBroadcomを必要としている、と書いています。

つまり、モデムという分かりやすい部分は自前になってきたけれど、電波まわりの地味で難しい部品はまだ他社の力を借りている。今回の延長は、その現在地をそのまま映した契約に見えます。

延長が映す、完全自社化までの距離

9to5Macは、この2031年までという期限そのものを、Appleの本音の目安として読んでいます。もし来年にも全部を自前で置き換えられるなら、供給契約をここまで長く結ぶ必要はない。あと5年ほどは、どこかでBroadcomの部品に頼る前提でいる、というわけです。

製造の面でも事情があります。Apple設計の通信チップは、すべてTSMCが作っています。TSMCの技術的な先行があるぶん、最新世代のAppleチップを量産できるのは実質そこだけ。だからこの契約は、当面はサードパーティ製の部品を使い続けるか、一部の機種では前の世代のCシリーズを回すか、そのどちらかを指している――9to5Macはそう見ています。いずれにせよ、いちばん高性能なCシリーズへ完全に切り替わるのは、まだ数年先になりそうだ、という整理です。

ここからはぼくの受け止めですが、この延長を「Appleがまた出遅れた」とだけ読むのは、たぶん少しもったいないです。モデムはもう自前、残っているのは一番難しいRF、という順番で見ると、これは撤退ではなく、長い布石の途中に見えます。ただ、提携が延びたという事実ひとつから、それが余裕のある段階戦略なのか、想定より手こずっているサインなのかまでは、正直まだ判断できません。そこは秋以降の実物を見てから、という話です。

C2とミリ波、そして日本にいるぼくらの場合

今年のフラッグシップ、つまりiPhone 18 ProとPro Max、Ultraには、新しいC2チップが載るとされています。C1とC1Xの弱点だったミリ波5G(mmWave)への対応が、このC2で加わる見込みです。ミリ波は、Wi-Fiに近い、超高速だけど届く範囲がとても狭いタイプの5Gで、空港やスタジアム、駅のような人が集まる場所で使われます。

ここで日本のぼくらの立場を思い出すと、話が少し変わってきます。日本では、そのミリ波がほとんど展開されていません。だからC1系がミリ波に非対応でも、日本で使うぶんには実害がほぼない。逆に日本で意味を持つのは、電力効率のいい自社モデムが積まれるかどうかの側です。このあたりは、日本で買うiPhone 18 Proはどのモデムになりそうかを別記事で整理したので、通信の中身が気になる人はそちらもどうぞ。

なお、C2でミリ波対応、という話はまだ噂と予測の段階です。載る機種の範囲も、正式発表で確かめる必要があります。ここは過度に期待せず見ておきたいところです。

海外の反応:ミリ波は要るのか、要らないのか

今回の提携そのものへの直接の声はまだ少なく、ここではその背景にある、C1系のミリ波非対応をどう受け止めているかの声を拾いました。ミリ波が要るかどうかで、反応ははっきり割れています。

In terms of deployment, mmW is a U.S. thing only, due to politics. The physics and economics of mmW never made sense which is why no other country deployed it to any appreciable degree. In short, don't worry about it.

展開の面で言えば、ミリ波は政治的な事情で米国だけの話だ。ミリ波の物理も経済性もそもそも筋が通っていなくて、だからこそ他のどの国も目立った規模では展開しなかった。要するに、気にしなくていい。

JPack / MacRumors(2025年9月9日)

ミリ波はそもそも米国の事情、という整理です。これは日本のぼくらの感覚にも近くて、「ミリ波非対応イコール不利」という図式が、地域によってはそのまま当てはまらないことを言い当てています。

There are like only 2 square miles in the entire US where you can actually experience 5G mmwave speeds.

米国全体でも、実際に5Gミリ波の速度を体感できる場所なんて、2平方マイルくらいしかない。

miku2002 / MacRumors(2025年9月9日)

その米国でさえ、使える場所はごくわずかという指摘。誇張はあるにしても、ミリ波が「どこでも速い」わけではないのは、実際に使う人ほど実感しているようです。

Remember when mmWave was supposed to be the hottest new thing? But it only worked well if you were standing on the street directly under the antenna? 🤣

ミリ波が最先端の目玉になるはずだった頃を覚えてる? でも、アンテナの真下の路上に立ってるときしか、まともに使えなかったよね? 🤣

Michael Scrip / MacRumors(2025年9月9日)

登場時の触れ込みを思うと、という既視感。ミリ波が出た当初の期待と、その後の使い勝手のギャップを覚えている人からすると、非対応と聞いても驚きは薄いのだと思います。

mmWave is the main reason I'm considering just going with the base model. It matters to people who have it most everywhere they go and get great speeds from it.

ミリ波こそ、ぼくがベースモデルにしようか考えている一番の理由なんだ。行く先々でだいたい使えて、そこから速度が出る人にとっては、これは大事なことなんだよ。

iObama / MacRumors(2025年9月9日)

それでも、人によっては買うモデルを左右する、という声も。ミリ波がしっかり届くエリアで暮らす人には、これは無視できない差になります。要るかどうかが住む場所でここまで変わるのが、ミリ波の難しいところです。

ひとこと:地味なニュースの、地味じゃない中身

供給契約の延長という一行だけ見ると、通り過ぎてしまいそうなニュースです。でも中を開けると、Appleが自社チップをどこまで進めて、どこがまだ他社頼みなのかが、わりとくっきり出ていました。モデムは自前、電波まわりのRFはまだBroadcom。その順番に、地に足のついた進め方を感じます。

いっぽうで、この一件だけで「Appleは順調」とも「遅れている」とも言い切れないのが正直なところです。2031年という数字は、自信の裏返しにも、手こずりの表れにも読めます。そこを決めつけずに置いておけるのが、噂と実物のあいだにいる今の楽しみ方かなと思います。

まとめ:日本のぼくらが見ておくところ

今日の時点で言えるのは、Appleの通信チップはまだ完全な自前ではなく、Broadcomへの依存が当分は続く、ということです。そして日本で暮らすぶんには、ミリ波が来るか来ないかより、電力効率のいい自社モデムが積まれるかどうかのほうが、体感に近い話になります。

見どころは秋です。iPhone 18 ProでC2チップが本当に登場し、噂どおりミリ波対応が加わるのか。そして日本で買うモデルにどのモデムが入るのか。そこまで来れば、この「2031年まで」という長い契約が、どんな絵の一部だったのかが、もう少し見えてきます。それまでは、派手さはないけれど土台に近い動きとして、静かに続いている一件です。

ではまた!

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大きく変わるのはC2世代から、という話でした。新しいチップを待つあいだ、今の機種の電池をちょい足しするなら、これくらい薄いものがMagSafeでぺたっと貼れて持ち歩きに向いています。

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