
✅この記事では、AppleがいずれOpenClawのような自律型AIを作るかもしれない、というBloombergの予測と、それに対するApple自身の温度を整理します。
- 要点まとめ:予測の中身と、Appleが置いている距離
- 報じられたのは「作業を代わりにやるAI」という方向
- 今のSiriは、まだ「お願いして答えてもらう」段階
- Apple幹部は「実験的」と、一歩引いている
- すでにある小さな「代行」と、自律AIまでの距離
- 海外の反応:自律型AIを「欲しい」と思うかどうか
- ひとこと:止まって見えることが、悪いとは限らない
- まとめ:今日わかること、これから答え合わせすること
どうも、となりです。
WWDC 2026が終わって、新しいSiriやiOS 27の話がひと段落したころに、もう少し先を見た予測が出てきました。Bloombergのマーク・ガーマン(Mark Gurman)氏が、Appleは最終的に、あなたの代わりにiPhoneやMacのアプリそのものを操作する「自律型AI」を作るのではないか、と書いています。いまのSiriが「頼んだことに答えてくれる」存在だとすると、その一歩先、「頼んだ作業を自分でやってくれる」存在の話です。
ただ、見出しだけ読むと「Appleがもう作っているのかな」と受け取りがちですが、実際の温度はもう少し静かです。これは発表ではなく予測で、Apple幹部はこの分野を「実験的」と呼んでいます。どこまでが決まっていて、どこからが予想なのかを分けて見ていきます。
要点まとめ:予測の中身と、Appleが置いている距離
- ガーマン氏は、Appleがいずれユーザーに代わってiPhone・iPad・Macのソフトを操作する自律型AIを作ると予測。OpenClawや、Google・Anthropicが出しているような機能に対抗する位置づけです(予測)。
- これは正式発表ではありません。ソフトウェア担当のクレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏はエージェントAIの分野を「実験的」と表現し、いまはふさわしい使い勝手を探す段階だとしています。
- 今のSiriは基本的に「お願いして答えてもらう」リクエストベース。新しいエンジンはLLMを土台に作り直されていて、Siri責任者のマイク・ロックウェル(Mike Rockwell)氏は将来の拡張性は高いと説明しています。
- 搭載時期は何も決まっていません。手元にあるのはiOS 27などの2026年秋に向けたベータで、アプリを丸ごと操作する自律機能はそこからの大きな拡張になります。
報じられたのは「作業を代わりにやるAI」という方向
まず、何が新しく出てきたのかから確かめます。ガーマン氏の見立てでは、Appleは最終的に、iPhone・iPad・Macのソフトをユーザーの代わりに丸ごと操作できるシステムを作るだろう、というものです。OpenClawや、Google・Anthropicが提供しているような「コンピュータを操作してくれる」エージェント機能に並ぶものを、Appleもいずれ用意するのではないか、と見ています。
ここでいうエージェントは、いまのSiriのイメージと少し違います。「明日の天気は?」と聞いて答えが返ってくるのが今までだとすると、エージェントは「この予約を取り直しておいて」と頼むと、アプリを開いて、入力して、確定するところまで自分で進める存在です。同じ音声アシスタントでも、答える側から動く側へ役割が変わります。
ここで押さえておきたいのは温度です。これはガーマン氏の予測であって、Appleが「作ります」と発表したわけではありません。後で触れますが、Apple自身はもっと慎重な言い方をしています。まずは「そういう方向が話題に上がっている」くらいで受け取っておくと、ちょうどいいと思います。
今のSiriは、まだ「お願いして答えてもらう」段階
では足元のSiriはどこまで来ているのか。次期Siriは大規模言語モデル(LLM、文章を理解して作る今どきのAIの土台)を使って作り直されていますが、現時点ではまだリクエストベース、つまり頼んだことに答える形に留まっています。実際にガーマン氏が新しいSiriを先行で触った実力検証の評価でも、日常のやり取りは競合に追いついた一方、込み入った作業はまだこれから、という位置づけでした。
面白いのは、Apple側もその段階を素直に認めていることです。ロックウェル氏はエージェントを「入ってくる情報のループの中で動き、判断し、行動を起こすもの」と定義したうえで、「私たちのSiriは今のところ主にリクエストベースだ」と話しています。そのうえで、土台になっているアーキテクチャは完全にモダンなもので、将来へ広げていく余地は大きい、という説明です。
つまり、いまのSiriは「動くAI」ではないけれど、作り直した土台のおかげで、そちらへ伸ばしていく準備自体は整えている、という整理になります。できていることと、これから伸ばせる余地を、Apple自身が分けて語っているのが今回のポイントです。
Apple幹部は「実験的」と、一歩引いている
では、その余地をAppleがすぐ製品にするのかというと、ここで温度がはっきり下がります。この分野をフェデリギ氏は「実験的」と呼び、いまは正しい使い勝手を見つけることを優先している、と話しています。参入そのものを否定はしていませんが、「やります」とも言っていません。
「いずれ作るだろう」というガーマン氏の予測と、「まだ実験段階」というApple自身の言い方の間には、それなりの距離があります。OpenClawやGoogle、Anthropicが出しているような、コンピュータを丸ごと操作するエージェントを実現するなら、先週のWWDC 2026で見せた内容からは大きな拡張になります。今あるベータの延長線上に、すぐ並ぶものではありません。
このあたりは、噂や予測を読むときにいつも迷うところだと思います。やりたい方向は見えている、土台も作り直した、でも幹部はまだ「実験的」と言う。三つとも本当で、矛盾はしていません。だからこそ、搭載時期や具体的な機能まで先回りして期待しすぎないのが、いまは落ち着いた読み方になります。
すでにある小さな「代行」と、自律AIまでの距離
ゼロから始まる話かというと、そうでもありません。Appleは小さな範囲なら、すでに「作業を代わりにやる」機能を出し始めています。たとえばiOS 27では、漏えいの疑いがあるパスワードについて、変更作業をAIが代行する機能が試されています。サイトを開いてログインして設定を直す、という一連の流れを任せられる、というものです。
こうした「特定の作業を、決まった手順で代わりにやる」ところまでは、アプリ側が対応した操作をAIが呼び出す仕組みで成り立っています。そこから、ユーザーが思いついた何でもを、複数のアプリをまたいで自分で判断しながら進める段階までは、まだ距離があります。海外のフォーラムでも「Siriに作業自動化ツールを触らせればいい」といった声が出ていますが、任せる範囲が広がるほど、勝手に操作されることへの不安や、プライバシーとの折り合いも一緒に大きくなります。
この分野でAppleが慎重なのは、たぶんそこが理由です。動けるAIほど、間違えたときの影響も、見られる情報の範囲も増えます。「実験的」という言葉は、技術が無いという意味ではなく、任せていい範囲をどう決めるかを、まだ探している段階だと読むのが自然だと思います。
海外の反応:自律型AIを「欲しい」と思うかどうか
元記事への直接の反応を、MacRumorsのフォーラムから拾います。賛否というより、自律型AIを自分が欲しいかどうかで、温度がきれいに分かれていました。
Siri's gotta be able to walk before it can run. Looking forward to regaining confidence in its basic competencies this fall.
Siriは走る前に、まず歩けるようにならないと。この秋、基本的なところでまた信頼できるようになるのを楽しみにしています。
まず足元から、という声自律操作の前に、今のSiriの基本をきちんとしてほしい、という受け止めです。秋のベータでそこが戻るかどうかを楽しみにしている、というのは正直な順番だと思います。
Is this something users want? Def not something I'd ever need or want in the foreseeable future. I think I'd pay extra to NOT have that kind of stuff on my phone.
これって使う人が求めているもの?少なくとも当分、自分には必要でも欲しくもない。むしろ、こういう機能を自分のスマホに入れない方にお金を払いたいくらいです。
むしろ入れたくない、という本音動けるAIそのものに距離を置きたい人もいます。便利さの裏で、勝手に操作されることへの抵抗が出るのは、自律型ならではの反応です。
Apple has a fairly good track record of gauging what people want. Or they will invent it and people will want it.
Appleは人が何を求めているかを読むのがわりと上手い。あるいは、先に作ってしまって、結果みんなが欲しくなる、のどちらかでしょう。
Appleの読みに任せる、という見方今は要らなくても、出てきたら欲しくなるかもしれない、という期待です。「実験的」と言っているうちは、この余白も含めて見ておきたいところです。
Just give Siri access to Automator.
Siriに、Automatorへのアクセスを与えればいいだけでは。
仕組みは既にある、という指摘Automatorは、Macで決まった作業を自動化する純正ツールです。すでにある自動化の土台にSiriをつなげば、という発想で、本文で触れたApp Intents的な現状とも重なる見方です。
ひとこと:止まって見えることが、悪いとは限らない
今回いちばん気になったのは、Appleがこの件でまだ「やる」と言い切っていないところです。やりたい方向は見えていて、土台も作り直したのに、幹部はまだ「実験的」と言う。歯がゆく感じる人もいると思いますが、誰かに自分のアプリを丸ごと任せる話だと考えると、この慎重さはむしろ安心材料に近い気がします。早く動くAIより、どこまで任せるかを先に決めてくれる方が、自分の端末を預ける相手としては信用しやすいです。
まとめ:今日わかること、これから答え合わせすること
今日の時点で確かなのは、Appleがいずれ自律型AIを作るかもしれないというガーマン氏の予測と、Apple自身が今は「実験的」と位置づけていること、そして次期SiriはLLMで作り直されたけれどまだリクエストベースだ、という三つです。搭載時期や具体的な機能は、まだ何も決まっていません。
次に答え合わせができるのは、2026年秋のiOS 27などの正式版です。まずは作り直したSiriの基本がどこまで戻り、そのうえで「代わりにやってくれる」範囲が広がり始めるか。そこを見ていけば、今回の予測がどれくらい現実に近づいたかが見えてきます。
ではまた!
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