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Apple純正「40Wダイナミック電源アダプタ」解説:短時間60Wブースト、連続40W運転──仕組みと特徴を整理

Apple純正「40Wダイナミック電源アダプタ」解説:短時間60Wブースト、連続40W運転──仕組みと特徴を整理

✅ この記事では、Apple純正USB-C充電器「40Wダイナミック電源アダプタ(最大60W)」について、公開されている実測レビュー内容をもとに、挙動・発熱制御・相性・用途別の向き不向きを整理します。

 

どうも、となりです。

iPhone 17シリーズの発売と同時に登場したApple純正の新充電器。その名も「40Wダイナミック電源アダプタ」。
一見すると「40Wなのに最大60W?」という不思議なスペックですが、実際の挙動を調べた検証動画によると、定格は40Wで、条件次第で短時間だけ60Wまで出力する仕様となっているようです。

基本仕様と外観──“いつものAppleデザイン”に潜む実験的設計

  • USB-C×1ポート構成/折りたたみプラグ付き
  • USB Power Delivery対応(5〜20V)
  • 定格出力40W、短時間のみ最大60Wブースト

外観はこれまでのApple充電器と同系統。丸みのある筐体と光沢のあるホワイト仕上げで、パッと見は「普通の40Wアダプタ」です。ただし、内部制御はやや特殊です。

どんな環境でテストされたのか──接続機材を整理


www.youtube.com

今回のレビューでは、Apple純正の40Wダイナミック電源アダプタを「給電側」として使用し、複数のデバイスを「受電側(充電される側)」として接続して動作を確認しています。
このアダプタの“なぜ40Wで60Wと表記されているのか”という技術的背景については、こちらの記事で詳しく解説しています。

つまり、Appleの充電器は「接続先によって出力が変わる」設計であり、PD(Power Delivery)の交渉結果次第で上限が異なる仕組みです。多くのデバイスでは60W出力が利用できた一方、特定のモバイルバッテリーでは40Wで制限されるケースがありました。

60Wは「短時間限定」、40Wが「連続稼働モード」

長時間負荷をかけた試験では、次のような動作傾向が見られました。

  • 開始〜約18分:60W出力で安定動作(温度上昇)
  • 18分経過時:温度が約65℃に達し、出力が38〜40Wに低下
  • その後、温度低下に応じて60Wに復帰するが、わずか2〜3分で再び40Wへ
  • 以降は「冷却→再加速→冷却」のサイクルを繰り返す

つまり、40Wが実質的な連続出力で、60Wは短時間の“加速モード”といえます。

 

 

サーマルスロットリング設計──小型化と安全性の両立を狙う

ここで言う「サーマルスロットリング」は、接続されたデバイス側ではなく、充電器本体(アダプタ側)が過熱を検知して自動的に出力を抑える制御のことです。

小型充電器は構造上、放熱が難しく、各社が「サイズを優先するか」「持続性能を優先するか」で異なるアプローチを取っています。

  • サーマルスロットリングなし:高温を許容してでも出力維持(Ankerなど)
  • サーマルスロットリングあり:温度上昇で出力を自動制御(CIOAppleなど)

Appleは後者の思想を採用。
つまり、「安全マージンを広く取り、発熱時には出力を制限する」設計です。これにより、表面温度はおおむね63℃程度に抑えられていました。

実際の温度──発熱は控えめ。安全寄りのチューニング

サーモグラフィーの結果では、ピーク温度はおおよそ63℃。
70℃を超える製品もある中で、Appleは比較的穏やかな温度制御を採用しているようです。

価格と他社比較──1ポート6,480円は強気設定

  • Apple純正:1ポート/6,480円(40W+短時間60W)
  • 他社45W級:3,000円前後
  • 他社65W級:3,500円前後(複数ポート・小型モデルもあり)

価格面では、Apple製が倍近いレンジ。性能よりも、デザイン・安全性・純正ブランドの信頼性を重視する層向けといえます。

 

 

用途別にみる「向き・不向き」

  • 🟢 向いている:スマホ・iPad中心。40Wでも十分/時々60Wを使う程度のユーザー
  • 🟡 どちらともいえない:60Wを頻繁に使うが、短時間充電中心の人
  • 🔴 不向き:MacBook Air/Proなどを長時間充電するユーザー(上位100Wクラス推奨)

まとめ:安全寄りの設計だが、価格性能比は厳しめ

今回の製品は、「短距離ダッシュ型の充電器」と言えます。60Wを長時間出せない代わりに、発熱と安全性をしっかり管理するタイプ。Appleらしい慎重な設計です。

ただし、性能面では他社に見劣りする部分もあるため、購入を検討する場合は「何を充電するか」をよく考えて選びたいところです。

ではまた!

 

 

Source: 公開レビュー映像(技術検証内容)、Apple公式仕様