
✅ この記事では、作曲家・音楽プロデューサーのLodewijk Vos氏によるAirPods Pro 3レビュー動画の要点を整理し、「なぜ小音量でもノリよく聴けるのか」「新しいフォーム入りイヤーチップや透明モードがどう効いているのか」を、生活目線でわかりやすく解説します。
- ポイント①:透明モードが“現実の音量と質感”に近づいた
- ポイント②:小音量でもノレる──“スマイルEQ”の使いどころ
- ポイント③:フォーム入りイヤーチップ × フィット最適化の効能
- ポイント④:ANC(ノイズキャンセリング)は「実環境での評価」がカギ
- ポイント⑤:小型イヤホンにありがちな“低域の濁り”を回避
- 日本ユーザー的ハイライト:小音量主義&ながら聴きが快適に
- 背景と見通し:数値より“聴き心地の再現性”へ
- ユーザーレビューと議論の渦──AirPods Pro 3は「最高」か「チューニング失敗」か
どうも、となりです。
音は“数値”より“体験”で評価されがち。レビューでも計測グラフが先行すると、日常の聞こえ方とズレることってありますよね。今回紹介するのは、いわゆる“計測勝負”ではなく、耳で感じる実用の差に寄せたレビュー。プロの現場感覚で、Pro 3の進化点をスッと腹落ちさせてくれます。
この記事を読むと、「小音量でも気持ちよく聴けるEQの仕掛け」「透明モードの“現実感”が上がった理由」「ANCの捉え方(測定の難しさ)」がつかめます。
ポイント①:透明モードが“現実の音量と質感”に近づいた
たとえばカフェで片耳だけ外す、あの微妙な不快感。Pro 3の透明モードは高域の持ち上げが抑えられ、環境音の“実在感”が増したと指摘されています。レビューでは、従来より実際の環境と透明モードの音量が近いため、ANCへ切り替えた瞬間の“演出的なギャップ”が減り、自然に場面転換できると語られています。
まとめ:透明モードは「明るすぎたガラス」を磨りガラスからクリアガラスに戻した感じ。長時間でも耳が疲れにくい方向です。
ポイント②:小音量でもノレる──“スマイルEQ”の使いどころ
静かな夜、音量を絞ると曲が“平たく”なること、ありますよね。Pro 3は小音量時に低音と高音を少し持ち上げるチューニング(いわゆるスマイルEQ傾向)で、小さく聴いてもリズムの芯と空気感が痩せにくい。一方で音量を上げていくと、キックが暴れないようにEQの盛りをなだらかに戻す挙動が示唆されています。
生活のたとえで言うと、「夜の小さな照明でも陰影は保つ、でも昼の直射日光ではレフ板を外す」みたいな自動露出。音量と気持ちよさの“釣り合い”をキープする発想です。
まとめ:音量に合わせてEQの重心がスライド。小音量派にうれしい“躍動の保険”です。
ポイント③:フォーム入りイヤーチップ × フィット最適化の効能
Pro 3はフォーム(発泡体)を積層した新イヤーチップで密閉の作りやすさが向上。密閉(シール)が安定すると、低域の出方とANCの効きが安定し、結果として中高域の見通しもスッと立ちます。ここは装着テスト(Acoustic Seal Test)とも親和性が高い領域。フィット最適化と“音の良さ”は二階建てでつながっているわけです。
フィットやサイズ選びの全体像は、当サイトの比較記事でも整理しています。迷ったらまずMサイズを起点に、角度とサイズを一段ずつ試すのが近道です(AirPods Pro 3の特徴まとめ)。
まとめ:密閉が整うと“音量を上げなくても満足”に近づく。耳とチップの相性調整が効きます。
ポイント④:ANC(ノイズキャンセリング)は「実環境での評価」がカギ
Vos氏は、ネット上のANC計測結果の“バラつき”にも触れ、「ANCの良し悪しは単純な一発計測では語りにくい」と解説。騒音の種類(低周波ドローン・人声・突発音)、耳のシール状態、装着角度など、前提条件が音に強く影響するためです。Pro 3は“数値の凹凸”より実環境での静けさの感じ方が自然になった、という評価が印象的でした。
Appleのオーディオ検証は、透明モード/ANC/空間オーディオまで含めた“体験単位”の最適化で語られることが多く、仕様表の裏にリスニング実験の厚みがあるのも特徴です。買い分けの俯瞰は比較ガイドが参考になります(AirPods比較ガイド|2025年秋版)。
まとめ:ANCは“使う場所”と“フィット”込みで評価したい。Pro 3は総合設計で静けさを底上げするタイプ。
ポイント⑤:小型イヤホンにありがちな“低域の濁り”を回避
小さな筐体で低音を押し出すと、ベースが膨らみ、ボーカルが後ろに引っ込む──これが“モコつき”問題。レビューでは、Pro 3は低域を持ち上げても中域の輪郭が崩れにくいと評されています。フォーム+シール最適化、音量連動EQ、そしてドライバ周辺のチューニングの総合結果として、“小音量でも混濁しない”方向に振っている印象です。
まとめ:低域ブースト=即モコモコ、ではない。Pro 3は輪郭の保ち方が上手い。
日本ユーザー的ハイライト:小音量主義&ながら聴きが快適に
電車・カフェ・自宅でのながら作業……日本で多い“小音量+長時間”の使い方に、Pro 3の設計思想はよくハマります。透明モードの現実感が上がり、小音量でもノレるEQとシール安定が効くので、音量を上げずに満足度を取りやすい。耳と脳の疲れ方が変わるのは、毎日の生産性にも地味に効いてきます。
機種選定の全体像は、シリーズ横断で整理しています。用途別の向き・不向きもあわせてどうぞ(AirPods比較ガイド|2025年秋版)。
背景と見通し:数値より“聴き心地の再現性”へ
Pro 3の評価は、「何Hzを何dB削ったか」より、小音量から大音量まで“気持ちよさ”がブレないことに収れんしているように見えます。レビューが支持されるのは、生活の音量レンジで最適化する思想が、私たちの毎日に直結しているから。今後のアップデートでは、装着テストの精度や耳型推定の改善など、“あなたの耳に合わせ続ける”方向の進化が期待できます。
フォーム入りチップの扱い方や、フィット最適化の考え方は、基本機能を押さえたうえでこちらのまとめもどうぞ(AirPods Pro 3の特徴まとめ)。
ユーザーレビューと議論の渦──AirPods Pro 3は「最高」か「チューニング失敗」か
Reddit上では、AirPods Pro 3をめぐる感想が百花繚乱のように飛び交っています。特に多いのは「Pro 1からの大幅進化」という声。バッテリー持ち、ANC(ノイズキャンセリング)、音質すべてで劇的に改善したと絶賛する人が目立ちました。「地下鉄や飛行機でも別次元」「Pro 2では残っていた“ゴーっ”という機内音がPro 3では消える」といった具体的な報告も。
一方で「Pro 2からの進化は微妙」という慎重な意見もあります。確かにANCや装着感は改善されたが、音質のチューニングが“V字型”(低音と高音が強調される傾向)に寄ったことで、「よりフラットなPro 2のほうが好み」という声も根強いのです。特に低音の量感が増した代わりに解像度やバランスが犠牲になっているのでは、という疑問が多く見られました。
Linusレビューをめぐる論争
技術系YouTuberのLinusが出したレビューは、かなり辛口で「音質が悪化した」と断じる内容。そのためRedditでは「彼はわざと逆張りして注目を集めている」「最近のLTTは信用できない」という批判もあれば、「測定グラフ上でもPro 2より劣るのは事実」と支持する声もあり、真っ二つに分かれています。面白いのは、この議論が「測定グラフは当てにならない」「実際の耳で聴くしかない」という方向にもつながっていることです。
音質とEQに関する分岐点
音質の印象差の背景には、Appleが導入したAdaptive EQ(音量や耳の形に応じてリアルタイムで補正する仕組み)があります。そのため、グラフで固定的に測定すると低音過多に見えても、実際のリスナーごとに補正がかかり「思ったよりフラット」「逆に人工的すぎる」と感じ方が割れるのです。あるユーザーは「低音はBeats的で万人受け狙い」と評し、別のユーザーは「クラシックやジャズでも空間の広がりが段違い」と絶賛していました。
フィット感・補聴機能・耐久性
新しいフォーム混合イヤーチップはフィット感が改善したと好評ですが、「外すときに破れやすい」という不満もありました。さらに補聴機能(Hearing Aidモード)を実際に使っている高齢ユーザーの声もあり、「高価な補聴器より自然」「ただし電池が1日は持たないので常用は無理」という現実的な評価も寄せられています。
まとめ:進化は明確、評価は二極化
総じて、AirPods Pro 3はANCと空間表現で大きな進化を遂げたのは間違いありません。ただし音質チューニングの変化が“万人受け”か“改悪”かで意見が分かれているのが現状です。つまり、Pro 2から買い替えるべきかどうかは「フラット志向か、迫力志向か」というリスナーの価値観次第──この点が最大の分岐点になっています。
Pro 3は、小音量で“盛りを足す”、大音量で“暴れを抑える”という音量連動のさじ加減と、フォーム×フィット最適化で“聴き心地の再現性”を上げてきたモデル。数値の勝負ではなく、日々の耳に寄り添う調整が光ります。小音量派・ながら派ほど、効果を感じやすいはずです。ではまた!
Source: 9to5Mac