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Appleを理解して翻訳する。それが「となりずむ」

AppleがAI健康コーチを断念?競合Ouraに危機感、Siriによる「対話型ヘルスケア」へ舵を切る

暗い背景の中央にAppleの「ヘルスケア」アプリのアイコンが配置され、その周囲を睡眠、心拍数、活動量、栄養、マインドフルネスなど、ヘルスケアに関連する様々なカテゴリーのカラーアイコンが円状に囲んでいるイラスト

✅この記事では、AppleのAI健康コーチ計画が“規模縮小”に向かった理由と、代わりにどこへ舵を切ったのかを押さえます。いまのHealth/Fitness+にモヤモヤしている人ほど、次の一手が見えやすくなるはずです。

いまの時点で「すぐに新しい健康サブスクが出る」という話ではありません。ただ、既存のHealthが“より賢くなる”準備が進んでいる、と捉えるのがいちばん近いと思います。

どうも、となりです。

「Appleが健康のAIコーチを出すらしい」と聞くと、ちょっと期待しちゃいますよね。睡眠・運動・メンタルまで、データが揃っている会社だからです。

ただ今回の話は、夢が膨らむ方向というより、“やり方の見直し”に近い印象です。単体の新サービスを押し出すより、いまあるHealthアプリに機能を積み上げ、質問できる形(AIチャットやSiri)へ寄せていく。そういう転換が見えます。

要点まとめ:AI健康コーチは「単体サービス」より統合へ

ポイントは、プロジェクト自体の中止ではなく、“大きな箱を作る”発想が後退したことです。代わりに、個別機能を小さく出していく方向が強まっています。

  • Project Mulberry(AI健康コーチ計画)は規模縮小
  • ヘルスケア組織の指揮系統が変わり、エディ・キュー氏が健康・フィットネス領域を管掌(米Bloomberg報道)
  • AI組織も再編が進み、ジョン・ジャナンドレア氏は2026年春に退任予定(米Bloomberg報道)
  • オークランドのスタジオで制作した教育ビデオは、年内にも別の形で導入される見通し
  • 新たに、歩行解析(iPhoneカメラ)健康特化AIチャットボットの開発が進行
  • 将来のiOSでは、改良されたSiriが健康関連の高度な質問に対応する計画(米Bloomberg報道)

詳細解説:何が縮んで、何が残ったのか

1) Project Mulberryが目指していたもの

Bloombergが以前伝えていたMulberryは、Healthアプリを刷新し、AIが健康の「コーチ役」になる構想でした。Appleが雇った医師の知見を学習させ、睡眠や栄養、理学療法、メンタル、循環器など専門家の視点で教育コンテンツを作る、という筋書きです。

その一環として、カリフォルニア州オークランドにスタジオを用意し、ユーザーの健康トレンドを説明するビデオを制作していた、とされています。ここは今回のニュースでも「使い回して、早ければ年内に投入される」と伝えられました。

2) 組織改編が「プロダクトの形」を変えた

ヘルスケア側では、米Bloombergが報じたところによると、長年COOを務めたジェフ・ウィリアムズ氏が退任し、健康・フィットネス領域の監督がサービス担当のエディ・キュー氏に移った、とされています。ここが、今回の方向転換のいちばん大きい背景です。

AI側でも、米Bloombergが報じたところでは、機械学習/AI戦略を率いてきたジョン・ジャナンドレア氏が2026年春に退任予定で、組織の多くがクレイグ・フェデリギ氏のソフトウェア部門へ統合される流れが示されています。

3) エディ・キュー氏が「魅力的ではない」と言った意味

Bloombergの伝え方だと、キュー氏は社内で「もっと速く、もっと競争力を」と求めているようです。比較対象として名前が出たのは、OuraやWhoopといった新興勢で、特にiPhoneアプリ側の機能が実用的だ、と。

ここで刺さるのは、「新しいサブスク(Health+)を出す」よりも、日々の行動が変わる提案を出せているかどうか、という評価軸です。データが見えるだけでは足りなくて、次に何をすればいいかまで落ちてきてほしい。そういう期待に追いついていない、という判断に見えます。

ちなみに、Appleの健康領域は「AIが答える」以前に、データの扱いそのものが難しい面があります。体調は人によって揺れますし、誤解されると不安も増えます。このあたりの距離感は、Apple Watchの健康通知と誤解の話ともつながります。

転換点:Health+案より「機能の小出し」とAIチャットへ

1) 個別機能としての歩行解析(iPhoneカメラ)

Bloombergは、Healthの別プロジェクトとして、iPhoneのカメラで歩き方(歩行)を解析する機能に触れています。Apple Watchが担ってきた“装着型の計測”とは違い、カメラを使うぶん、環境(明るさ・画角・服装)に左右されやすいのが特徴です。

具体的な使い方は未発表ですが、報道の文脈としては「平らな場所で、iPhoneに向かって短い距離を歩く」といったシンプルな歩行テストの形が想像しやすいです。日常の歩行そのものを“常時撮る”というより、測るタイミングを区切った体験に寄せるほうが現実的に見えます。

技術コメント:もし歩行解析をカメラでやるなら、精度の問題だけでなく「いつ撮るか」「どこで撮るか」という運用が一番の壁になりやすいです。Healthの体験として成立させるには、撮影の手間を増やさず、しかもデータが誤解を生まない説明設計が求められます。

2) 健康特化AIチャットボットと「World Knowledge Answers」

もうひとつの柱が、健康について質問できるAIチャットボットです。ここで出てきたのが、社内システムのWorld Knowledge Answersという名称で、Geminiの検索体験やPerplexityのようなアプリを意識した技術、とされています。

ただし現時点で「一般ユーザーがすぐ使える安定版がある」という話ではなく、あくまで開発中の取り組みとして語られています。出てくるとしても、段階的な導入になる可能性が高そうです。

この流れは、Appleが外部AIをどう扱うか、という大きな話とも重なります。GoogleのGeminiとの関係が気になる人は、AppleとGeminiの提携観測も一緒に見ると、整理しやすいと思います。

3) 将来のiOSでSiriが健康の「高度な質問」を受ける

Bloombergは、将来のiOSで刷新されたSiriが、HealthアプリやOS全体でより高度な健康関連の質問(クエリ:質問・検索)に対応する計画も伝えています。

ここが重要なのは、コーチングを別サービスで切り出すより、Siriを入口にしてHealthデータへ自然に到達できる形のほうが、Appleの強みを出しやすいからです。HealthKit(iPhone/Apple Watchの健康データ基盤)の上に積み上がるぶん、連携が増えるほど価値が出ます。HealthKitの立ち位置は、Appleの健康データ基盤(HealthKit)の話でも触れています。

個人的には、専門家コーチングを前面に出すよりも、「日常の疑問にその場で答えられる入口」を整えるほうが、Appleの思想に合っている気がします。健康データはセンシティブだからこそ、使い勝手とプライバシーの両立を“OSの仕組み側”で揃えたほうが、長く続く体験になりやすいんですよね。

注目したいポイント:Apple Fitness+は「続ける理由」を再設計できるか

Bloombergは、キュー氏がApple Fitness+(月額$9.99のPeloton競合)にも変更を検討している、と伝えています。ここは、サービス担当が管掌した時点で「サブスク強化」だけに見えがちですが、個人的にはもう少し現実的な課題があると思っています。

Fitness+の弱点は、動画の質ではなく、“続く導線”が弱いところなんですよね。運動の提案が「今日のあなた」に寄り添う形になれば、アプリが開かれる回数そのものが変わります。Mulberryが目指したAIコーチがもし実現するなら、Fitness+を救うのは新しい番組ではなく、提案の精度かもしれません。

一方で、OuraやWhoopの強さは、ハード(リング/バンド)と運用(24時間トラッキング)がセットになっている点です。Apple Watchは便利ですが、睡眠計測をするなら「充電」という現実がついて回ります。ここをどう超えるのかは、まだ未発表で、材料が足りません。

Redditの反応:Healthは「データの墓場」から抜け出せる?

議論の軸はシンプルで、「数字が並ぶだけのHealth」から、「今日の行動が変わるHealth」へ行けるのか、です。期待と不安が、かなりハッキリ分かれていました。

「Healthはデータの墓場」問題

いまのHealthアプリは“集めたデータを眺める場所”になりがちで、洞察が足りない。Ouraのように、データから「今日はこう過ごすべき」が出てきてほしい、という声です。

ハードウェアの限界(睡眠=充電)

Apple Watchは寝る前後に充電が必要で、睡眠データでリング型に勝つのは難しい。コーチング以前に、リングを出すべきでは、という意見がありました。

Siri強化への期待と不安

健康の質問をSiriに投げられるのは便利そう。ただ、AppleのAIが検索/チャットの体験で外部勢に追いつくまで、時間がかかるのでは、という慎重な見方です。

組織改編=サブスク化の恐怖

ウィリアムズ氏の退任を惜しみつつ、サービス部門主導になると何でも課金されそうで怖い、という反応もありました。

となりの見方:不安が出るのは自然です。ただ、今回の話は「課金の強化」より先に、提案が弱いままでは勝てないという現実を突きつけられた側面が強いと思います。SiriやAIチャットが入口になったとき、Healthが“毎日開くアプリ”になれるのか。そこが勝負ですね。

ひとこと:健康のAIは「正しい答え」より「誤解しない体験」

健康って、正解が1つじゃないんですよね。睡眠が足りない日もあれば、運動しないほうがいい日もある。だからAIが強くなるほど、必要なのは“断言”よりも、条件をちゃんと出すことだと思っています。

Mulberryが縮んだのは残念ですが、単体サービスより、HealthとSiriに統合していく方が、Appleらしい着地にも見えます。とはいえ、ユーザーが欲しいのは未来の構想じゃなくて、明日の体調管理がちょっとラクになること。そこに届く形で出てくるか、注目したいです。

まとめ:Healthは「提案できるアプリ」へ変われるか

  • AI健康コーチ(Project Mulberry)は規模縮小し、単体サービス路線が後退
  • 教育ビデオは年内にも転用され、個別機能の投入が続く見込み
  • 歩行解析(カメラ)や健康特化AIチャット、将来のiOSのSiri強化が次の柱

結局のところ、Appleが問われているのは「健康データを集めた先で、日々の行動を変えられるか」です。Siriが入口になったとき、Healthが“使いっぱなし”になる未来は、まだ作れます。

あなたは、AIコーチを待ちたい派ですか?それとも、まずはHealthが今より少しだけ分かりやすくなれば十分、という派でしょうか。

ではまた!

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睡眠計測で「充電がネック」になっているなら、寝る前後の置き場所を固定して、迷わず充電に戻せる環境を作るのがいちばん手堅いです。

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Source: 9to5Mac, Bloomberg